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写真心理学はじめます。

ナムフォトをはじめて、2020年5月13日で丸4年が経ち、ひっそりと、5期目を迎えている。

ここ1年ほどは、「オンライン写真サービス」の準備で、地中に向かって穴を掘り進めるような時間を過ごしていた。

ようやく方向性が見えてきたので、地上にもお披露目させてもらいたいなと思って、noteを綴ることにした。

ナムフォトのワークショップのスタイルができるまで

ところで、いつからだろう?

私の開催する写真ワークショップでは、
「実習で撮影したぜんぶの写真を、全員でみる」というスタイルが定番になった。

みんな、同じレクチャーの後、同じ時間、同じ場所で撮影実習をする。
機材も、スマホかミラーレスといった、大差のないもの。

にも関わらず、「こんなにも、人によって撮る写真が違う!」
という驚きや感動を、毎回得る。

一つの事象に対してどれくらいシャッターを切るか、撮影の軌跡などから、その人の興味関心が見えてきたりする。

好きな質感や温度感、コミュニケーション、視野や視座の違いなどが、当然伝わってくる。

そういったものを、どんどん言葉にして、お話したり、時に本人に動機を尋ねたりするのが、私の講評スタイルとなった。

(結果、長引きガチになる・・・ごめんなさい・・・)

---参加者からの感想の一部---

「人の写真を見るのって、ホント楽しいと思ったし、こういう風にも撮れるんだって刺激にもなりました」

「技術にこだわらず、写真を楽しめるのが面白い!!人それぞれ個性があるのがよくわかる。評価せず、肯定的な見方に共感します」

「いつも歩いている街が、また違う見方ができて面白かったです。人によって見るポイントが全然違うのがおもしろかった!!」

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この講評スタイルに価値を見出して、ワークショップにリピートしてくださる方もいたりして、私は、ナムフォトを続けていく上で、

「みんなの個性と照らし合わせて、自分の個性を受け取れる場所」

としての価値を高めていきたいと、ますます思うようになっていった。


写真家としての、見えないこだわり

私は、多摩美在学時、18才の時に写真をはじめて、かれこれ20年くらい写真が好きである。

写真家人生の途中では、
写真展を開催したり、写真新世紀に入選したり、
WEBメディアを立ち上げたり、
手相にはまってた時期は、100人の手相を路上で撮り集め、ヤクザやホームレスと呼ばれる人へも声をかけてみたり(すごい!手相だった)、
有名な方々を撮らせてもらったり、

あとは、老若男女様々な人へ向けて、1000人近くの方へ写真ワークショップを開催するなどしてきたが、

社会的には、そんなにスゴイものではないことを知っている・・。


商業的な世界でシャッターを切るカメラマン業も、
自分の世界観を発表&評価を繰り返す作家活動も、そぐわずに、

我ながら「ふわり」としている。

もちろん、撮影のご依頼については、全力で向き合う。
写真撮るのは楽しいし、被写体の方も喜んでくださって、それまた嬉しい。

そして、なんと言っても、私は、私の撮る写真が一番好きであるし。

おそらく、一生好きである。誰かに言われなくたったやりたい。
だけど、その"好き"は、社会のどこへ向かって発揮されるのだろう?ということを、長年見守っていたように思う。(ナムフォトを始めてからも)

ちなみに、私のシャッターポイントのこだわりは、
「Awesome!」である。

自分のマインド、ハート、ソウル、身体感覚のすべてを貫き、「ビビビッ!」と震えた瞬間を、逃さないようにシャッターを押したいという欲望を持っている。

生きていく上で、そういう感性や感受性を、絶対に忘れたくない。


思えば写真家って、みんな似たようなものかもしれないけど。

いくら、ビビビ!と来てても、ぶれぶれの写真だったらアウト。
エネルギーを乗せたまま、構図、露出も妥協せず、

咄嗟のシャッターで、クリアできるように訓練をし、

撮り逃さないように、シャッターチャンスの感性を磨き続け、

「どれがベストな一枚か?」
画面の前で、似たような写真を目がちぎれるほど見つめて、判断したり。


「思考先行」で撮影された現実的な写真からは、
「ビビビ!」が感じられず、「上手いけど、退屈だな」
と思ってしまう。(自分の写真でもね)

後から加工すれば、「なんかすごい写真」にはなるけど、
エネルギーの後付けはできない。(串カツ屋のソースのようだ)


