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気が付いたら〜933〜

2日目は仕事を午前中に終わらせて午後はまた3人一緒の部屋で過ごす。
苅里「よし、終わった。」
ギル「お疲れ様。…あれ?終わったんじゃないの?」
苅里「今終わったのは閻魔の所。次はサタンからもらって来た所。混沌、書類を閻魔に届けてくれる?全部終わったから」
混沌「分かった。ほどほどにな」
苅里「はいはい。」
そう言って次はサタンから預かった書類を出してギルとトキが顔を引きつらせて苅里は構わず行って行った。
ギル「俺、また寝てよ…」
トキ「俺も…」
苅里「おやすみ。夕方には起きてね」
そう言って苅里は昼食を食べてから書類を再開した。
夕方になれば2人は起きて苅里に言って仕事は一時中断してお茶を飲む。
苅里「結界で完全に遮断してないからやっぱり聞こえるね。昨日よりも強くなってない?」
ギル「そう?変わらないと思うけど…」
トキ「俺もそう変わらないと思う。今日は俺達も一緒に料理していい?なんかしてみたい!」
苅里「包丁使った経験は?」
ギル「少しだけ」
トキ「俺はない!でも炒めた事ならある」
苅里「じゃあギル兄様は切る担当でトキ兄様は野菜を洗って。後で炒めて?私は他のことをするから」
そう決めて3人でも料理は始まった。
苅里「ギル兄様少しって言ってたけど本当なの?全然そうには見えないけど…」
とても綺麗な手つきで切っていくので苅里は本当にそうなのか疑っていた。
ギル「一時期やってただけから久しぶりだよ。」
トキ「ギルは面倒臭がりだからあまりしないだけで料理自体は出来るんだよ。でもしたがらないから今回みたいな時になってもデリバリー頼り」
苅里「まあそこに関しては何も言わないよ…。それで今までやって来たんだし。トキ兄様それもうちょっと焼き色がついたらボウルに一度出してね」
トキ「はいはーい」
そんな感じて行って行って無事料理が完成すると食べてお風呂となる。
苅里「今日は私が先なの?」
トキ「うん、夕食の後片付けは俺達がするからゆっくり入って来なよ」
苅里はそれに頷いて着替えを持ってお風呂に行く。
苅里「今度5人で料理したらどうなるんだろ…」
ウルとソルが料理が出来るかどうか疑問だが今度聞いてみようと思った。
3日目。
苅里「…やっぱり音が大きくなってる。いつもこうなの?」
ギル「苅里に言われて耳を済ませたけど確かに大きいかも…」
トキ「これ、力増してない?俺達の結界を2人にかけておく?」
苅里「そうした方がいいk」
バリン!
3人「あ、結界破れた。どんだけ…」
3人は嫌そうにして2人のところに行く。
苅里「うわー目がいつもよりも真っ赤。結構やばい?」
ギル「うん、やばい。あそこまで赤いとかもうマジで半殺し以上にしないと無理。苅里はウルをお願い。俺とトキはソルね」
苅里「分かった」
ソル「ウル通常よりももっと残虐だから気をつけてね」
苅里「…了解」
そう言って自分とウルだけを別に隔離してギルとトキとソルで別々の結界に閉じこもった。
ウル「苅里、血肉頂戴?」
苅里「話は出来るんだ。でもウル兄様あげちゃダメって言ったからあげないよ」
ウル「そんなこと言わずに頂戴よ。お兄ちゃんのお願いは聞けない?」
苅里「うん、聞けない。」
そういえば戦闘態勢に入って苅里に向かって来た。
ソル「2人が相手するの?」
ギル「まあね。結界ぶっ壊すとか今回やばいよ」
トキ「飢餓がかなり強いことになるからね。殺すつもりでやらないと」
ソル「…そっかじゃあこっちも殺そうか」
にいっとソルは笑ってギルとトキも戦闘を開始した。
苅里「ウル兄様飢餓になれば残虐にはなるけど動きが直線的だね。簡単でいいよ」
苅里は数分後にはウルを鎖で拘束して締め上げていた。
ウル「ぐ…」
苅里「お休み。部屋には飛ばしておくから」
そう言って一気に引っ張ればウルはガクンと下を向いて気絶した。
苅里「ソル兄様はやっぱり手強いんだね。鎖、ソル兄様の足を拘束して」
結界越しにそうしてソルの動きが鈍くなる。
ギル「苅里ナイス!ソル我慢してね!」
そう言ってギルはソルの首を締めてトキは両手を吹っ飛ばした。
ソルもなんとか意識を失うとギルとトキはシンドかった…と溢した。
トキ「苅里ウルは?」
苅里「鎖で締め上げて気絶させて部屋に飛ばしたよ。ソル兄様も飛ばしていい?」
ギル「ああ、うん。お願い」
苅里はすぐに飛ばしてソルとウルの部屋に守結の反転を貼って5日目までそのままにした。
5日目。
ソル「やっと終わった…。…!?守結?!出れない!」
ウルもやっと戻ったらしく起きたら出れなくなって驚いていた。
苅里「あ、ごめんごめん。今解くね。…はい、もう出れるよ。それと飢餓の後は食べるって聞いたから5人ずつどうぞ」
ソル「うん、ありがとう」
ウル「準備いいね」
そう言って2人は人を5人ずつ食べてホッとすると3日目までの記憶しかないと言う。
