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気が付いたら〜846〜

水「3人とも奥に潜ろうよ!息継ぎは必要ないから!」
優姫「行きたい!」
苅里「水、お願いね」
スグル「周囲から隠してくれ」
水は笑って頷けば3人を海の底まで連れて行った。
優姫「泳ぐの疲れて来た…」
苅里「私姿を変えようか。スグルも乗る?水は案内してくれるなら乗っていいよ」
優姫「?乗る?」
スグル「苅里は龍の姿にもなれるんだ。苅里頼む」
水「俺も乗る!」
そう言えば苅里は白い龍になって優姫の顔をスリスリとする。
優姫「お、大きい…それにすごい綺麗…」
苅里「ありがとう。スグル、優姫を乗せてあげて。水は分かるよね?」
水「もちろん!苅里の龍の姿に乗るの気持ちがいいから大好き!」
スグルは優姫を苅里の背中に乗せてその後にスグル、水と乗れば奥へ奥へ進んでいく。
優姫「凄い早いけど怖くない。母様は龍の妖怪なの?」
苅里「違うよ、龍の一族の血を宿してるの」
優姫「どう違うの?」
苅里「龍の妖怪だとここまで完全に姿は変わらないの。それに一族の方が妖怪よりも位上だし、私は始祖の血を分けてもらったから。話が出来るのはこれで終わり。違いが分かった?」
優姫「完全に姿が変われるのは龍の一族ってことは分かったよ」
苅里「それが分かればいいよ。…水、もう少し?」
水「もう着くよ!…ここが一番深い所!今は周囲が見えるように明るくしてるから。綺麗でしょ?」
水はぴょんっと苅里から降りて貝をコツコツと叩くとそれが開く。
優姫「これ、何の貝?」
水「これはXXXって言う貝。君達が黒真珠って呼んでる宝石の元だよ。数個なら持って行っていいよ?全部大粒あげるよ?」
優姫「い、いや、大丈夫…。そんなの売ったら大金過ぎて私には扱えない…」
水「欲しくなったらいいなよ。いつでもあげるから」
水はそう言えばその貝を閉じて一つの洞窟に案内する。
水「ここか小さい魚たちが集まって生活して場所なんだ。遊んであげたら喜ぶよ」
水が洞窟の開けた場所に出ると言った通り小さい魚ばかりいた。
スグル「みんな優姫に寄って行ってるな。苅里どうした?」
苅里はしばらくそれを見ると水に言う。
苅里「水、優姫って水の共鳴者?もしくはスグル?初対面でこんなに魚が懐かないよね?」
そう言えば水はニッコリ笑う。
水「苅里の言う通りだよ。優姫は水の共鳴者。生まれた時からずっとだよ。だから生まれてから水の声は聞こえてたし、スグルと苅里の子供だから俺達自然の声が全部聞こえてるんだ。無意識にコントロールしてたしね、声の方は」
優姫はそれを聞いて驚く。
優姫「私、そんなの意識してなかった…」
苅里「私も最初は水が共鳴の対象だったから。別に気にしなくていいよ、いつもどおりに過ごせばいいから」
そう言えば優姫はホッとして魚とまた遊んだ。
スグル「あの子は自分の身を守れるだけの力はついてる。それにどんな時でも俺達自然達がついてるから大丈夫だ。」
苅里は頷いて優姫の周りにいる魚とも触れ合った。
水「そろそろいい時間だね。俺はこのまま過ごすから3人で楽しんで来てね!この洞窟を出てまっすぐ上れば水面に出るから」
苅里「分かった。水ありがとうね」
優姫「水また向こうでね!」
スグル「とても良い時間だった」
そう言って苅里はまた龍になって2人を乗せると途中で人の姿に戻って3人で海から出て来た。
優姫「売店混んでるし海は終わってお店に行く?」
スグル「もう泳がなくて良いのか?」
優姫「うん。水が楽しませてくれたから十分。着替えて本に載ってるお店に行きたい!」
その本のお店を見せて3人は一度シャワーを浴びて服を変えるとそこに向かう。
スグル「ちょうどピークが終わる時でよかったな。少し並べば入れそうだ」
苅里「優姫はどれに惹かれたの?」
優姫「デザート!メインは量が多いから3人で分けたら食べられるかなって…」
そう話そているうちに順番は進んで3人は席に座る。
注文して待ってる間に飲み物を頼んで話せばあっという間に届いて3人で食べてデザートを食べる。
優姫「苺のパフェ美味しかった!父様ありがとう!」
スグル「このまま近くのショッピングモールに行って雑貨でも見るか?」
優姫「行きたい!友達へのお土産も買う!」
苅里「帰る明日じゃなくて良いの?」
優姫「明日は国を回りたいから先に買いたいの。良い?」
苅里「もちろん良いよ。お小遣いあるの?」
優姫「父様にいつも買ってもらってます…。バイトダメって…」
スグル「男に捕まったら大変だからな。パソコンで出来る仕事ならOKしている。」
苅里「過保護なんだから…。サイドワークだけど帰ってからやってみる?家でもカフェでも出来るけど…」
優姫「母様が自信を持って安全、大丈夫だと思うものならやりたい」
苅里「じゃあ帰ったら教えるね。今回は私が出すよ。」
そう言うので優姫は喜んでお土産を買ってジュースを飲めばホテルにチェックインできる時間になったので鍵を3つもらってそれぞれ夕飯まで自由にすることになった。
苅里「夜人を食べないと…」
