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気が付いたら〜916〜

苅里「招待されたものだ。確認したければすればいい」
警備員「いえ、確認は入りません。時間までごゆっくりとお過ごしください」
そう言われて毎回のように男性の方で入って飲み物を飲んで時間まで潰す。
司会者「お待たせしました!それではオークションを開始します!」
そう言って1人ずつ妖怪や生き物達が出されて行く。
2時間後。
司会者「本日の目玉商品はこちらです!鬼の一族の長の息子です!始祖の血を引いているため育てて調教すればきっと皆様のボディーガードにも使えるでしょう!」
参加者「始祖の血か!欲しい!」
司会者「開始は3000万からです!」
司会者がそういえば次々と上がって行って人数が絞れれば苅里も動く。
苅里「2億」
参加者「…2億3000万!」
苅里「2億8000万」
参加者「…3億1000万」
参加者「3億行ったぞ!」
苅里はなんてことないように次で止めを刺す。
苅里「4億」
もう1人の参加者はもうダメらしく何も言わず、苅里の落札となった。
苅里「俺は長いするつもりはない。先に出してくれるか?」
狩猟者「はい!今出します。ほら、お前を買った方だ。出てこい」
子供「っつ…」
恐る恐る出てきて苅里を見て怯える。
苅里「金はこれだ。もって行け」
狩猟者はそれを受け取って笑うと苅里を見送った。
参加者「あの子が…」
参加者「4億だぞ。あんな金を出せるとは…」
苅里「背筋を伸ばせ。目の前を堂々と見ろ。お前は将来長になるつもりはないのか?」
子供「…え?」
苅里は子供を連れて近くの湖に連れて行って隣に座らせる。
苅里「お前は将来長になるつもりはないのか?」
子供「な、なりたいけど僕あなたに買われて…。調教されるって…」
苅里「そんなことするか。お前、元の里の場所が分かるか?」
子供は頷いて苅里にテレパシーで教える。
苅里「…おおよそは分かった。このまま飛ばすから俺のことは話すな。約束出来るか?」
子供「もう会えない?」
苅里「どうだろうな。お前の今後次第だ。俺はこう見えてものすごい悪い奴だ。見ても近づいちゃダメだ。」
子供はそれを聞くと真っ青になって約束すると行った。
苅里「それでいい。お前は自分のしたいことをしろ」
そう言って子供を飛ばした。
苅里「キト、建物の中のやつ全員眠らせろ。シトは捕まっているやつを全員出せ。花達はそれ以外は全部喰っていいぞ。片付けは俺がする」
キト「俺も食べていい?父さん」
シト「ちゃんと逃した後で俺もいい?」
苅里「構わん。自由にしていい」
湖に横になったまま苅里はいうと花達とキトとシトは喜んで向かって行った。
1時間後。
苅里は建物を丸ごと消して後ろにいる于露とウアンに声をかけられる。
于露「わざわざ参加してやったのか?」
苅里「招待状がきてたからな。鬼の一族の息子もいたから先に返した」
ウアン「こちらも助かった。人間達は?」
苅里「知ってるだろう。花達やキト達に全部やった。俺はただ命令しただけだ」
于露「わざわざ金まで出して買ったのにドブに捨てたのか?」
苅里「金なんていくらでもある。その金がどうなろうと俺はどうでもいい」
ウアン「まだ憎いか?」
苅里「愚問だな。当たり前だ。人間だけじゃない、人全てが憎くて醜い。表も裏も知ってそれが一層深まった。俺はそれに関して後悔はしてない。知るべき事だからな」
ウアン「…そうか」
苅里「用がないなら帰れ。不審に思われるだけだ」
そう言って苅里は先に帰った。
ウアン「知らなくていいこともあったはずなんだがな…」
于露「もう遅い。俺達が見たくないものまできっともう見てしまっている。…帰ろう」
ウアン「そうだな」
2人はそれだけ話して帰った。

苅里「スグル、優は?もう朝食だけど…」
スグル「ああ、昨日なんか急の案件で遅くまで起きていたらしい。兄貴多分まだ起きてない」
羽美「そんなの珍しいね。私起こしてこようか?」
苅里「そう?じゃあお願い」
そう言って羽美は優を起こしに行った。
15分後。
羽美「…全く起きない。もう先食べていい?お腹すいた〜」
スグル「まあしょうがないか。3人は先に食べてろ。苅里も食べてていい。俺が起こしてくる」
苅里「流石に弟だったら起きるだろうしね。行ってらっしゃい」
スグルは優の部屋に入る。
スグル「兄貴、もう朝食の時間だぞ。」
優「ZZZ…」
スグル「兄貴、起きてくれ。昨日急な案件をやったから今日は仕事がないそうだ。食べたらまた寝ていいから…」
優「……」
スグル「…兄貴?」
優「ZZZ…」
スグル「今回は爆睡してるな…。寝かせておくか」
スグルも諦めてリビングに戻って自分も朝食を食べる事にした。
苅里「本当に疲れたんだね…。」
朝食を食べ終わってまったりしてるとウルが来る。
ウル「おはよー!あれ、優は?」
スグル「昨日夜遅くまで仕事だったから兄貴はまだ寝てる。爆睡してて起きないんだ」
ウル「へぇ〜珍しい!じゃあ俺が起こしてくる♪」
苅里「楽しそうに向かったね」
スグル「…穏便に済みそうにないな」
スグルがそう溢せばその通りになった。
ドガン!
ウル「あはは〜優凄い顔〜」
優「お前が起こしに来るとはどういう嫌がらせだ!朝から内臓を弄るな!」
家族「嫌な起こし方…」
スグルも羽美達もそれは嫌だと思いながらその喧嘩を見ていた。
苅里「優、羽美とスグルが起こしに行ったのに全く起きなかったんだよ?ウル兄様の起こし方はともかく起こしてもらった方なんだからあまり喧嘩しない方がいいと思うよ」
優「ぐ…」
奏「(コソッ)母さんの言葉には返せないよね、父さん」
恒「(コソッ)母さんにはあまり怒れないしね」
スグル「とりあえず血の匂いを消してくれ。朝から渇くのはごめんだ」
ウル「だってさ、優」
優「お前がそういうことをしたからだ!」
苅里「スグル懐かしいね。よくハク達が起きない時もスグルが起きない時も別の方法で起こしたからね」
スグル「…あれはもう勘弁だ」
僅かに顔を青くして顔を背ける。