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聞きたい 花会式

奈良では「修二会」と呼ばれる法要があります。

お坊さんが俗世から離れ、精進潔斎して国家のために、国民のために祈ってくださる法会です。

東大寺さんにある二月堂で行われる修二会が「お水取り」などと呼ばれて有名なのですが、薬師寺さんでも行われています。

薬師寺さんの修二会は通称「花会式」と呼ばれます。

花がつくのは、その昔、平安時代に生きた堀河天皇という方が、皇后様の病気平癒を願って始められたのが最初だといわれ、病気が治った皇后さまは造花を奉納したことから、今も薬師寺修二会の時には造花が飾られるのです。

薬師寺の花会式の頃に参拝に上がると、きれいな造花が金堂にいっぱい飾られているます。

梅・桃・桜・椿・百合・藤・杜若・山吹・牡丹・菊。10種類12鉢1600本。多いもので200~300本作られるそうですが、藤は6本のみ。とても貴重なんだそうです。

このお花もとても見応えがあり、見どころなのですが、もうひとつすごいものがあって、それが御経を唱える声が大音声なのです。

声が大きいというか、もう絶叫している感じで、ちょっとほかの法会にはない迫力があります。


あまりに大きな声なので、金堂の扉を開け放っている昼間の法要は、境内のどこにいても聞こえます。

行をされている近くで拝見したいものですが、時には離れた場所から声だけ聞くのもいいものです。

金堂の後ろには講堂という建物があり、弥勒如来様がいらっしゃり、さらにここには仏足石というお釈迦様の足跡があります。つまりお釈迦様がいらっしゃいます。

薬師寺境内に「東院堂」には、聖観音さがお祀りされています。

花会式の最中は、弥勒様もお釈迦様も、聖観音さまも、花会式の様子を聞きたがっている。

境内にいると、そんな雰囲気を味わえます。



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