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気が付いたら〜947〜

苅里「お待たせ。これから昼食?」
ソル「そうだよ。間に合って良かった。子供達ガチガチになり過ぎ。まずは食べる!」
子供4人「だって緊張して…」
そう言うがまずは食べろと言って食べさせる父4人。奥さん4人は見学としてくる事になった。
それから会場に集まって4人は対戦相手を見てその時間まで他の王子、王女の戦い方を見ていた。
ウル「全力でやって来なよ。」
ウルの子供「う、うん…」
トキ「途中でも棄権はできるから危なくなったら言うんだよ。」
苅里「その代わり次の模擬戦闘までに強くならなきゃだよ」
トキの子供「はい…」
ソル達は声だけかけて見学席からそれぞれの戦闘を見ていた。
模擬戦闘終了後。
王女「なあに?あの一族なのにその程度なの?ありえないわ」
王子「あれなら俺達でもな…」
ヒソヒソと言われて子供4人は居心地悪そうにする。4人はギリギリ勝っても次には負けてしまったのだ。他の王族からはクスクスと笑われる。
妻達もそれには驚いたみたいで子供を庇っていた。
苅里「兄様達…」
ソル「分かってるよ。次までにはせめてもう少し強くしておかないと。」
トキの子供「お父さんごめんなさい…」
トキ「強くなる意味は少しは分かった?」
子供は頷く。
トキ「負ければ次までこうだよ。嫌なら…分かるね?」
4人は頷いて帰ろうとする。
王女「一族の方がこれなら苅里様も似たようなものでなくて?」
王女「きっとそうよ。だってお父様達そんなの話そうとしないし。きっと強くないのだわ」
国王「娘達やめておきなさい。仕掛けたら後悔するぞ」
親の国王がそう言うが王女2人はやめる気なんてないらしくあろう事か苅里模擬戦闘をして欲しいと言ったのだ。
苅里「なんで私が2人を相手しなきゃいけないの?親の忠告には従った方が良いよ」
そう言うが王女2人はやめる気なんてないらしく国王は申し訳ないと言った。
苅里「あなたの子供だからって優しくしないよ?」
国王「構いません。お好きにどうぞ…。帰ったら再教育します」
苅里「まあそれなら良いよ」
苅里はその王女2人と会場に降りる。
ソル「妻達も子供達も苅里が戦う姿見たことあるっけ?戦争以外で」
妻4人「ないわ」
子供4人「戦争以外ないよ…」
ウル「よく見てると良いよ。力で分からせる良い手本だから」
そう言って家族全員で苅里を見る。
苅里「馬鹿な王女2人だね。」
そう言えば王女2人は怒って審判に早く始めるように促した。
審判「制限時間は30分。戦闘能力は全て使用可能。途中でも降参はなしです。…始め!」
ボキッ…
トキの子供「…え?」
苅里「……」
開始と同時に苅里は王女の1人の首の骨を折って頭をスナイパー銃で吹っ飛ばす。
苅里「もう1人も来なよ。まだ始まったばかりだよ?」
王女「っつ…」
一瞬のことでもう1人の王女は後ろに下がる。こうこれだけで力の差が分かってしまったのだ。
国王「だからやめておけと言ったのだ…」
その国王はそれを呟いてため息をついた。
王妃「あなた…。苅里様について話さないのって娘達に関心を持たせないようにするため…?」
国王「そうだ。統率者の一族であのソル様方の唯一の妹君は決して弱いなんて事はない。むしろソル様方とも互角に戦える。苅里様に戦闘を申し込むなど愚か者がする事だ。どうやら娘達はそれに入ってしまったようだが。バカ娘が」
そう言ってる間にもう1人の王妃は苅里に全身を武器で刺されていた。
苅里「本当は降参なんてできないけど今ならして良いよ。2人ともどうする?」
王女「う…」
王女「まだ…」
苅里「そう。じゃあもう少しキツイのにしようか」
苅里は魔力の糸で王女2人をバラバラにする。
妻達はもう見れないようで顔を隠していた。
子供達は苅里のそんな戦い方を見たことがなかったので顔を青くして見ていた。
ウル「王女2人はせっかく苅里がそう言ってくれたのに降参すれば良かったんだよ。バカだね」
トキ「降参もうできないけどね。制限時間までずっとああだよ」
ソルの子供「こんなのもう模擬戦闘じゃないよ!やめさせてよ!」
ソル「なんで?申し込んできてルールを決めたのはあの王女2人だよ?あの2人が苅里に申し込んだりしなければこんな事にはならなかったんだから。国王は苅里の強さを分かってるから止めたのに。他の国王の顔を見て見なよ。」