苅里「あの後私が睡眠薬飲ませたからさっきまで記憶がなくて当然だよ。残りの2日間は苦しくなかった?」
ソル・ウル「全く…」
苅里はそれを聞くとニッコリ笑ってご飯にしようと呼んでいた。
ギル「2人ともお疲れ様。今回は飢餓が酷かったね」
ソル「自分で貼った結界壊したのは覚えてるよ。甘かったみたい」
ウル「それより苅里がずっと守結の反転してたの?3日目からずっと?」
ギル「うん、本人は一瞬も緩めずに2人にかけ続けてたよ。そのまま寝てても継続してたから」
トキ「睡眠薬も飲ませたとか言ってたからいつの間にって感じだったよね。」
苅里「もし途中で起きたら何重にもかけようかと思ったけどあれ一個で済んで良かったよ。はい朝食。明日にならないと使用人も来ないから今日は私が作るから。ちゃんと食べてね」
苅里が5人分の料理を出してそのまま食べて行った。
ソル「仕事は?」
ギル「全部終わってるよ。2人の分も終わってるから今日はゆっくりしなよ」
ウル「ありがとう。苅里もご飯ありがとうね」
苅里「どういたしまして。」
仕事がないためそのまま5人でそれぞれ過ごして苅里はなんとなくソル達に相談する。
苅里「思ったんだけど私今回のきたらどうなるんだろ…」
ソル「あ、そっか。苅里ラウガの血以外にも龍の始祖の血入ってるもんね。姿変わるかも…」
ギル「そうしたら部屋じゃ狭いかもね。稽古場で過ごすとか?完全に龍の姿になってとかあり得そう…」
ウル「想像出来ないね。とりあえずそうなったらこっちに来なよ。必要になったら使用人達も休ませて俺達4人とか、場合によっては優達も呼ぶから」
苅里「分かった。」
苅里はまだ経験したことのないその飢餓に対して一瞬不安を覚えた。
数年後。
優「スグルも来たか。今回は何日だ?」
スグル「3日だ。誰も入って来るなよ。苅里、悪いが外からお前の結界もかけてもらっていいか?一番安心できる」
苅里「分かった。」
優「俺もかけておくか。頑張れよ」
スグル「ああ。」
翌日からスグルは部屋から出て来なくなった。
優「俺と苅里の結界をかけてるから大丈夫だろう。羽美達ももしその前兆があったら言うんだぞ」
奏「分かった。」
恒「なるのは何千年とか年万年に起きるんでしょ?じゃあまだまだじゃない?」
優「まあそうなんだがまだお前達くらいの時は早めに来る場合もあるんだ。あれはいきなり来るからな。今回のスグルみたいに前日にやっと分かるんだ」
羽美「そっか、結構辛いんだね…。お母さんは経験ある?」
苅里「実は言うと私もまだなった事がないの。羽美達に前教えたように私の場合はどうなるか分からないから。」
優「まあこんな感じに3日間は被害を出さないために城の方は最小限の人数にしてるからな。慣れないかもしれないが1人で動かないようにしてくれ」
羽美は奏と恒と一緒に行動して優は苅里と仕事をする事にした。
ダンダン!
優「スグル暴れているな。今回は3日間で良かったぞ」
苅里「短いほうだってソル兄様達から聞いたよ。ずっと飲まず食わずになるの?」
優「本人が予め用意していれば喰って過ごすこともある。スグルはそんな暇なかったから耐えるしかないな。もしくか俺達は影を通して届けると言う手もある。どうする?飢餓なんて酷いから人によっては何十人も食べるぞ」
苅里「それは、どうしようか…。何十人ねぇ…」
優「俺はやらない方がいいと思うぞ。経験上さらに酷くなるケースもある。」
苅里「じゃあ申し訳ないけど耐えてもらおっか。」
優「その方がいい。」
優と話が決まってスグルの分の補助も行いながら過ごした。
優「そういえば苅里は飢餓が来たらどうするんだ?」
苅里「前兆が来たらラウガ界に行って兄様達に頼る事になってるよ。私の場合はどうなるか分からないからもしかしたら優とスグルにも要請するかもだって。」
優「分かった。確かに苅里の場合はどうなるか分からないからな。」
夜には5人で夕食にしてそのまま食事にして就寝となった。
羽美「お母さん狭くない?」
苅里「これくらい狭くないよ。羽美と一緒に寝るなんて思わなかったね」
羽美「身の安全の為だもんね。後2日お父さん頑張って欲しいな…」
苅里「大丈夫だよきっと。ほら、寝よっか」
羽美に気がつかれない程度に眠るようにかけて寝息が聞こえたら苅里も就寝した。
翌日も同じように過ごして3日目の昼頃にはスグルは終わって音は収まって苅里は入った。
苅里「お疲れ様。人を何人かいるけど食べる?」
スグル「…そうだな、もらうか。3日で済んで良かった…」
優と苅里の結界があった為どれだけ暴れてもスグルは出て来れずに多少傷を負っていたので苅里は回復する。
苅里「もう大丈夫そう?」
スグル「ああ。ありがとう。後は苅里がいつ来るかだな。羽美達3人も不安だが兄貴や俺1人でも対処出来るからな」
苅里「本当それ考えただけで憂鬱になって来た…」
そう言って2人で部屋を出ていつも通りに過ごした。