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ささやかなものとして。

朝から某所にて野菜をたくさん切った。
ニラ、にんじん、えのき、大根…
厨房には私のほかに二人の女性。
勝手知らない私に二人から指示が飛ぶ。
「次は焼き上がったものを一口サイズに切ってもらえる?」
ひたすら切る。
「お米は2.5升ね。ガス火やから15分で炊き上がるよ!」
いろんな会話が飛び交う。
消毒、配膳、下膳、食器洗いを経て任務は無事終了。

誰かのお腹を満たすために力を尽くす人がいる。
誰に褒められるでもないけど、心を込めて美味しいものを。

すべてが終わった後、綺麗さっぱり片付いた炊事室で二人とコーヒー片手に少し話した。
コーヒーもちょっとしたお茶菓子も二人が持参してきてくれていた。
気が付かなくてすいませんと謝ったら、いいねんいいねん!と笑顔。
二人とも普段の仕事は保育士さんで、保育現場の話や最近のコストコ事情なんかの話に花が咲いた。
私はコストコはほとんど行かないけど、タコスチップスの袋が米袋サイズだとか、冷凍庫の3分の1が大きすぎるサーモンで占められてるとかの話がなんか可笑しくて笑った。
他愛無い話で笑えるってなんでこんなに幸せなんやろう。

用事が終わった後は急いで帰って来客に備えた。
最近結婚したばかりの友人が夫婦揃って会いに来てくれることになってたから。
コロナが大変ななかだから延期しようか迷ったけど、ずっと前から予定してたしマスク着用で消毒もしてから会おうとなって。
久しぶりに会えてとても嬉しかった。
彼が彼女を大切に想っているのが伝わってきてそれがとてもいいなぁとも思った。
心が相当に潤った。
幸せな笑顔。
いいな。

私はとてもちっぽけで些細な存在だけど、だからこそささやかに生きる人の姿にいつも癒され励まされる。
大切な人たちがみんな笑顔でいられますように。
なんでもない日常が明日も明後日もずっと続きますように。
祈ろう。



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