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弱視の人はどうやって本を探しています か ?

視覚障害者になってから、本屋さんに行って何気なく手にとった本との出会い、図書館に行って背表紙を眺めながら面白そうな本を見つける、そんなことができなくなった。

「奈良さんはどうやって本を探しているのですか? 」

先日、弱視の高校生に尋ねられたので今日はその質問に答えてみたいと思う。

本を探す方法は主に5つある。

1.Amazon等で本を探す

2.サピエ図書館で本を探す。

3..友達とメールやLINEをしたときに最近読んだ面白い本は何か聞く。

4.地域の図書館で図書館司書さんに聞いて本を探してもらう。

5.点字図書館の方に本を探してもらう。


1.アマゾンで探す
KindleAudibleのアプリをよく使っているので、新刊案内のメールや次に読む本としてお勧めのリストがあったり、読書の幅を広げるためのカテゴリーがあったり、様々な機能が用意されているのでそこから次に読む本を選ぶことも多い。大体、話題になっている本は、読むようにしている。
加えて、SNSなどで友人が読書感想を書いているのを読んだときは、必ず、その画面をスクショしておく。そして、ヘルパーさんがいるときにそのスクショをみてもらい、本のタイトルを検索してもらう。本を探すと言うのと本を購入するというのがほぼ同時にできるのでとっても便利。

2については、アマゾンで読みたい本が見つかってもKindle版がなかったりAudible版がなかったりする時、つまり、紙の本しかないときは弱視の私はその本を読むことはできない。そこで、サピエ図書館と言われるオンライン図書館を利用することが多い。これは、視覚障害等の理由によって文字の読み書きに困難がある人であれば誰でも使えるサービス。ここに本があればすぐにダウンロードして読むことができる。ちなみに、このサピエ図書館には人間が読み上げている音声図書とテキストデータを読み上げさせる本と点字データの本が所蔵されている。私はあまり点字で本を読むことがないので音声バージョンのものを利用することが多い。

3は友人に聞くという探し方。アマゾンでKindleや Audibleばかり読んでいるとどうしても読書の幅が偏ってくる。そこで、私がよくやっている事は読書が好きな友人にメールやLINEをするときに
「追伸、最近何か面白い本はあった
? 」
などとメッセージを付け加え、面白かった本を教えてもらう。人によって面白い!と感じるツボを違うのでいろいろな本を読めてなかなかいいと思う。

4、地域の図書館を活用する方法としては、これまたあまり知られていないのだが地域の公共図書館には対面朗読室が備えられていることが多い。対面朗読室とはその名の通り、その部屋で本を読んでもらうことができる。私はこのサービスを利用する時、本を読んでもらうだけではなくて本を探してもらうサポートも依頼している。図書館の事は図書館の人に聞くのが1番いいと思うから。例えば、
「子育て関連の本を読みたいのですが子育て関連の書籍を何冊か持ってきてもらえませんか? 」
とお願いするとわりとすぐに10冊ぐらい持ってきてくれる。その中から目次やちょっと内容を読んでもらったりして読みたい本に見当をつけていく。これは、本屋さんで立ち読みするような感覚に近い探し方だ。

最後は、点字図書館を活用する方法。
これは私はあまり活用していないのだが、点字図書館に電話で相談すると、上で挙げたサピエ図書館に登録されている図書の中から自分の興味関心に合わせてお勧めの書籍をピックアップしてもらうことができる。点字図書館によってはオススメ本のセレクトパックなんかもあったりする。こういうものを利用することで自分ではうまく探せない情報を探す事が上手な人にお願いすることができる。ちなみに、点字図書館(視覚障害者情報提供施設)は都道府県に1か所以上あるので調べてみてほしい。また、郵送での本の貸し出しにも対応してもらえる。高校生のときは、わたしもよくお世話になったサービスの1つだ。

見えない・見えにくいと、なかなか情報が得られない。でも、複数の手段を組み合わせることでより豊かな読書体験ができるようになった。確かに、いきなり簡単にこうしたリソースをフル活用することは難しいだろうが、徐々に慣れていけば、必ず、あなたにとっての趣味の1つが読書になることだろう。

自分に合った方法を見つけてぜひたくさんの本を読んでもらいたいと思う。

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