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気が付いたら〜832〜

翌朝、スグルは宣言通りに苅里のベットに潜り込んでいて苅里は朝からスグルの肩の関節を外していた。
スグル「朝から関節を外されるのは何万年ぶりだろうな」
ミリ「それ、体験済みだったんだ…」
キト「それよりスグル母さんの共鳴者になったんだね。そうしたら俺達のことも呼んだり使うことも出来るから必要な時は呼んでよ」
スグル「分かった。俺が共鳴者になった事に不信感は無いのか?」
キト達「全く無い」
スグル「何故だ?もしかしたらここの情報をバラすかもしれないんだぞ?」
そんな事は絶対にしないが聞いてみる。
リカ「バラしたところでこっちは何も不都合ないから。それに母様がスグルに持ちかけたのなら母様はスグルを共鳴者にするにふさわしいって事だと思うから疑わないよ。」
そうそうと3人は頷く。
苅里「私相手はちゃんと選ぶから。スグルがいらないと思ったらいつでも共鳴者を切ってもいいけど。私から切る事は多分もうない」
スグル「多分なのか…?」
苅里「絶対に切らない!これでいい!?」
スグルはそれを聞いてにんまりと笑って朝食を食べた。
苅里「それとスグル、後で久しぶりに戦おうか。手合わせ宜しく」
スグルは顔を引きつらせて無言で食べた。
ミリ「母様、それはしない方が…」
苅里「人としての力しか使わないから。それに前までは普通にやってたんだから」
スグル「せめて腹に何も入ってない状態で頼む。朝食を吐くのは嫌だぞ(汗)」
苅里「じゃあ夕方にやろうか。昼食食べてから時間経ってるだろうし夕食の前だからいいよね?」
シト達「スグル頑張って…」
スグル「三途の川は見たくないから程々に頼む」
苅里「特定の方法でしか死ねないのに三途の川みても問題ないじゃん。はい、決定」
スグルは夕方なんてもう来るなと願った時だった。
スグル「彼岸花は狼の姿が好きなのか?」
サワサワ…
スグル「足が早くて苅里が撫でてくれるからか。お前達は本当に苅里が好きなんだな」
フッと笑うと彼岸花はスグルの足に顎を乗せて寝始めた。
スグル「そんなに共鳴者になった事はデカイのか?警戒心がなさすぎると思うんだが…」
ミリ「きっと共鳴者になった時に母様の香りが少し移ったんだね。他の自然達にはないみたいだけど母様って見ても分かるように花が好きじゃない?」
スグル「そうだな」
ミリ「その香りが花達は好きだからそれに惹かれたんだと思う。もちろんにそこに共鳴者って言うのもプラスして警戒心を持たないんだよ。警戒する必要がないから」
スグルの脚の上の彼岸花も頷いてそのままグースカ寝始めた。
ミリ「母様が明るくなったからありがとう。いつも明るいけどあれだけ元気に話すことってなかったから。どっちかと言うとお淑やかな感じで私といたから。それはそれで好きだけどね」
スグル「俺といたらあんなのばっかりになるぞ?」
ミリ「大歓迎だよ!その方がいつも以上に楽しくなるから。今までも十分楽しかったけどね(笑)」
そう言うってミリは他の花のところに行った。
シト「スグル外に買い物に行かない?」
スグル「思い浮かべれば出て来るんじゃないのか?」
シト「確かにそうだけど俺達は実際に足を運んでそれを選ぶのが好きなんだ。その場で出すのは面倒いときとか緊急の時だけ。どう?」
スグル「俺、昨日あんな事があったばかりだぞ…?」
シト「気にしない気にしない。共鳴者の力を使ったり危なくなったら領域を開いて帰れるから。スグルが望めばそれはどこでも出せるから。俺達や自然以外は入る事ができないから勝手に侵入とか出来ないしね」
スグル「そう言う事なら行くか。どこに行くんだ?」
シト「近くの大型ショッピングモール。お茶や茶菓子、あとは母さんの好きな抹茶のスイーツに野菜と調味料。今日はいつもより安い日だから必要なものを買って行くんだ」
スグル「そ、そこまで把握してるのか…。金は苅里か?」
