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気が付いたら〜845〜

優姫「は、早い…」
僅か10分で終わった。いつもエレベーターを使っているのでそれがないと戻ってきた感覚がないのだ。
スグル「金は現地で少し両替して基本カードで払えばいいから問題ないだろう。服とか必要なものが全部影に入れれば大丈夫だ。仮に忘れても領域には自由に行き来出来るからな」
優姫「私、今旅行ってなんだろう…って思っちゃった」
苅里「息抜き」
スグル「同じく。」
優姫「私の思ってた旅行ってもっと新鮮さ溢れる目を輝かせるものだと思ってたんだけど…」
スグル「そんな時期もあったが結構通ってる国もあるから地元の人と仲良くなって穴場の店教えてもらってるしな…」
苅里「行きたい時にささっと行ってるから…。お茶買って領域とかこっちに帰って来るのざらにあるよ?」
優姫「お茶買うだけで国渡っちゃうの…?」
苅里「結構あるよ(笑)あ、料理出来たね。優姫、一緒に並べてくれる?」
優姫は2人の世界観について行けなくなって考えるのをやめて夕飯をテーブルに置いていった。
3人「いただきます」
夕飯を食べて食器を下げてケーキとお茶の準備をしてゆっくり過ごす。
優姫「美味しい〜!」
優姫はパクパクと食べてスグルはその大きさに驚く。
スグル「ワンホール買ってきたのか?」
苅里「優姫が全部食べられるっていうから良いかと思って。甘さ控えめで美味しいね。コーヒーにも紅茶にも合う」
スグル「良く入るな、その量…。まあ美味しそうに食べるから良いか」
2人は優姫の食いっぷりに感心して飲み物を飲んだ。
優姫「ZZZ…」
優姫はお腹いっぱいになると先にお風呂に入ってベットで寝た。
苅里「明日楽しみだね。それとスグル、その手は何?」
スグル「ん?苅里を拘束するためだが。問題あるか?」
苅里「動けない!拘束しなくて良いから話して!暑苦しくて寝れない!」
何故か2人一緒のベットに寝る事になって苅里はその手を離すように言う。
スグル「離すわけがないだろう。朝まで頑張れ」
スグルはニヤリと笑うと有言実行した。
翌日。
苅里「朝5時…スグル馬鹿でしょ」
そう言ってスグルに悪態をついて寝ようとしたがもう無理そうなので先に起きる。
そのままシャワーを浴びてコーヒーを飲んで近くのコンビニで新聞を買う。
店員「い、いらっしゃいませ…」
苅里は既に男性の姿になっていたので店員がポーッとなっていた。
苅里「この新聞を頼む。…?どうかしたか?」
店員はハッとなって急いで会計をして新聞を渡せば苅里に微笑まれて真っ赤にしていた。
苅里はもう一杯コーヒーを飲んで新聞を見れば朝食を作る。
苅里「6時半か、起こすか」
苅里は先にスグルを起こす。
苅里「スグル、起きろ」
スグル「…何故朝からその姿なんだ?いつもの姿で起こして欲しかったぞ」
苅里「そんなの知るか。朝食はもう出来てるから起きてくれ」
そう言って苅里は次に優姫の部屋に入る。
苅里「優姫、朝だぞ」
優姫「ZZZ…」
苅里は肩を揺すって声をかけると優姫はうっすらと目を開けて苅里をみる。
苅里「優姫、朝ごはんが出来てるから起きてくれ」
優姫「…だ」
苅里「だ?」
優姫「誰ですかあああああああ!!」
優姫の叫び声をスグルはリビングから聞いていた。
スグル「そう言えば男性の姿になれる事話してなかったな。」
スグルはさらっと呟いてテレビをつけていた。
優姫「か、母様が男性になれるなんて知らなかった…」
苅里「俺はてっきり話してあるのかと思ってたぞ、スグル」
スグル「ああ、忘れていた。」
優姫「朝からドッキリ仕掛けられた気分だったよ…」
優姫がチラチラと男性姿の苅里を見て顔を赤くしていた。
苅里「優姫、何か言いたいのか?」
