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気が付いたら〜1021〜

苅里「夢の時の…なんだっけ。ヤバイ人の隣にいた人!使い魔だったの?」
須玖「へ?ヤバイ人…?」
スグル「誰のことだ?」
ロキ「そいつはもう放っておけ!本人が可哀想すぎる!」
そのころのラウは来人を見ていた。
ラウ「お前、ヤバイ人で定着されてるぞ。あの時の言動が原因だな」
ロイ「来人、お前何を言ったんだ…?」
ロキに聞かれて来人は何も言えず泣きそうになっていた。
来人「姉さんの記憶があったらヤバイ人扱いにならなかったのに〜!」
ラウ「まあ、今だけだろう。耐えろ。」
そう言ってイルキ達の目の方に戻る。
苅里「顔知ってる人がいてちょっとホッとした。で?本当に何の用?」
スグル「苅里、俺は分かるか?」
苅里「自然の生でしょ?人の名前はスグルっていうのは一応覚えてるよ。なんでこっちに来たの?」
スグル「っつ…そうか。」
そういう覚えられ方なのかと思ってスグルは悲しそうにする。
須玖「俺に関しては?」
苅里「眷属達と一緒にいた人でしょ?名前は分かんない。顔は分かんなかったけどその気配は若干違ったから今眷属達と一緒になんか思い出した。眷属達は混沌に任せてるからそっちの用件じゃないよね?」
須玖「…はは、そっか。覚えてないかっ。君に謝りたかったんだけどねぇ…」
苅里「謝る?何を?」
須玖「君を理解せずに頬を叩いたんだよ、俺は。当時あまりにも動揺してまともに苅里の声を聞かずに思い切り引っ叩いたんだよ…。」
苅里「…叩いた?」
ジジ…
苅里「(なんか、見えたような…)……」
いきなり黙った苅里に5人とメイドも使用人も様子を見る。
苅里は下を向いて頭に手を添える。
苅里「その時男性は4人いた?…なんか飲み物を入れる前だったような…」
須玖「!!」
須玖は微かに目を見開いてそれを見聞きしていたハル、ハク、イトも驚く。
ハル「記憶が完全に消えてない…?」
ハク「でも今までの記憶を使ってるなら向こうの立場なら消して良い記憶でしょ!?」
イト「こんなことあるの?」
ミワン「もしかしたら無意識に当時のそれが強い記憶として蘇ってるのかも…。内容からして多分叩いたことが鍵になったのかも…」
あり得る話だと言ってそのままでいる。
須玖「確かにいたよ!俺達知り合い以上の仲だったよ!」
苅里「そうなの…?ごめんね、それ以上は見えなくて…」
イルキ「(記憶が植え付けられても印象に残るものがあればそれが呼び起こされるってことか。)苅里は、それについて知りたい?そうなったまでの話を。」
ロキ「ここで話すのか?」
イルキ「(ロキ、いつ機会があるかなんて分からないよ)どうかな?」
ロキにはテレパシーで言ってイルキは苅里を見る。
苅里「それを知るのはかなり重要なこと?」
イルキ「そうだね、君にとっては重要だと思うよ。」
そのやりとりを使用人とメイドはすぐにネロに伝える。
苅里「重要なら知りt」
コンコン。
ネロ「あれ、苅里まだ終わっってなかったの?結構時間経ってるよ?」
苅里「え?…あ、ごめん。でもまだ30分だよ?」
ネロ「今使用人から苅里の様子がおかしいって聞いたんだけど…。大丈夫?聞くのは今度にしてもらって休んだらどうかな?顔色悪いよ?」
使用人はメイドと頷いてロキ達5人が声を出しても伝えられないようにした。
苅里「でも今大切な話をしようとしてたからもうちょっと待って欲しい。出来るだけ早くしてもらうから。」
ネロ「大切な話だからこそ体調の良いときに聞けば話の整理もできると俺は思うけど…。今日はもうやめておきなよ」
イルキ達は何言おうとするが声が出なくて使用人とメイドを見る。
ニヤッ…
ロキ「(こいつら…!意図的に伝えられないようにしたな!)」
ギリギリと歯を食いしばってだったらと壁を思い切り蹴る。
ガン!
苅里「わ!びっくりした…。その体勢きつい?今4人解くよ。」
苅里は体勢に疲れたんだと思って謝罪して解こうとする。
ネロ「それくらい大丈夫なのにね。」
ネロは苅里に気づく前に手刀で意識を奪って使用人に預けて部屋に飛ばして5人を喋られるようにする。
須玖「お前!都合が悪いとこんな汚いこともするのか!」
ネロ「やり方に綺麗も汚いもないよ。まさか君が引っ叩いたことが鍵になるなんてね。予想外だったよ。…ああ、なるほど。その目、向こうの奴らと繋がってるね?じゃあ君達の目を潰そう。目が見えなくても会話は出来るからね」
イルキ「!共有を切れ!」
ハル達に言ってネロは5人の目を抉る。
ロキ「ぐ、あ…」
ハク「はぁ、はぁ…間一髪。他のみんなは!?」
羽美「なんとか…」
奏「目を抉るなんて…!」
感覚共有までしていたらもうそれこそ痛いなんてものじゃなかっただろう。