そう言われで子供4人は見る。他の国王もその戦闘を見てため息をついていた。
国王「子供達に言い聞かせておかないと同じことをしそうだ…」
他の国王「よりによって苅里様に申し込むなど…」
ウルの子供「苅里に仕掛けたらまずいの?」
ウル「俺達以上にね。苅里は相手をどうすれば良いのか熟知してるよ。相手に情報を吐かせることも死の恐怖を植え付けることも平気なんだよ。俺達以上に殺しに詳しい。今までどんなことがあったのかなんて俺たちも知らないけど…」
トキの子供「そんなの想像できない!」
ソル「苅里は普段そんなことをしないからね。でもその時になれば一番怖いよ。」
そう言えば制限時間になって苅里は武器を全て消す。
苅里「次にはもうちょっとマシになってることを祈るよ。国王、宜しくね」
国王「かしこまりました」
苅里に頭を下げて苅里は見学席に飛ぶ。
ソル「あんなので良かったの?」
苅里「力で分からせるには十分でしょ?」
ウル「頭踏み潰せば良かったのに」
苅里「嫌だよ、気持ち悪いもん。」
ギル「壁に頭をぶつけるのはよくしてるけどね」
苅里「それは相手がうるさい時のやり方。…何?あんなの可哀想だとでも思った?」
子供達は苅里を見てビクッとなる。
苅里「仕掛けて来たのは向こうだから。可哀想なんて思わない方がいいよ。」
ウルの妻「でも、あれはあんまりよ!あんな惨いやり方をしなくても…!」
苅里「あれが惨い?まだ良い方だよ。手足を切り落としてないんだから。今回はくっつけたままにしてあげたんだから。」
ソル「まあこれで懲りてくれれば良いけどね。苅里先に帰ってて良いよ。妻達も子供達もきっとすぐには理解出来ないよ」
苅里「…分かった。」
苅里は先に帰ってそのまま服を変えて仕事を少ししていた。
トキ「なんで苅里ばっかり喧嘩売られるんだか…。本人は何もしてないのにね」
ギル「普段パーティーに出ないし大人しいからじゃない?」
ウル「国王が話しても話さなくてもこうなるんだろうね。面倒だよ」
トキの妻「何もしてないのに…?」
トキ「そうだよ。王族にも貴族にも何もしてないのにやたら喧嘩売られるんだよ。だから今回みたいに力で行わないといけない。本人だってできることならしたくないんだよ。でも相手を分からせるには必要な事だから渋々してるだけ」
ソルの子供「じゃあ好きでやってるわけじゃないんだね?」
ソル「少なくても模擬戦闘ではね。本人も嫌そうに最初してたでしょう?」
ウルの子供「あ、確かに…。」
ウル「そろそろ戻ろうか。きっと待ってる」
そう言って家族全員で戻って行った。
苅里「おかえり。子供達4人て2週間後予定ある?」
トキの子供「?ないけど…」
苅里「実は知り合いのところで屋台が出るから来ないかって誘われてね。息抜きにどう?別に襲われることなんてないよ」
妻「良いんじゃないかしら?行って来たら?」
ソル「それって誰?」
苅里「由羅。もしかしたら妻木も来るかも。大丈夫でしょ?」
ウル「あの2人なら確かに大丈夫だね。4人とも行って来なよ」
そう言えば4人は頷いて行く事にした。
ウルの子供「あの、苅里…。さっきの戦闘って俺たちが原因…?」
苅里「どうしたの?いきなり」
トキの子供「だってお父さん達が苅里喧嘩売られやすいって…。何もしてないんでしょ?」
苅里「兄様達話したの…?」
ソル「あはは、つい…」
苅里「まあそうだよ。戦争以外で恨まれるような事はしてないよ。でもなんでか兄様達の妹ってだけでそうなりやすいだけ。子供達が原因じゃないから気にしなくて良いよ」
そう言えばまだ納得してないようだがもう聞くつもりはないらしく会話はそこで途切れた。
苅里「夕食にする?もう良い時間だし」
苅里はそう言って兄達を見る。
ソル「そうだね、そうしようか。子供達と妻達は呼びに行くから休みなよ」
そう言って自分達5人以外を部屋から出した。
苅里「招待状届いたんでしょ?」
ウル「まあね。今回は5人とも。前回みたいにならなくて良かったよ」
苅里「あれは向こうがわざとしたからじゃん。それが終わったらしばらく魔界に戻るけど良いよね?」
ウル「別に良いよ。むしろこれだけの期間いてくれて助かったよ。」
トキ「俺たちじゃきっとここまで育てるまでにぶつかってばかりだったかもしれないからね(笑)」
苅里「兄様達だったら奥さんと喧嘩ばかりになってただろうね、今頃。」
そんな他愛話もして時間になれば呼んで夕食にした。