優姫「…なんか、男性姿の母様が目に前にいると違う人みたいで落ち着かない」
優姫はボソボソと言って苅里はニヤリと笑う。
苅里「だったら慣れるようにもっと近くにいてやろう」
そう言って朝食を食べ終わった苅里は優姫の隣に座って抱き寄せた。
スグル「苅里離れろ!優姫もうっとりとするな!」
苅里「優姫、俺といつもの姿、どっちで過ごしたい?望む方で過ごそう。もしこっちの姿がいいならスグルの弟で優姫の伯父と言う設定にしよう」
優姫は真っ赤になってボソボソと言う。
優姫「しょ、初日は母様、明日はおじ様がいい(照)」
苅里はそれを聞くといつもの姿になってギュッとする。
苅里「優姫がそう言うならそうするよ。男性姿どうだった?」
優姫「カッコ良かった…」
苅里「スグルよりも?」
優姫はそれを聞かれると戸惑う。
スグル「ちょっと待て優姫、そこ迷うのか…?俺傷つくんだが…」
優姫「その、父様は歩調を揃えてくれるようなとても優しいの」
そこで切って苅里を見て思い出したのか顔を赤くする。
優姫「母様はその、グイグイ引っ張ってついて来いって感じの俺様感があって…。母様が上かもしれない…」
苅里「優姫はそう言う男の子がタイプ?」
それを聞いてカァッと顔を赤くする。
苅里「スグル、俺様で引っ張ってくれる男性がいいんだって。男の子の好みが分かってよかったね?」
スグルはそれを聞いて彼氏は作らないでくれ…と嘆いていた。
そんな会話が終わると出かける準備をするがスグルの調子が戻らない。
苅里はスグルの部屋に行って声をかける。
苅里「そんなに男の子出来るの嫌なの?」
スグルは頷く。
苅里「いつかは出来るかもよ?」
スグル「まだ相手がいないだけ良いが出来れば相手は作って欲しくない…」
苅里「スグルは優姫を溺愛してるわね。愛娘って言葉が良く似合う」
スグル「愛娘だからな、優姫は。」
苅里はスグルに背伸びをしてキスをする。
苅里「朝からいたずらしてごめんね。許してくれる?」
スグルはフッと笑う。
スグル「苅里のいたずらなら許すに決まってる。3人でいい旅行にしよう」
苅里「ふふ、そうだね」
そう言って優姫とマンションを出て鍵をかければその国に飛んだ。
優姫「…本当にきたの?」
スグル「ああ、到着だ。まずはホテルの場所を確認して荷物だけ預けるぞ」
移動があまりにも早いので優姫は本当に来たのか信じられなかった。
スグル「昨日予約したスグルだ。先に荷物だけ預けたい」
そう言えばスタッフは荷物を受け取ってくれて苅里達3人は水着に着替えて海を泳ぐ。
苅里「優姫良く似合ってる。可愛いデザインだね」
優姫「母様も良く似合ってる。父様いつ見てもかっこいい!」
スグル「優姫ありがとう」
スグルはちょうどいい感じに筋肉がついているので苅里と優姫以外の女性にも見られていた。
苅里「3人でパラソルの下に行こうか。少し売店から遠くなるけどいい?」
スグル「構わない。…(ぼそっ)腰は大丈夫か?」
スグルがニヤッと笑って苅里は固まる。
苅里「…痛そうに見える?もう治ったよ」
なんとか言えばそれはよかったと言ってスグルは優姫と売店に行って苅里は顔を少し赤くしていた。
苅里「そんなの今聞かないでよっ!」
優姫「母様、顔が赤いけど…」
苅里「だ、大丈夫。…スグル、その顔何」
スグル「いや?何もない。優姫、苅里は体調は崩してないから大丈夫だ。」
優姫は?と頭に浮かべたがすぐに海で泳ぎ始めた。
苅里「…なんでその事今聞くの」
顔をまだ赤くしたままスグルに聞けば朝のお返しだと話す。
スグル「やられっぱなしは行けないと思っただけだ。毎日でも行いたいくらいだ」
苅里「そんなのしたら私持たないじゃん!」
スグル「つまり嫌ではないんだな?」
苅里「っつ…。嫌なわけないし」
そう言えばスグルはニンマリと笑って優姫と泳ぎに行った。
スグル「苅里、来い」
苅里は顔の熱を取って海に潜った。