この、「ビビビ!」を「日常的に」取り扱えるようになるためのレッスンを提供したい。

そんな想いを込めて、
オンライン写真ワークショップ「アイのポスト」の実証実験をしていたのが、2018〜2019年にかけてであった。

5人をオンライン上のグループにして「1日1枚、アイを感じた瞬間をポストする」というルールに沿って、2週間の投稿期間を過ごしてもらい、終わってから振り返りの時間を持ってもらう。

のべ、80人に体験をしてもらった。


---参加者からの感想の一部---

日常の中の美しさを発見する感覚が、研ぎ澄まされていく日々でした。期間が終わってからも、美しさを感じた瞬間を写真に残すようになったのは変化でした。(  30代男性 会社員)


今まで気づかなかった日常のちょっとした部分を発見することが多かったと感じます。周りの大切な人の存在や、色々な視点を学ぶことができました。( 30代男性/会社員)


改めて自分が何を好きか再確認しました。似ているようで違っていて、でも、共通することもあって、人っていつでも話せばわかりあえることもあるんだろうなと思いました。 (50代女性/講師)

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主催者側のほうが、驚いてしまうような、
素晴らしい気づきに溢れた感想が、山ほど届いた。

写真を使って「日常のビビビ!」に触れる体験は、
写真家だけではなく、一般の、誰にでも再現性のあることが実証された瞬間
でもあった。


「日常のビビビ!」をサービス化したいと思い始めた

80人の実証実験の結果を胸に抱えて、
私は「どうしたら、これをサービス化できるだろう?」という模索を始めた。

そんな時、この取り組みに興味を持ってくれた人がいた。


現ナムフォトメンバーの、田中康寛だ。

彼は、勤める会社の新規事業の一貫で、
「これからの、人々の働き方」を研究し、働き方の診断アプリを立ち上げていた。

「働き方を本質的に取り扱うには、もっと内面世界に向き合う必要があるのではないか?」

という問題意識を抱えていて、

「写真で、その人自身の創造性や内面世界が見える化する」という、キーワードに「ビビビ」ときたようだ。


彼は、活動データからUXを高める方法を研究していた背景もあり、物事へのアプローチがめちゃめちゃ理系くんである。

撮る写真も「水平垂直」的な思考先行型なのかと思いきや、、、人との触れ合いの嬉しさを敏感に感じとるようなやさしい写真や、たまにホームラン級の「震える写真」を見せてくれる。

なんだ。めちゃめちゃいいやつじゃん。っていうか、根がアーティストなんだね!
(見た感じ、話しかけづらい雰囲気を醸している)


とにかく、サービス化するための、あぁだ、こぉだを、進めることにする。

あぁだ、こぉだ、を半年ほど続けていくうちに、
もう一人、正式にメンバーに加わってくれた仲間がいて、それが、稲葉由香利だ。

シェアオフィスに、ビジネススタイリストとして在籍していたときの同僚だった。

8名いるビジネススタイリストのうち、彼女が一番、第一印象を裏切ってくれた人物だった。

か弱そうで、はかなげな美人かと思いきや、客観的な視点や芯の強さ、グイッと前に進める力を持ち合わせていて、やる時はやる美人であった。

会議中、それがみんなの意見の方向性とは違っても、ぽつりと疑問を口にする感性も好きだった。

さらに、写真を見せてもらったら、すごい自然のエネルギーやスピリチュアルな感性も満タンで、

「え!!!なんで隠してるの?もっとだしなよ!」と、思わず。

「・・・・(大切なことを話す前の沈黙)

ちょうど、表現することに関わりたいなと思ってるタイミングだった。

とのことだった。

人生において、タイミングって大事やなぁ。
(ちなみに、美人なのは、かわりない)


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さて、三者三様の経験や感性をベースにした意見交換は充実して楽しいものとなり、私たちは、定性的(だと思われているもの)や、数値化しづらい(と考えられているもの)を形にするために、

「写真心理学」なるものを発明するに至ったのだった。

写真心理学とは?

