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気が付いたら〜860〜

苅里「血だけ貰えばいっか。なんか食べる気起きなくなった」
ズルズルと血を飲んで死体を消せば嶺達が集まる。
嶺「全滅したね。王族も全員殺したでしょ?」
苅里「こっちは王子と王女を殺したよ。」
ソル「途中で上空にいたみたいだけど何かあった?」
苅里「いや、知らない人が話しかけてきて…。なんかこの国に戦争持ちかけた人っぽいけど聞けなかった。ごめん…」
ギル「それは仕方がないよ。とりあえず戦争が終わっただけ良しとしようよ。」
苅里「それもそうだね。」
苅里は戦争の場所を全部囲って死体も全部消す。
ウルの側近「慣れてますね。処理が早い」
苅里「戦争なんて何度も出てるから処理は慣れっこです(笑)」
ギルの側近「そうなのか?」
苅里「ここまでの人数は初めてだけどね。でも12人でやったから早く終わって良かった」
そう話して城に変えれば使用人全員がおかえりと言ってくれて服を変えて夕食にした。
チャポン…
苅里「あんまり王族の血美味しくなかった…」
?「なら俺ので口直しするか?」
苅里「ここ、お風呂場なんだけど。なんでいるの?」
知らないうちに戦争中に会った男性が服を着た状態で苅里の後ろにいた。
?「俺は気まぐれだ。来たいと思った時に来てる。」
苅里「今すぐ出て行って。入浴中に来るとか意図的でしょ」
?「よく分かったな。で?俺の血は飲んでみるか?」
苅里「要らない。」
手の中に椿を出して食べて口直しをする。
苅里「ほら帰って。」
?「その椿出せ、俺も血肉は食べる。ひとつでいい」
苅里「…まあ、いいけど」
椿を一つ出してあげればそれだけ取って食べた。
?「俺も丁度美味くない血を飲んだ所でな。助かったぞ、美味かった」
苅里「それは災難だったね。…何?」
じーっと見られて男性はふっと笑う。
?「次はお前の血を飲むとしよう。不味くはないだろうからな」
苅里「それは知らない。自分で血飲んでも分からない。それに次に飲む宣言しないで。あげるつもりないんだから」
?「ふふ、どうやってどこから飲もうか。楽しみだな」
そう言って勝手に帰った男性だった。
苅里「一方的過ぎるでしょ…」
ため息をついて風呂をでた。
?「戻った」
側近「お帰りなさいませ。何かいいことでもありましたか?機嫌が宜しいようで」
?「ああ、今日会った女が面白かった。そこらの女とは明らかに違うな。女を1人連れてこい」
側近「畏まりました」
数分後には貴族の女性が連れて来られてその男性と過ごした。

苅里「私暇じゃないんだけど。」
ギル「お願いだから仕事手伝って!」
苅里「今トキ兄さんとウル兄さんの分手伝ってるの!終わったらいくから数枚でもいいから進めて!出ないとここで血全部抜いてばら撒くよ!?」
ギルの側近「それは俺達がきついからやめてくれ…。ただでさえ王族の血の匂いはキツいんだ」
ギル「苅里に飲まれるならいいんだけどね。ばら撒くのはヤダ」
苅里「じゃあ書斎で待ってて!ソル兄さんも今日に限ってダラけないで!」
ソル「だって夏だから暑くて…。冷房つけてもこの暑さって何…」
苅里「これくらい普通じゃない。…はい、暑さは遮断したからやってくれるよね?」
結界で暑さを遮断していい気に快適になる。
ソル「涼しい〜…。苅里書類宜しく…ZZZ…」
嶺「ソル頑張って…!」
嶺が応援してソルを起こそうとすれば今度はギルも寝そうになっていた。
苅里「椿、2人の血持って行ってよし!永眠させなさい」
そういえば2人はガバッと起きて椿に追いかけられていた。
