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シンボルは塔!

お寺で大事なもののひとつに「塔」があります。 

もともと塔はストゥーパと呼ばれ、お釈迦様のお骨を祀る場所のことでした。 

ストゥーパが卒塔婆となり、卒塔婆の塔が現在の「塔」です。 

お釈迦様は亡き後もパワーがあると信じられたのでしょう。 

荼毘に付された後、その御遺骨を巡って争いが始まろうとしました。 

しかしある偉いかたが争わず分けよう、と進言して分けられました。 

結果8つに分けられ、御遺骨をいれていた容器、そして灰も大事に引き取られて祀られました。 

お釈迦様は死後、合計10箇所で祀られることになったのです。 

それからさらに200年経って、アショーカ王という人が現れました。 

この人は埋納された御遺骨を掘り起こし、あらたに分けてお祀りしなおしたのです。 

その数なんと8万4000!! 

そんなに分けられるの?と思いますが… 

塔はそんなふうに、お釈迦さまその人を慕う、とても大事な場所なのです。 

奈良の古代寺院はとにかく塔が中心にあります。 

塔が伽藍の中心にあれば、それは古いお寺なのだとわかるくらい。 

飛鳥寺がそうですし、法隆寺がそうです。

そしてのちのちに仏像が安置されるお堂が一番大事!へと変わっていくのですが、塔はやはり建てられます。 


薬師寺の東塔

薬師寺では東塔が解体修理され、落慶法要がありました。 

お釈迦さまが生きて、悟りを開いて、それが仏教となって。 

中国に伝わり、中国で発展し、その過程で三蔵法師が熱心に真髄を追い求め、 

インドまで原点をたどりに行って、その成果が中国で花開き、 

やがて日本人が中国まで勉強しにいって、日本へ帰ってきて、薬師寺ができました。 

それからさらに1000年以上経って、私達もまた薬師寺へお参りすることができる… 

こんなすごい大スペクタクルなことってあるでしょうか… 

巻頭イラストはT_GAIさんのものを拝借しました。ありがとうございました。

奈良でガイドをしています。これからもっとあちこち回っておもしろいガイドを提供します。ご支援どうぞお願いいたします。