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三菱史料館(東京都文京区・湯島駅)

明治以降の日本で暗躍してきた渋沢栄一と肩を並べるであろう岩崎彌太郎に始まる岩崎家は、都内にも多くの土地を持ち財を成してきた財閥である。都内に点在する美術館や博物館の多くで岩崎家が関わっているといっても過言ではない。そんな岩崎家つまり三菱の業績を体系的に紹介しているのが三菱史料館である。隣接する大きな家は岩崎家だろうか。すぐ近くには旧岩崎邸庭園もある馴染み深い土地でもある。

湯島にある三菱経済研究所。1階にある展示室の目の前には岩崎彌太郎の胸像がお出迎え。坂本龍馬らと同時代、海運業で発展した岩崎家の歴史が紹介される。土佐藩の出身だったこともあり後に新政府の中軸で活動する人物との関係も深かった彌太郎は持ち前の才覚で貨幣制度の統一化や鉱山の開発などで早いうちから一歩抜きん出た商才を持っていたのである。
展示室には岩崎彌太郎の書のほか、店頭で掲げていたおかめの面、岩崎小彌太の揮毫による「三綱領(所期奉公・処事光明・立業貿易)」も展示されている。戦後になって財閥が解体されるまでの当主四代を紹介している。

初代:岩崎彌太郎:旧岩崎邸庭園、清澄庭園、六義園を購入
二代:岩崎彌之助(弟):静嘉堂文庫を創設
三代:岩崎久彌(子):東洋文庫ミュージアムを創設
四代:岩崎小彌太(甥):国際文化会館にある庭園を所有

他にも五代目当主の彦彌太(孫)が殿ヶ谷戸庭園を購入するなど、都内のあらゆるところに岩崎家ゆかりの場所が存在する。財を成したと同時に文化芸術への寄与もした岩崎家。億万長者になったら見習いたいものである。他にも会員制で一般には非公開の場所もあったりするブルジョワジーである。トイレは使用できない。

東京には岩崎家の施設が山ほどある

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