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ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション(東京都中央区・水天宮前駅)

竹橋から東京メトロに乗って茅場町で降り、徒歩でホテホテと歩くこと10分。水天宮駅の目の前にあるのがミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションである。

ヤマサ醤油の御曹司で版画家としてメゾチント技法の復興を担ったという浜口陽三。夫人の南桂子も版画家らしい。どうやら最初から会社経営とは一線を画していた模様で、メゾチント技法で版画家としての地位を確立した浜口陽三の作品は都内でも多くの場所で展示されている。

版画のことは不勉強であまりよく分からない。彫刻刀で削る木版画くらいしかイメージがなかったのだけれど、ここで展示されている銅版画というのはまた異なった手法で作られているそうで、その道具や作り方なども展示内容の一つ。

プレス機で押しあてて一つの版画に仕上げるそうで、実際に使用していたプレス機も展示されていた。その版元がある限りは無限に作れるのでは? というイメージだったのだけれど、プレス機で何度も押しあてていると劣化してしまうため、実際に版画となって仕上がるのも数が限られているらしい。

繊細かつ幾何学的な絵柄の作品が多く、部屋全体が薄暗い照明になっているのもあってどこか寂しさを浮き上がらせる。特にさくらんぼの版画が浜口陽三では有名な作品らしく、いくつもの色刷りのさくらんぼ作品が並べられていた。常設展示室内は撮影不可。トイレはウォシュレット式。

記念館には常設展の他に地下階があり、そちらでは企画展として他の作家の作品などが展示されることが多いそう。
螺旋階段を降りて行くと秘密基地みたいな地下階へ着く。
今回は濱田祐史という若い写真家による展覧会が開かれている。抽象的なものが多く初見ではあまりピンとこなかったものの、冊子で自由に閲覧できるようになっていたPrimal Montainシリーズ(身近な素材を接写して山の風景写真のように見せる)は面白い視点だった。見学者は驚異のゼロ。平日というのもあってなかなか難しい。

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