苅里「椿もういいよ。…全く、トキ兄様、ウル兄様達早く終わらせてよ。もうすぐお昼だよ?」
トキ・ウル「はい〜…」
目が回った状態で返事して2人に殺気を向ければサクサクと行った。
ウルの側近「なんとか昼食に終わりましたね。苅里ありがとう」
莉緒・暦「苅里〜!」
苅里を呼んで抱きついてきてニコニコと笑って話す莉緒と暦。
苅里「2人とも仕事は?」
莉緒「チフウが代わってくれた!」
暦「全部代わってくれるって!」
チフウ「嘘言わないでくれる?全部俺に投げたくせに。苅里久しぶり。これから昼食?」
苅里「そうなの。だから今2人が来ても何も出来ないよ?」
莉緒「久々に苅里の肉食べたい!いい?」
苅里「ん〜じゃあ隣の部屋に行こうか。チフウもそうする?」
チフウ「じゃあお言葉に甘えて。隣借りるよ」
ソル「どうぞ」
4人は隣の部屋に入る。
3分後。
暦「前より美味しい!苅里ありがとう〜!」
莉緒「また食べに来る!」
苅里「まあいいけど…」
チフウ「苅里ありがとうね。じゃあね」
そう言って3人は帰った。
ギル「毎回思うけど苅里の肉食べてよく平気だよね。地獄の住人。俺だったらもっとってなるよ」
苅里「前からそうだったから当たり前にあげてたけどね」
昼食を食べてギルの書斎に行って処理を手伝えば風呂に入って上がれば当たり前のようにそこにいる。
?「数週間ぶりだな」
苅里「当たり前のようにそこにいないで。血ならあげないよ」
?「強情だな。では少し頑張ってもらうとしよう」
苅里「血桜、拘束して」
そう言って出すが既にその場にいない。
?「ふむ、赤い桜か。美しいな。この白い肌に乗せれば一段と綺麗に映えるだろう」
苅里の手をいつの間にかとって指先に牙を立てていた。
プツ…
苅里「ムグッ!」
空いた手で口を塞がれて大粒になった血の粒を舐め取られる。
?「美味いが足りないな。香りも良い」
そう言って首から飲まれて反抗するが勢いよく時々飲まれて動きが固まる。
苅里「スグ、ル…」
?「ん?スグル?知ってるのか?」
なんとなく名前が思い浮かんで呼べばそれで男性の動きが止まる。
スグル「苅里!」
男性が止まってる間にスグルが出て来て、その男性を見て驚く。
スグル「兄貴…」
?「スグルと呟いて驚いたぞ。久しぶりだな、スグル」
スグルは苅里の首にある牙の跡を見て聞く。キリトに回復を預けて回復するように頼む。
スグル「なんであんたがここに…?」
?「この前の戦争を見ていたらその女と遭遇してな。興味を持って時々姿を見せていた。まあ、顔も名前も隠していたから分かる筈もないか。俺達は双子ではないのに顔がそっくりだからな」
そう言って術を解けばスグルと全く同じ顔が現れる。
スグル「親父とお袋はどうした…」
?「あの2人はお前を蔑む目で見ていたからな。お前が出て行って俺が魔王に即位した時に斬首刑にした。今はもうお前を蔑むやつなんていない。戻って来い。たかが血肉が飲み食い出来ないだけであの2人の反応は俺達に差を付けていたからな」
スグル「それで苅里から血を飲んだのか?飲み過ぎて顔が青いじゃないか!」
?「いや、なかなかに美味くてな。それと喜べ。お前と同じお気に入りの印をその女にも付けてやった。その女で2人目だ。無論1人はお前だがな。また姿を見せるとしよう。元気でな、スグル」
そう言って空気に溶けるように消えてスグルはキリトから苅里を預かる。
スグル「相手が兄貴なら苅里でも抵抗できないな…。キリト、ギル達には数日こっちで預かると言っておいてくれ」
キリト「分かった。」
スグルは空気をきれいにして苅里を抱いて領域に戻った。