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気が付いたら〜1017〜

400年後。
ネロ「苅里起きようか。時間だよ」
苅里の目が開いてネロを見る。
苅里「なんか結構あっという間だった…」
ネロ「こっちはそこそこ長く感じたよ。起きるのを待ってたよ。今日は庭で過ごして明日くらいに買い物に行こうか。来週にはファウのところに行けるようなら言っておくけどどうする?」
苅里「うん、そうする。ネロと久々にここで過ごすのはダメ?」
ネロ「ふふ、それでもいいよ。苅里の好きなところも牙でやってあげるからね。寝たりしないでよ?」
苅里「う…自信ない」
そう言ってネロも龍の姿になって半分体を滝の方に入れて苅里の首の後ろを牙で掻いてグルグルと鳴く。
ネロ「(もう寝そうになってる(笑))」
20分程で終了してネロが龍の姿のまま苅里に巻き付いてギュウギュウにする。
苅里「ちょっと苦しい」
ネロ「これくらい我慢してよ。ん、いい匂いする。」
しばらくすればその場所から出て龍界に戻れば夕方になっていた。

久しぶりに混在界の家に行けばオークションの招待状が届いていて中身を見る。
苅里「まだやってるんだ、飽きないね。2週間後か〜」
日程からして問題ないがネロに夜いないと伝えなければいけない。
ネロ「…いいよ。だってもしかしたらこっちの方に人を連れてくることも出来るでしょ?数日ぶんでもこっちに流してくれればありがたいよ。出来る?」
苅里「まあ20人くらいなら」
ネロ「十分だよ、出来たらでいいからお願い」
そんんなことでオークション会場へは行けることになってそのままの姿で当日行って参加する。
他の妖怪「あんたら、知り合いか?不運だな…。買われたらまともな扱いなんて受けられないぞ」
優姫「何で、私シイナと一緒に過ごしてただけなのに!」
優姫とシイナが龍狩りに会ってそのまま気絶させられて牢に入れられているのだ。
シイナ「優姫私と一緒にいたから連れてこられて…。ごめんね、優姫」
狩猟者「お前達は姉妹として売ってやるから別の牢だ。今回の目玉商品として大人しくしてろよ」
そう言われて魔力を封じられて2人は連れて行かれる。本当なら2人でここを逃げることも出来るがどうしても他の妖怪や生き物達が心配で行動を起こせないでいた。
苅里「目玉商品を見るしかないか…」
着々と進んで行って最後の目玉商品になる。
司会者「こちらは2人1セットとして競売にいたします!片方は龍の一族であり、もう片方は鷹の血を持っています!どちらも容姿が美しいので鑑賞用にするも臓器を売るなりはたまた別にことに致すなりご自由にどうぞ!」
優姫「シイナっ!」
優姫が泣きながら龍の姿にさせられたシイナに抱きつく。
苅里「(…表の世界の子かな?じゃあ落として戻すかな)」
だんだんと値段が上がって行って2人は震えてそれを聞いて行く。
参加者「3億!」
参加者「3億3000万!」
苅里「4億。」
参加者「よ、4億2000万!」
1人の参加者と苅里だけににあってさらに上がって行く。
苅里「4億5000万」
参加者「…5億!」
苅里「6億。」
司会者「(6億…!)…他には誰もいませんね?70番のお客様の落札となります!」
他の参加者もザワザワとなるがシイナと優姫はその姿に驚く。
優姫「かあ、さま?」
シイナ「ねえ、さん…」
落札したのが苅里と分かって呼ぼうとするがすぐに下げられて牢に入れられる。
苅里「式、他の捕まっているのを探して。」
そっと式を出して苅里は狩猟者に話をしてその2人のところに行く。
苅里「先に出して。別にお金がいる?」
2人の前で話して交渉して行けば別にお金を払って狩猟者は喜んで牢の鍵を開けて出て行った。
優姫「母様!なんでこんなところにいるの!?」
苅里「私、子供なんていないけど。早くそこから出たら?それともそこにいたい?」
シイナ「(記憶がないって聞いてたけど…。優姫はショックだよね)…出る」
シイナが優姫の手を引っ張って出して苅里が来るように行って他の参加者に見られながらも建物の外に連れて行かれる。
シイナ「6億なんて大金あるの?」
苅里「なきゃこんなお金出さない。まあ要らないお金だからどうでもいい。こんなもの持ってても役には立たないからね。ちょっと触るよ」
2人の手錠を素手で千切って手首をさする優姫とシイナ。
優姫「手錠を素手で…」
苅里「魔力も使えるようにした。帰っていいよ。帰る場所あるでしょ?」
シイナ「姉さんはどうするの?!」
苅里「私、あなたの姉じゃないけど。その呼び方やめてくれる?知らない人に姉さんて言われてもね…」
シイナ「っつ…」
苅里「私がまだやることがある。中に入って来ちゃダメだよ。じゃあね」
そう言って1人建物の中に戻って行く苅里。
優姫「シイナ、どうしよう…。母様行っちゃう」
シイナ「でも来ちゃダメだって…。そうだ!ハル達にテレパシーして…」
苅里「今帰れって言ったよね。何他の人呼ぼうとしてるの?」
2人は驚いて顔をあげれば苅里が戻って来てて首に大鎌を向けられていた。
苅里「ここで殺されるか帰るか選んでよ。せっかく助かった命をドブに捨てるの?表の世界の奴は帰るべきだよ。ここから先は関わるべきじゃない」
優姫「表の世界…?」
苅里「勝手に記憶を見させてもらったよ。そこに送るからここには来れないからね。じゃあね」
2人から武器を下ろして指を鳴らせば勝手に飛ばして2人は気がつけば最初にいた場所にいた。
シイナ「姉さん…」
優姫「母様、何をするつもりだったの…?」
シイナ「それは私にも分からない…。でももう姉さんのところに行けないから帰るしかないよ」
2人は苅里のすることに引っ掛かりを感じながら龍の里に戻った。
苅里「花達、半分は食べていいよ。いや、8割かな。それくらい食べていいよ」
サワサワと出て来て参加者と狩猟者を食べて行く。捕まっていた妖怪などはすでに開放済みだ。
苅里「残りは40人か。多いけど問題ないでしょ。使用人達持って行く?」
何もないところに言えば出て来てニコニコと笑う。
使用人「40人も!?うん!持って行く!人は全部任せて!」
そう言って使用人数人が持って行って苅里は建物を出てそれを丸ごと消した。
ネロ「おかえり。40人も残しててくれてありがとうね。使用人達も喜んでたよ。落札したお金取り返さなくていいの?」
苅里「別に使うことがあまりないお金だからどうでもいい。」
ネロ「いくら?」
苅里「6億。」
ネロ「……それ、どうでもいいの?どれだけ持ってるの?」
苅里「別に欠片くらいだからなくなっても痛くも痒くもない。」
ネロ「え〜…」
苅里の持っているお金なんて知らないがネロからしてそれはどうでもいいお金の金額ではない事は分かる。
苅里「お金なんて持ってても役に立たない。地位や権力を買えてもそれで力がつくわけじゃないから。そのための環境は買えるかもしれないけど。」
ネロ「まあそうだね。」
確かにお金で自分たちの思う力は手に入らない。それを考えたら苅里のお金に対する執着は元からないのかもしれない。苅里にとっては本当にどうでもいいものなんだろう。
苅里「寝ないの?もう日付変わるけど…」
ネロ「うん、寝ようか。また行く機会があったら人を頼むよ。どうせ汚い人たちしかいないからね。消えていい命だよ」
そう言って苅里を抱きしめて2人して寝た。