------ 写真心理学の説明書より ------

人は、日々何かしらの一次情報に触れて、視覚や聴覚、触覚などの身体機関からインプットを行い、何かしらの判断をくだしています(無視するということですらも)。この間、脳内では物事を感覚でとらえ、対象理解、イミ理解、情報の統合、つなぎ込み・統合、判断・実行といった行程が行われています。

アウトプットされた写真及び、そこに添えられたコメントから、この脳内で行われている行程を、3つのカテゴリ(WHY?・HOW?・WHAT?)と、表現力、潜在的に抱いている興味(どんな事象に興味をいだき、自発的に関わろうとしているかを言語化)で診断し、脳内の思考回路を見える化したものです。

・「なんかいい写真」が、なぜいいのか?
・自分には、どんなモノの見方の特徴や思考グセがあるのか?
・どんな価値基準を持っているのか?

などを、端的にとらえるツールです。

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まとめるにあたって、最初は既存の心理学や、フレームワークを調べることから手をつけた。

ポジティブ心理学、性格診断(MBTIや、BIG5)、アドラー心理学、ストレングスファインダーなどの診断や、アートシンキングのフレームなどだ。


写真(と、コメント)から読み解けるのはどんなことか?
仮説を組み立て、実際のセッション写真を診断・評価しながら、

「何をどう見て判断したか」
「なぜ、そういう評価になったか」
「違和感があるのは、どこか」

などを丁寧に言語化してすり合わせ、

評価軸そのものを見直し、
評価するときの基準をつくり、

また診断をして、、、、

という具合に、写真心理学1.0が完成したのである。

さらに、個人の創造性とチームの心理学安全性の関係性にも注目


Googleが、成果を出すチームは「心理的安全性」が最も重要であるという研究結果を出したことは有名である。

ナムフォトは、

「個人の創造性を見つけ、お互いに学び合う」ことで、知の結合が起こり、心理的安全性も構築できるのではないか?と考えている。

80人の実証実験の感想を分析すると、
「自身の創造性」と「心理的安全性」に関わるものに二分されていた。


「日常のビビビ!」から始まった探究が、また一歩、サービスに近づいた瞬間だった。


「日常のビビビ!」を必要としているビジネスパーソンへ


ヒアリングを重ねた結果、現在「イノベーションに携わる大企業のビジネスパーソン」へサービスを届ける方向性を見つめている。

①アート思考に興味があるが、何から始めればいいか分からない
②まだ形になっていない商品やサービスを論理的に説明するのが苦手
③WHY思考をもっと的確にできるようになりたい
④発想力やアイデア力を高めたい
⑤チームMTGで、もっと建設的な面白い議論がしたい
⑥新規事業の部署にいるが、イノベーティブな雰囲気がない
⑦自身の考えや大切にしていることを言語化できない
⑧自身のWillを探究してみたい

こんな人たち!

サービスとして、より角度の高いものにすべく、今月から「team Fantasy-sta.」(JR東日本グループ社員有志によるチーム)や、co-ba ebisu(「働き方解放区」をテーマに掲げるコワーキングオフィス)と実証実験を開始していく。


彼ら、彼女らの「ビビビ!」を臨床しながら、写真心理学はどんどん進化・深化していくだろう・・・と思うと、超ワクワクする!

震災後、ビジネスの場面で「デザインシンキング」が語られるようになったけど、ここへきて「アートシンキング」が語られるフェーズに移行したようだ。

大きくは、ビジネスのセカイでも「人口減少」という未知の領域による影響が出始めているからだろう。
コロナもやってきたしね。

「イノベーション」と呼ばれる取り組みを、みんなが試行錯誤している。

新規事業を立ち上げる前に突き止めるべきは、「未来に、本当に必要とされるなのは何か?」であり、
それには、自身や大切な人が、「いつ、どこで、誰と、何をして生きていきたいか?」を見極めるような作業だったりもする。

とても繊細な作業だ。

「効率よく、速く、安く、たくさんの人に届ける」というルールで勝ってきた大企業パーソンにとっては、
真逆の物の見方・考え方・感じ方なのかもしれない。


いきなり、全部を変える必要はなくて。

池にぽちゃりと小石を投げ入れると、やがて大きな波紋となって広まっていくような。
小さな気づき、小さな変化から何事も始まっていくのだと思う。



私は、写真をとおして「日常の中で、自分の感動に触れる体験」が好きだ。

この体験が、誰かに伝わったときにも、大きな喜びを感じる。

この気持ちを忘れないように、勇気と元気を出して、また地上活動をスタートしていこうと思う。


小さな願いとしては「自分の写真が、一番好き」な人が、たくさん生まれるといいな、ということである。



そして、サービス(miitという名前になりそうだよ)としての着地どころは、、、追ってnoteに書くべし・・・!

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