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初めての障害告知、どこまで伝えればいい?

昨日、障害告知をテーマにした視覚技塾を開催。

ありがちあことに、全国から約50名のご参加がありました。

その中で

「最初の障害告知でどこまでのことを伝えればよいのでしょうか」

という障害告知をする側からの質問がでました。

私は障害告知をされる側でしたし、それてきた方々とよくお話をしてきましたのでこの質問はとても新鮮に感じました。確かに、障害告知をする側には様々な情報があり、その情報のどこの部分までをどう告知するかは告知する側にゆだねられていますよね。

私及びこれまで障害告知をされてきた友人たちの意見は

「できるだけ最初につつみかくさず、すべてのことを伝えてほしい」

です。信頼関係ができてきてから、徐々に伝えたほうがよいのではないか、進行性の病気の場合、最悪、失明する可能性があることを最初から伝える必要はないのではないかなど、告知される側の苦悩、やさしさを感じます。

私は告知をする医師という役割は一番つらい役回りではないかとすら感じています。相手に絶望を与えるとわかっていて、絶望的なことを伝えなければならないのですから。でも、これは医者にしかできない役割でもあります。私はあのとき、私を思いっきり谷底につきおとしてくれた医者に感謝しています。もし、あのとき、絶望を与えず、少しでも希望をもたせるような発言をされていたら、私は今、このような人生を送っていなかったと思います。かなうはずのない希望にすがり、現実から目をそむけていたと思います。治療方法がなく、失明する可能性がある、盲学校に転校することも考えたほうがいいだろう、そのぐらいのことをいわれて、絶望という名の谷底につきおとされるのです。でもね、突き落とされたら、人間あとははいあがっていくだけなんですよね。もちろん、このとき私に障害告知をした医者は私を谷底から引きあげてくれる勇者を召喚してくれました。なので、谷底でおもいっきり泣くことができたし、ひとしきり泣いたあとは勇者と一緒にこの壁をのぼって再び生活するためにはどうしたらよいかということに注力することができました。当然、このtき、私は医者をうらんだし、なんて冷徹な医者なんだろうと思っていました。でも、あの冷徹さこそが真実のやさしさだったといまならいえます。

障害告知、これが正解という方法論はないのかもしれません。ただいえることは、その人が診察室を一歩外にでたときにその人を支えてくれる誰かとつないでほしいということです。その命綱がつけて、おもいっきり告知をしてあげてほしいなと思います。私にドストレートな障害告知をしてくれたお医者さん、ありがとうございました。



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