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気が付いたら〜914〜

苅里「(早く筒入れろ〜。そしてその時まで寝かして。早く寝たい。もう液体の中でも寝れれば良いから)」
建物の把握が終わった苅里はグダグダと心の中で引き摺られていた。
?「しばらく薬漬けにして馴染んだら子供を産ませるか。身体的な障害にはならないだろう。今のうちに血肉をもう少し喰うか」
苅里「(聞こえてるっつうの!あんたのガキなんか作るわけないでしょ!血肉に毒でも仕込みたいけど暗示にかかってないのバレるしな〜。しょうがないか)」
苅里はそのまま血肉を食べられると回復させられて筒の中の容器に入れられる。
?「10日くらい様子を見てそのあと1ヶ月間薬漬けの容器に替えるか」
苅里「(よし、10日間はぐっすり寝よう。あとはまあ…耐性あるから出ても軽度で済むでしょう。うん)」
苅里は液体に入れられるとすぐに眠らされて目を閉じた。
?「こうやってみると綺麗だな。置物にもなりそうだ」
男性はくつくつと笑ってその場を後にした。
数日後。
ランカ「あの男性分かったよ。もとは上のランクにいたんだけど一族が増えて戦闘能力の平均が下がって中の上に下がったみたい。だからその男性自体は元はとても強い部類なんだって。両親からしてそれからの付き合いは無くなったみたい」
優「稀にあるケースだな。今苅里が個人のランクも考えているがもう少し整備するのに時間が必要だと言っていたな」
スグル「場所は?」
ソル「苅里からカラスに伝達したみたいで届いたよ」
ソルが手を伸ばせばカラスが止まってそれをソル達4人に言えば飛んでいった。
アキ「…なんであきれてるんだ?」
ギル「その、緊張感のなさで…」
ウル「建物の構造は把握したんだけど今容器の液体の中なんだって。眠らされてるんだけど最初の10日間は様子見されてそれから薬漬けの容器に1ヶ月間入れられるみたい」
優姫「じゃあ危ないじゃない!」
トキ「それが…様子見の10日間暇だからもう素直に寝てるって。後数日で起きるって」
羽美「…暇だから?」
トキ「うん、暇だから」
セツ「ふふ、苅里らしいわね」
みんなクスクス笑って4人の兄も優姫達はポカーンとなっていた。
ソル「もし薬漬けのほうに入っても耐性あるから軽度で済むから勝手にやれだって。何この危機感のなさ!妹怖すぎ!」
スグル「勝手にやって良いのか。じゃあ遠慮なくするか。いつ動く?」
ラファ「後数日寝る気満々だからね。10日目にあたる4日後で良いんじゃない?」
扇「スグル1人で行っても良いが後で苅里に我慢出来なかったのかと怒られるぞ」
優「だそうだ、スグル待て」
スグル「…分かった」
4日後。
スグル「俺は先に行ってるぞ。建物の把握は聞いたからな」
スグルはそう言って先に行った。
優姫「飛んで行っちゃったけど良いの?」
ハル「別に良いよ。スグルが動いたなら苅里ももう動いたから。ほら、見てみなさい」
ゴゴゴ…ドガァァァァァン!
キリ「いきなり爆発した!」
リュウ「あれもう俺たち行かなくて良いんじゃない?帰ってくる準備しない?」
リュア「そうするか。ほら、先に帰ってるぞ。あの2人ならもう心配ない」
ソル「え、良いの?」
ギル「行った方が…」
みんな「行ったら巻き添え食らうよ(ぞ)帰ってくる準備をした方が良いよ(ぞ)」
兄4人・子供達「…良いのかな?」
黒「スグルと苅里なら大丈夫!」
白「スグルは苅里に叱られながら帰ってくるから問題なし!」
そのことのスグル。
スグル「キト、シト、ミリ、リカ、キリト、ハルト、めちゃくちゃにしても良いが人は全員捕まえておけよ。主がいたら俺に後で渡せ」
6人「はーい!」
6人の分身は返事をすると人を捕まえれば影に入れてそこら中を破壊していく。
苅里「(これやってるの絶対スグルでしょ。じゃあ大人しくしてよ)」
?「何事だ!くそ!この女を出して…」
スグル「そこにいたか。苅里を返せ」
?「渡すわけないだろう!」
ブチッ
スグル「椿、あの男を捕まえて向こうに拘束しておけ」
サワサワ!
