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気が付いたら〜1012〜

使用人「地下牢?あるけど苅里見たいの?今人が沢山だけど…」
メイド「見ても何もしちゃダメだよ?主は苅里の城内の行動は制限してないけど苅里優しいから人を逃しちゃダメだって言ってたもん!あ、でも数人殺すくらいなら良いって。後片付けもしてくれるなら」
苅里「案内してくれる?」
メイド「私する!それにこれから食べる所だったの!」
メイドはニコニコと笑って苅里の手を引っ張った。
苅里「(ここ、隠し扉だったんだ…)」
いつも何気なく見る苅里が地下牢に降りる階段だとは知らなかった。一段一段降りて行っていけば何人かの使用人やメイドがいた。どうやら衣食住の管理もしているらしく、ごくごく普通の食事や服、住まいが提供されていた。
他のメイド「あ!苅里!そのメイドから聞いたよ?案内なら私が変わる!あなたは食べて来て?」
メイド「はーい!」
クスクスと笑って苅里の案内を代わってそれぞれの部屋を見ていく。
苅里「あそこは?」
メイド「あそこは特別待遇の部屋!滅多に使われないから気にしなくて良いよ。子供の部屋と女性の部屋と男性の部屋どこにする?」
苅里「近いところから」
メイド「じゃあ子供のところね!年齢バラバラだけど一緒にいてもらってるんだ。」
そう言って子供がいる場所に行く。
子供「…いつもと違う人だ。誰?」
怯えながら聞いて来て答える。
苅里「君の家族は?」
子供「僕、お父さんとお母さんと離れ離れにされちゃって…。まだいるかな?」
苅里「この子の両親は?」
メイド「ちょっと待ってね。…うん、まだ生きてるよ。会いたいなら会わせてあげよっか?1時間だけその時間をあげる。苅里がいるから大サービス!他の子供は?」
そういえば両親に会いたい、お姉ちゃんに会いたいと言ってメイド達が連れて行く。
苅里「家族なら一緒にすれば良いんじゃないの?」
メイド「主がそこはきちんと分けたいって言うからそうしてるの。子供、女性、男性ってね。細分化したらもっと大変だからこれくらいにしてるの。後は処分部屋。もう勝手に狂っちゃって一緒に入れられないから全く別の部屋に入れてるの」
苅里「そこ、行ける?」
メイド「良いけど…。錯乱してるから私たちもあまり食べないよ?」
苅里は構わないと言って連れて行ってもらう。
確かにその部屋に入れば男性女性子供問わず8人ほどいた。
苅里「(もう精神が耐えられなくなったんだ…)ここの8人全員殺して良いよね?」
メイド「良いよ。こんなの食べる気も起きないからね。」
苅里は部屋の中に入って8人同時に逝かせてあげて死体も血も匂いも消した。
苅里「(次はこんな事にならないようになってくれれば良いけど…)」
そう思いながら武器を消して送って部屋を出た。
メイド「意外とのんびりしてたね。子供達を戻さないと。苅里はもう上に戻ってね。使用人!苅里宜しく!」
使用人「了解!苅里こっちだよ」
苅里「案内ありがとうね」
メイド「またいつでもしてあげる!」
ニッコリと笑って使用人に連れられて上へ戻った。
ネロ「狂った人8人殺したんだって?一瞬で?」
苅里「苦しませるつもりはなかったから…」
ネロ「君は優しいね。だから俺君の願いはなんでも叶えたくなっちゃうよ。まあ出来る範囲でだけど。苅里は人が大嫌いで憎んでるのになんで優しいの?」
苅里「…死ぬ時ぐらいはまともに死んで欲しいだけ。それが出来る立場からそうしてるだけだよ」
ネロ「ふぅん…まあ良いよ。立場を使ってそれをするのは悪い事じゃないからね。あんな所行ったからかな?匂いが付いて血肉が欲しくなったよ。仕事も終わったし夕食までまだまだ時間あるから頂戴ね」
苅里「よくお腹に入るね」
ネロ「苅里は別腹!いくらでも入るんだから」
そう言ってブチッと噛みちぎって滴る血も丁寧に舐めとって1時間食べた。
ネロ「(そろそろ記憶もいじって良いかな?必要なもの以外は全部消して植え付ければ良いし。出生は俺の妹あたりにして両親は苅里を殺そうとしたから俺が殺した事にすれば良いか。かなり歳の離れた兄妹にするけどここではそんなの関係ないし。まあ組織とかはそう言う経験があったからそのまま自分でやりたいことをしてた事にすれば良いか。夢を見ない程に深く眠って貰えばほぼ一瞬で終わるもんね」
そうすれば友人達に聞かれても何も問題はないのでそうしようと決める。
ネロ「俺だけの苅里…。ふふ、余計なものは全部記憶から消そうね?」
意識を失ってる苅里を抱きしめて夜中に行うと決める。
夜中にそれが行われると魂の図書館でも大きな変化が起きる。
司書「!!…原本が、変わって行く…」
すぐに苅里の本を持って来て確認をすればもう真っ白になって一瞬で全く別の記述がされて行く。
司書「アキ様が言った通りとんでもない相手ですね…。コピーした方も見ておかないと」
司書が複数コピーしたものも見ればそれも全部変わっていたがあるものだけは元のままだった。
司書「これが無事で良かった…。念には念をしておくものですね。これも複数用意しておきますか」
そう言って膨大な量の苅里の記憶をそこにして行った。