ミリ「そう言うかと思ってもう母様の分は取って置いてるよ。夕飯の前に食べる?女性でいい?」
苅里「ミリありがとう。」
お礼を言って女性をもらうと先に血を飲んで肉を食べてお腹を満たす。もちろん後始末はしっかりと行ってお茶を飲みながら読書をした。
コンコン…
優姫「母様、入っていい?」
苅里「今開けるね」
ドアを開けて部屋に入れると2人でお茶を飲みたいと言うので別のお茶を飲む。
苅里「1人で過ごさないの?」
優姫「なんかいつも水達がいたから違和感があって…寝るときは何ともないから大丈夫。母様はとても強いって父様が言ってたけどそうなの?」
苅里「まあ、スグルよりは強いね。どうしたの?いきなり」
優姫「今度授業で魔力測定と魔法での模擬試験があるの。もし時間があったら母様にも教えてもらうといいって父様が…」
苅里「魔力の底上げは知ってる?」
優姫「うん、知ってるし毎日無理のない範囲でやってる。でも私魔法の威力の操作が下手で自分の思った量の魔力を込められないの…」
しょんぼりしながら言って苅里はそれは大丈夫だと話す。
苅里「それはいつあるの?」
優姫「水曜日…」
苅里「じゃあサイドワークは一度置いておいて学校行く前と帰って来たら1時間ずつやろうか」
優姫「そんな少ない時間で出来るの?」
苅里「優姫はそれを乗り越えたいならその時間で十分だよ。月曜と火曜は朝学校に行く前と学校から帰って来た時のそれぞれ1時間。水曜は学校に行く前にやろうか」
今日と明日は旅行を楽しむからやらないと話す。
優姫「分かった、母様お願い」
苅里「うん、時々スグルにも確認してもらおうね」
優姫はガッツポーズをしてお茶を溢しそうにしていた。
その夜。遠くからラウガの気配を感じ取って苅里はキト達にテレパシーをする。
苅里「(キト達、ラウガが40位なんだけどいる?今向かって来てるけどまだ感知はされてないから)」
キト「(そうしたら花達が食べるからもらうよ。ありがとう母さん)」
そう言ってラウガはキト達に譲って3人で仲良く夕飯を食べた。
優姫「父様に食べ方のマナー教えてもらってて良かった…。ちょっと食べるのに一瞬困っちゃった」
スグル「こう言う場所に来るだろうと思って教えておいて正解だった。」
苅里「だいたい夕飯はこう言うのがあるからね、私とスグルは。無意識に出来るようになれば困ることはないからね」
優姫「2人がこう言う場に来るって何…?会社?」
優姫は冗談だろうと思って聞けば2人は正解と答えて優姫はアングリとなる。
苅里「この前言ってたタワマンとかの不動産会社。建設とかはしてないから私とスグル2人で会社をやってるの。ある意味優姫は社長令嬢かもね(笑)」
従業員はいないから楽でいいと話すが優姫はポカーンとなる。
優姫「正真正銘の金持ちじゃん!働いてる姿見てない!」
スグル「いや、昨日言った通りほとんどを投げてるからそこまで仕事はないんだ。確かに形で言えば社長令嬢かもしれないが社交界に出てるのはたまに出てる程度だ。気にしなくていい」
苅里「そうそう。私たちはある程度働きたいだけだから。最初は投資だったけど規模が大きくなったから会社に変えただけだから。気にしなくていいよ。もし優姫がそれ関連の資格を取れば従事できるし望めば就職もそこで出来るしね」
優姫「資格が要らないところがあったらそれを私がバイトしたりとかは…?」
ダメもとで提案すると2人はすんなりとOKと言う。
スグル「やってみたいならやってみればいい。最初は誰でも初めてなんだ。焦らずやっていけばいい。間違えてもいい。苅里と話したサイドワークと両立してもいいし、会社のバイトの方だけでもいいぞ」
場所は家でも出来ると言えば優姫はまず魔法の模擬試験をクリアしてサイドワークがある程度余裕ができたら会社の方をやりたいと言うことになった。
苅里「お仕事の話は終わり!明日に備えて寝ようか。朝食は遅れないようにね?」
優姫「分かった!お休みなさい」
夕飯を食べて優姫が部屋に入るのをみればスグルに酒を飲みに行こうと誘われる。
苅里「今寝ようって話したじゃない…」
スグル「1時間で終わる。それくらい許せ」
スグルに言われてOKすればそのまま最上階のお酒の飲める場所に行く。
1時間後、部屋の前で別れて翌日は3人で朝食を食べた。
優姫「このアクティビティしたいけど混んでるね…」
苅里「う〜ん、難しいね。多分他の場所も同じだから街の書店とかカフェに行こうか。観光スポットは時間がかかるし」
スグル「書店ならあそこにするか。カフェの併設もある」
優姫「よく知ってるね、父様…」
スグル「時折来てるからな。飛んで行くがいいか?」
苅里「うん、お願い」
3人で飛んで書店に行けばその国の言葉で優姫はちんぷんかんぷんで言語魔法を使っても長い間使えないのでここで面白いと言うところになると効力切れで読めなくなっていた。
優姫「言語魔法がもっと長く使えれば…!」
苅里「悔しそうだね、優姫(笑)それ買って読む?ずっと読みたいなら私の魔力も貸すから」
優姫はうなずいて本を数冊変えばカフェでケーキと飲み物が届くまでウズウズと待って読みたそうにしていた。