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梅の名所月ヶ瀬 梅は生存戦略だった!

奈良で梅の名所といえば月ヶ瀬村

奈良に月ヶ瀬というところがあります。

梅の名所で、見渡す限り一面の梅の景色が楽しめます。

あの熱血漫画の傑作『ガラスの仮面』で主人公たちが憧れてやまない「紅天女」とうい梅の精がでてくるのですが、それってここが舞台ではないかとひそかに思っているのです…

満開になると、山一面梅が咲き誇り、その美しさ、香りの良さは神々の世界か?と思うくらい美しい。

その数もめちゃくちゃ多くて、急な斜面すら切り開いて植樹しているのです。切り立ったところにも沢山の梅の木があり、眼下一面梅の林になっているところもあります。渓谷の下を流れる川もとても美しい。

この川が非常に大きく豊かなおかげで、川面が反射して光る様子と一面の梅という絶景が見られるのです。

奈良は素晴らしいお山が多く、そこで見られる風景はどこも素晴らしいのですけど、梅にかぎると月ヶ瀬が一番好きです。

もともと月ヶ瀬は、染色のための「烏梅」(うばい)を作るために梅を沢山植樹したといいます。

京都の染物屋に卸された烏梅は同重量の米よりも高価に取引され、田畑の少ない山間地において重要な収入源となった。その為、急峻な山の斜面すら切り開いて梅の木を植え、月ヶ瀬の渓谷を数万本の梅樹で埋め尽くしたという。これが月ヶ瀬渓谷の始まった原因である。

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近代化されて化学染料が登場して、自然から色を頂く手作業はすっかり廃れてしまいました。

でも、かつては梅からもらったエキスを仲立ちにして、日本の赤、赤といっても色々ありましてその中でも艶紅と呼ばれる赤を作ったのです。

今わたしたちがただ、鑑賞用として楽しんでいる植物が、いかに日本人の生活に欠かせないものだったのか。今だって欠かせないはずなんですけど、なんだかそれが分からないシステムになってしまっているんですよね。

ぜひ、月ヶ瀬を訪れてみて下さい。

そして素晴らしい梅林と、梅林を作る理由が月ヶ瀬村の生存戦略とかかわっていたことに思いを馳せて見て下さい。


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