シト「もちろん。カードは預かってるしお金が不足するなんて事はまずないほどに持ってるから。」
スグルは苅里の財産はどうなっているのか僅かに興味を示した瞬間だった。
2時間後、買うものを買って全て影に入れる。
スグル「それも必要なものなのか?」
シト「違うよ。俺の個人的な趣味。部屋に置いたりしてるんだ。俺達だって自分の買うものくらいは別で買ってるから。母さんは別にカードで買っていいって言うけど自分でお金を稼いで使いたいんだ。そこらへんも母さんに教わったしね(笑)」
スグル「俺、無職…」
自分はもう働いてないと思うとただの居候でしかないと落ち込み始める。
シト「母さんは働くのが好きでやってるだけだから気にしなくて良いと思うけど…。心配なら自分でやれば?制限なんて母さんはかけないから。それに細かいのはそこらの専門の人に結構投げてるからあんまり考えなくて良いと思うよ?」
スグル「そう言う事ならやるか…。」
多少落ち込みながらシトとショッピングモールを出てしばらく歩く。
スグル「苅里はどんな仕事をしてるんだ?」
シト「確かマンション経営だったと思う。元々働いてたお金があったからそれを元にやってるはずだよ」
スグル「良い物件を苅里に見てもらって自分で経営するか。それなら俺もやった事がある」
シト「良いんじゃない?」
そう話して河川敷に腰を下ろす。
シト「これから母さんと手合わせだね?(笑)俺達は何も手伝えないから宜しく」
スグル「くそ、ここまで帰りたくないのは久々だ…」
スグルはそのままシトと帰れば待ってましたとばかりに苅里が笑って待っていた。
苅里「さて、やろうか♪」
スグル「…今日はもう休んd」
苅里「ムリ。」
そう言って苅里はスグルと手合わせを開始した。
3時間後。
苅里「強くなったけどもうちょいだね。」
スグルはボロボロになってそのままお風呂に入った。
スグル「あれで手合わせなのは苅里だからだろうな…。ラウガの大群を相手するよりも辛いぞ」
そう弱音を吐いてゆっくりと浸かって夕飯を食べる。
苅里「スグルは他の部屋に行こうね。私たち人を食べるから」
スグル「…分かった」
グロッキーシーンは耐性がないのでスグルは声がかかるまで自分の部屋で読書して気を紛らわせた。
苅里「スグルお待たせ。終わったよ」
スグル「ああ、もう寝るか?」
苅里「これからラウガの退治。一緒に行く?」
スグル「そうだな、手合わせもしたから早速改善したところを試すとするか」
スグルはにっと笑って苅里とラウガの大群を殺しに行った。
苅里「まあこれぐらいでしょ。」
スグル「あまり翼のほうは使わないのか?」
苅里「それよりも武器でやった方が一瞬で苦しまずに逝かせられるから。翼でやれば刺さった場所が悪いと苦しんで死んじゃうから」
スグル「確かにそうかもしれないな。…藍里達なんだ?そっちには戻らないぞ」
愛羅「ねぇお父さんそこのに洗脳されてるだけだよね…?そっちに行かはずないよね?」
愛羅はまだ信じられなくて苅里に洗脳されてるだけだと言う。
スグル「そんなものは受けていない。俺は俺の意思で苅里のところに行ったんだ」
愛羅「嘘だよ!じゃあ誰か人質にでもされてるの?だったらみんなでそれをなんとかするから!」
スグルは悲しそうに愛羅を見る。
スグル「愛羅、苅里は人質なんてしない。その考えは苅里を悪にしようとしている考えだ。俺はずっとそこでみんなに合わせて来た。だがもうそこには戻らない。苅里が間違いだとは思わない」
苅里「スグル…」
スグル「俺は愛羅達の父親失格だ。罵ってくれて構わない。俺は苅里のそばにいたいんだ」
すまないと頭を下げて苅里と領域に帰って行った。
愛羅「お父さんを罵るなんて出来ないよ!私たちを愛してくれたのに父親失格なはずがない!」
リュオ「愛羅、もう帰ろうよ。俺達は父さんが嘘を言ってないことぐらい分かる。」
愛羅「そんなの受け入れない!あの化け物が何してるに決まってる!」
そう言って泣きながら取り乱してルオは意識を奪って家に戻った。