そう言えば椿は向かって行って苅里のことはスグルが抱きしめる。
スグル「もう起きてるんだろ?苅里」
苅里「なんだ、分かってたんだ。」
液体に入れられていた苅里は濡れていたがスグルは魔法で乾かすと抱きしめてその建物から出て行く。
苅里「分身達とかはもう出た?」
キト「人も全員出たよ」
苅里はそう聞くと建物を丸ごと消した。
スグル「ひとまず領域に行くか。苅里に会えなくて寂しかったぞ」
苅里「私はそれほどでもないから。でも来てくれてありがとう」
スグルは苅里にキスをするとあの主は自分がやると言って他の人は苅里の花達の食事にして良いと言った。
苅里「あんまりスグルにはそんなことして欲しくないけどね。でも私には止められないから」
スグル「分かっててくれて良かった。ほら、後で合流するから自分の領域にいろ」
そう言って苅里を領域に送って自分は自身の領域の地下に拘束した主を見る。
スグル「お前、俺の苅里に子供を作らせようとしたらしいな。そんなことさせるわけがないだろう。死ぬことよりも生きてる方が辛いと分からせてやる。せいぜい頑張れ」
スグルは笑うと自分で作った禍々しい分身を出した。
苅里「あんな分身作らせるなんてね…」
苅里はそれを知っているのでため息をついて待つことにした。
自分の分身であるキト達4人やスグルの分身のキリトとハルトはその分身を知らない。レグ達も知らず、知っているのは苅里とスグルの2人だけだった。自分で作った混沌の深層よりも禍々しく、大きく、相手を恐怖に陥らせるためのものだと苅里は分かっていた。それを作らせたきっかけを与えたのは紛れもなく自分なのだ。スグルは自然になってから苅里に何かあればその力を惜しみなく使うようになった。苅里が危ない目に遭えばそれを使って生が苦しいものだと身をもって分からせ、最後にはその分身に喰わせるのだ。相手は得体の知れない恐怖を植え付けられて錯乱してでも死なせてほしいと懇願するほどだ。苅里はそれを見てももう怖いとも思わない。スグルがそこまで自分を思っての行動だと分かっているのだから、やりたいようにさせている。
ボリッグチュギチッ…
スグル「腹は満たされたようだな。お前は気持ちよく喰ってくれるからこっちも気分がいい。ほら、帰るといい」
コツン…
苅里「スグル」
スグル「苅里か。こんな地下にくるものじゃないぞ」
苅里「そんなこと言わないでよ。君が食べたんでしょ?スグルをこれからも宜しくね」
その禍々しい分身は苅里に撫でられると気持ちよさそうにして消えて行った。
スグル「あの分身も苅里を好いているから妬きそうだ。血をもらってもいいか?」
苅里「私もスグルの血もらっていい?」
スグル「もちろんだ。」
そう言って互いが互いの血をその場で飲んだ。
ズル…ズル…
スグル「そろそろ兄貴達のところに戻るか。帰ってくる準備をしてくれているぞ」
苅里「そうだね。帰ろっか。大分心配させちゃったから」
2人は血を飲み終わればその場から飛んで行った。
リュウ「丁度来たね。苅里危ないことしないでよ!」
苅里「え〜今更それ言う?」
リュア「今更でも何度でも言うぞ。全く、お前は狙われすぎだ」
スグル「おかげでこっちは落ち着かないけどな。まあ助けに行くのも気分がいい」
リュア「お前はそうだろうがこっちはそう行かないぞ!1人で勝手に突っ走りやがって!」
スグル「す、すまん…」
優「スグルはよく耐えた方だからそんなに言わないでやってくれ」
リュア「バカな兄貴だな。弟を甘やかしすぎだぞ」
優「可愛い弟を甘やかして何が悪い?」
リュア「…お前に分からせようとした俺がバカだった。」
リュアは降参してリュウの隣に座った。
有喜「それじゃあこうやって集まれたし食べましょうか」
弥恵「そうだね。こんな機会でないと集まるのも難しいからね」
そう言ってみんな苅里おかえり!と言う事で乾杯した。