見出し画像

2B SaaSに関する考察

肌測定・データ管理ソリューションのHADABON Proがリリースされました。この2B(ビジネス向け)SaaSの登場を機に、筆者は2B SaaSについての理解を深めるため、考察をまとめていくことにしました。第1弾では、SaaSの本質的な特徴と、一般的に2B SaaSが失敗する理由について調査しています。

SaaSの本質とは?

ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)の本質は、従来のソフトウェアとは異なり、継続的な課金型のサービスにあります。具体的には以下の2点が大きな違いとなります。

  1. クラウドベースの運用方式
    SaaSはクラウド上で提供されるのに対し、従来のソフトウェアは企業の自前サーバーで運用されていました。

  2. サブスクリプションビジネスモデル
    SaaSはレンタル型のサービスですが、従来ソフトウェアは一括購入が一般的でした。

プロダクト・顧客・市場の重要な関係

優れたSaaSプロダクトがあって初めて、顧客からの認知と市場の承認を得ることができます。市場を制覇するには、顧客の支持を集め、爆発的に普及するプロダクトの開発が必要不可欠です。

SaaSにおけるプロダクト・顧客・市場の重要な関係

2B SaaSが失敗する理由

企業の生産性向上やデジタルトランスフォーメーションを後押しするはずのSaaSが、なかなか大規模に普及しない背景には、以下の課題が存在します。

  1. 企業側からの効率向上やDX化へのニーズが大規模に至っていない

  2. 不十分なプロダクト品質
    資金難から企業向けのカスタマイズ開発に走ると、SaaSのコア機能が後回しになり、質が低下する恐れがあります。

    1. 顧客のビジネス理解不足
      機能が不十分だと顧客にプロダクトの価値が伝わらず、評価が得られません。

    2. ITアーキテクチャの拡張性の低さ
      バージョンアップの度にアーキテクチャの見直しが必要になると、開発リソースが無駄になります。

    3. 組織全体の能力不足
      マーケティング、販売、サービス等の各段階で、プロセスやルールの構築が不足していると普及が難しくなります。

  3. 顧客企業の購入プロセスのボトルネック
    各社で購入権限の流れが異なると、営業に高いハードルがあります。営業・販売のプロセスが標準化できないと、スケールが難しいくなります。

2B SaaSが失敗する理由は、プロダクトの質が不十分なこと(内因)と、顧客のニーズがMust-have的ではないこと(外因)が、2B SaaSの普及が進まない理由だと言えます。

2B SaaSが失敗する理由

汎用型SaaSと業界特化型の差

業界特化型やシナリオ型のSaaSは、汎用型SaaSより発展が速い傾向にあります。特定の課題に対する具体的な解決策を提供できるため、企業の購買意欲を刺激しやすく、トランザクションやデータ蓄積においても有利に働くからです。

例えば、医療業界特化のSaaSは患者管理や診療情報の整理に特化することで、医療現場の業務効率を飛躍的に高めることができます。

SaaS企業が本格的な普及を遂げるには、継続的な優れたプロダクト開発と、顧客ニーズの的確な捉え、組織体制の強化が不可欠です。その際、業界やユースケースに特化したSaaSは有望な選択肢となり得ます。


肌測定・データ管理ソリューションのHADABON Proがリリースされました。この2B(ビジネス向け)SaaSの登場を機に、筆者なりに2B SaaSについての理解を深めてみようと考え、考察をまとめていくことにしました。第1弾では、SaaSの本質的な特徴と、一般的に2B SaaSが失敗する理由について調べてみました。今後さらに、HADABON Proの成功要因や2BSaaSビジネスのあり方など、様々な角度から検討を重ねていく予定です。

HADABON Proのホームページはこちらです。
https://www.hadabon.jp/

SaaSが継続的なサブスクリプションモデルであることや、優れたプロダクトがあっても普及に至らない背景が分かりました。HADABON Proは業界特化型SaaSとしてそうした課題を乗り越えた可能性があります。具体例から学びを得ながら、2B SaaSビジネスの本質を探っていきたいと考えています。筆者なりの見解ですが、皆さまからのご意見も参考にさせていただければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?