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気が付いたら〜842〜

サク…
スグル「何のようだ、愛羅。さっさと失せろ」
愛羅「そんな事言わないでよ、お父さん。化物は?」
スグル「お前の知った事じゃない。」
愛羅「あれでも一応母だったし」
スグル「都合の良い時だけその立場を使うな。苅里を拒絶したお前達とは口も聞きたくない。
水達、帰るぞ」
風達は返事をして先に帰ってスグルは愛羅を無視する。
スグル「優姫、帰るぞ」
優姫「うん!父様、あの人誰?」
愛羅「私は愛r」
スグル「知らないやつだ。どうやら親を勘違いしたらしい。帰って遊ぼう」
優姫「家族を間違えるの?変なの…」
そう言ってスグルは優姫に愛羅を見せないようにして帰った。
愛羅「また、子供作ったんだ…あの化け物と」
それよりも愛羅はスグルに知らないやつだと言われた事にショックを受けたがここで何かできるわけじゃないので帰っていった。
優姫は8歳になると授業参観を楽しみにする。
優姫「父様!」
スグル「優姫、見てたぞ。途中で寝そうになったな?」
優姫「ね、寝そうになってないよ!」
言葉に詰まりながら優姫はあれこれといったがスグルは怒らずに分かった分かったと言うだけだった。
友達「優姫ちゃん!お母さんは?来てないの?」
優姫「うん、今日は来れなくて…」
スグルに教えてもらったまま伝えれば今度会いたいね、と話してその日は別れた。
数週間後、友達にその何度も会いたい会いたいと言われて誤魔化していたが優姫はその言葉に傷つく事になる。
友達「優姫ちゃんのお母さん、今日も会えないの?」
優姫「うん、ごめんなさい」
友達「優姫ちゃん本当にお母さんいるの?」
優姫「いるよ!ただ今は会えないだけで…」
友達「私お母さんに聞いたらもういないんじゃないかって言ってるよ?」
優姫「え…?」
友達「優姫ちゃんのお母さん死んだの?」
優姫はそれを聞いて大声を出す。
優姫「母様は死んでないもん!生きてるもん!」
そんな声を出すことがない優姫に先生達は驚いて友達と優姫を落ち着かせる。
キリト「はい、もしもし。…はい、はい、分かりました。今迎えに行きます」
キリトは電話を取って小学校のことをスグルに話して迎えに行かせた。
スグル「優姫、どうしたんだ?」
先生「友達と喧嘩になったようで…。普段大人しい優姫ちゃんがいきなり大声を上げてびっくりしました。」
先生がそう言ってスグルは何があったのか聞く。
スグル「…そうか。友達にそんなことを言われたのか。」
優姫「父様、母様死んでないよね?」
スグル「当たり前だ。今は眠ってるだけで生きてる。もう今日は帰るか?」
優姫は頷いて先生に早退すると話してゆっくりと河川敷を歩く。
優姫「父様、ごめんなさい…」
スグル「優姫、お母さんに…苅里に会いたいか?今は触れる事は出来ないが姿を見る事はできる。どうしたい?」
優姫は頷いてスグルは優姫に初めて連れて行く共有の領域に行く。
優姫「ここ、どこ?」
スグル「ここは俺と苅里の2人の場所だ。いつもいるのは俺の住んでる場所、時々行く赤い場所は苅里の住んでる場所なんだ。」
そう話して手を繋いで苅里の寝ている部屋に連れて行く。
スグル「こうやってみると顔立ちはそっくりだな。瞳の色や髪の色は優姫は俺と同じだ。」
優姫「この人が母様?ずっと寝てるの?」
優姫は結界越しに苅里を見る。
スグル「そうだ。さっきと言った通り苅里は、お母さんは生きてる。今は眠って悪いものと戦ってるんだ。」
優姫「悪いものと戦ってるの?」
スグル「そうだ。」
スグルはそう言って自分だけ中に入って苅里を撫でる。
スグル「優姫、苅里に触りたいか?今の俺のように」
優姫「出来るの…?」
