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グレート・マザーIN奈良①役小角ママ

偉人といって誰を思い浮かべるであろうか。

東西社が出している『世界の偉人伝 未来を作った10人』を見ると
スティーブ・ジョブズ リンカーン エジソン 坂本龍馬 ナイチンゲールライト兄弟  手塚治虫 プスカシュ 野口英世 アンネ・フランク
が選ばれていた。

ジョブズが入ってるあたり、現代って感じですね・・(プスカシュ知らなかった。サッカー選手なんですね・・)

しかし!ここに奈良の偉人がひとりも入っていない。

奈良の偉人と言えば行基菩薩であり、役小角(えんのおづぬ)であり、聖徳太子であり、弘法大師空海である(感想には個人差があります)

今日は母の日なので、奈良の偉人のグレートマザーについて少し書いてみたい。

とはいえ、表に出てくるのは偉人なので、その母上のエピソードはとても少ない。

少ない中でわりと好きなのは、役小角(えんのおづぬ)のお母さまだ。

役小角さんは、現在の奈良県御所市の出身といわれ、お母さまは白専女(しらとうめ)と呼ばれる。

小角さまを身ごもった時、月をのみこんだとか、五鈷杵を飲み込んだとか色んな伝説が出てくる。

偉人の出生には神秘体験がつきものなのだろうけど、小角さまの場合、注目すべきはお母さまの身の振り方だ。

小角さまは「山岳修行」という山にこもって修行する大変厳しい行をされる方だったので、心配されたお母さまは後を追って山に入られるのである。

しかし当時の山は魑魅魍魎の館。すごい大蛇なんかもでてきたとのことで、心配された小角さまは、お母さまのために庵を建てる。そこに住んでもらって、自分の手下に様子を見てもらえれば自分も安心だし、お母さまも息子が用意した庵に住めれば満足である。

現在そこは「母公堂」として残っている。
(昔訪れたときは、とても世話好きにおじさまが守っていらして、お茶の接待を受けた。今でもお元気であろうか)

昔から母子の絆は強かったようで、たとえば小角さまがスーパーパワーを発揮して、あまりにすごい力だったので時の政府に睨まれたときがあった。

政府は小角さまを捕縛しようとしたが、当代一流の術者である小角さまはどんなにがんばっても捕まらない。

業を煮やした政府は、お母さまを捕縛したのだ。
お母さまに危害を加えられたくなければ、出頭せいということである。

鬼畜の所業ですね!

小角さまはお母さまを人質に取られたからには大人しく出頭なさり、島流しになった。

しかし!昼間は政府の顔をたてて大人しくしていたが、夜はビューーンと飛んで富士山まで修行に行っていたという。

最高な話です。


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