スグル「出来るが今の優姫は出来ない。優姫はそのままこの中には入れない。優姫が結界の纏いを出来るようになればお母さんに触れることができる。今の俺もそうやって触れている」
スグルは結界から出て来て結界の纏を解く。
スグル「とても難しいことだ。それでもやりたいと言うなら教えてやる。俺でもレグでもキト達でも教える事は出来る」
優姫「どれくらいかかるの?」
スグル「今の優姫は最低でも10年はかかる。でも戦闘能力を上げればそれを早く身につけられてもう少し早く出来るかもしれない。」
そう言えば優姫は苅里に触れたいと言って自分の力を身につけたいと言った。
メグ「優姫、結界の纏いが出来るようになりたいの?スグルから聞いたけど…」
優姫「だってそうすれば母様に触れられるって…。私母様をギュッとしたい!父様と一緒にギュウしたい!」
優姫はそう言ってメグ達はスグルも本人も良いと言うなら…と言ってその日から基礎を作ることから始めた。
優姫はそれからずっと指導をしてもらいながら学校にも通って高校に入学する。
スグル「優姫、高校入学おめでとう」
優姫「父様ありがとう。今日はもう終わりだから友達と遊んできても良い?夜になる前には帰るよ」
スグル「ああ、行って来い。変な奴にはついて行くなよ」
優姫「そんなのいたら逃げるか撃退するから!父様行って来ます!」
高校が終わるとそのまま向かって友達と遊ぶ。
友達「優姫のお父さんかっこいいね!でも何で父様?」
優姫「ん?だってお手伝いの人は父様って呼んでたから自然とそう呼んでる。」
ミリとリカはお手伝いではないがそう言う事にしておけとスグルから言われているのでそうする。
友達「お手伝いさんいるの!?金持ち?」
優姫「いや、それは気にした事ないけど…」
友達「住んでるのは?」
優姫「あるタワマンの最上階だけど…」
友達「絶対金持ちじゃん!今度遊びに行きたい!」
優姫「え〜それは父様に聞かないといけないし…。約束は出来ない」
そんな話をして夜になる前に別れて少し夕陽を見ながら帰り道を歩く。
愛羅「優姫ちゃんこんにちは」
優姫「?どなたですか?」
愛羅「ああ、覚えてないか。私、スグル父さんの関係者なの。一緒に来ない?」
優姫「そんな曖昧な表現で信用出来ません」
愛羅「じゃあ君のお母さんの名前を言おうか?」
優姫「(そんなの知るはずがない)」
優姫はそう思うが愛羅は簡単に言う。
愛羅「(ああ、口に出したくないけど仕方がない…)苅里、でしょ?白髪赤目の人」
優姫「瞳の色まで…」
愛羅はこっちにお父さんが来ると行って優姫を連れていった。
藍里「愛羅おかえり。…その子が?」
愛羅「うん、少しの間こっちに呼んだの」
優姫「あの、父様は?」
藍里「うん、後で来るよ。お茶でも飲む?」
優姫は頷いて椅子に座る。
スグル「遅いな…」
そう呟いて風に聞けば大慌てで帰って来た。
風「愛羅が優姫を連れていった!苅里の名前と特徴を言って信用させてハル達の所に!」
スグル「あいつ!まだ諦めてないのか!キリトとハルトは俺が合図したら優姫を領域に連れて帰れ。」
キリト・ハルト「分かった」
スグルはそのまま混在界に出てその家にズカズカと入る。
スグル「優姫、いるか?」
極めて落ち着いた声で言えば出されたお茶を飲んでキョトンとなった優姫を見て内心ほっとするスグル。
優姫「父様、今お茶をもらってて…。愛羅さんがこっちに父様が来るって…」
スグル「そうか。だがもう時間だぞ?先に帰ってろ。良いな?」
優姫「すぐに帰ってくる?」
スグル「もちろんだ。キリト、ハルト頼む」
キリト「優姫、先に戻って料理を作ろうよ」
ハルト「話をしたらすぐに帰ってくるから」
優姫「分かった。父様、先に戻って準備してるね」
スグル「ああ、楽しみにしている」
優姫に笑みを向けて領域を閉じれば雰囲気をガラッと帰る。