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気が付いたら〜848〜

苅里「本当減らない。」
全部倒してため息をついて下の視線に気がつく。
ミワン「いつ起きて…」
ミワンはそう言って目を見開く。
苅里「それ、そっちに関係ある?最近って事は教えるけどね。」
丹路「もっと寝てれば良かったのにな」
丹路は嫌そうにして苅里はすいませんね〜と言って降りる。
苅里「私はもう仕事終わったから。じゃあね」
ハル「待って!」
ハルが引き止めて苅里はハルを見る。
苅里「何?」
ハル「…スグルから4人と縁を切った事は聞いたの?」
苅里「聞いた。でもそれを知ったのはそれが全部終わってからだから私は何もしない。助けるなんてしないよ」
ハル「ずっと4人は出てこないんだ!」
苅里「そんな事で引き篭もられてもこっちは何も出来ないししない。お爺ちゃんがなんとかしてあげなよ。当時あんなに溺愛して喜んでたんだから。顔でも1発殴って目を覚まさせれば?それに子供はいつか親から離れるもの。ずっとそれにくっついて来た分が今に待って回って来ただけだと私は思う。私達親が甘やかし過ぎたの」
ハルにそういえば反論出来ずに唇を噛んでいた。それを近くで聞いていたルイ達も顔を背けてハク、イト、須玖も何も言えなかった。
苅里「ま、私はみんなから化物って呼ばれてるし縁はとっくに切ってるから。知った事じゃないよ。それに化け物には関わりたくないでしょ?」
そう言って苅里は帰って行った。
ハク「ルイ達、俺達から離れていく?」
ルイ「絶対にやだ!俺達は父さん達と過ごしたいんだ!父さん達から見放されたら俺達だって愛羅達と同じになるのは目に見えてる!それだけ父さん達の存在は大きいんだ!」
イト「見放すなんて事はしないよ。ただその時があったら声をかけてねって話」
ルミ「そんなのない!一緒に居させて!」
そう言って話はブッツリと切れてしまって家に帰った。結局話は中途半端に終わってしまった。

優姫「母様、最近寝れてる?」
スグル「苅里、どこか悪いのか?」
苅里「いや、睡眠は取れてるし健康状態はいいよ。ただちょっと夢見が悪いだけ。数日すればいつも通りだから」
優姫「それならいいけど…。もうすぐで卒業式だけど父様と母様来れる?」
スグル「もちろんだ」
苅里「優姫の卒業式は行くよ。他の子だったら親が来るって聞くと嫌な顔するのに…。優姫は違うの?」
優姫「だって高校始まってからやっと母様と過ごせるようになったんだもん!嫌なわけないよ」
スグル「フッ、そうだな」
優姫がそんなわけないと答えると苅里とスグルは柔らかく笑って昼食を食べた。

その夜、また夢を見る。
苅里「…よく出て来ますね、しつこいです」
?「それが親に対する態度か?」
2人は喋って途中でレグが入ってくる。
苅里「レグ、下がって。入って来ちゃダメ」
レグ「いや、ここ俺の領域なんだが…」
?「領域…ああ、なるほど。お前時間か空間のどっちかだな?」
レグは目を見開く。
レグ「俺は教えてないぞ。なぜ知っている?」
?「お前如きに教える事はない。去れ」
そう言って片手を振ればレグは姿を消された。
ガシャン!
メグ「!?レグ!?どうしたの!?」
メグが駆け寄ってスグル達もそばに行く。
レグ「嘘だろ…俺の領域だぞ…」
スグルは呆然となるレグに聞く。
スグル「お前、今夢に行ってたんじゃないのか?」
レグ「ああ、行ってた。だが着いた途端苅里と知らない奴が喋ってて…。そいつに片手で追い出された…。領域と聞いて時間か空間のどっちかだと分かっていた。苅里が勝手に教えるはずがない」
メグ「領域を追い出されったって…」
スグル「そんなことできるのか?」
狂気「普通はありえない。それが出来るのはレグやメグに出ていくように言葉で言うか苅里くらいしか出来ないはずだが…」
欲「それよりもう一度中に入れないの?もしくは何か話してなかった?」
レグ「話の途中だったみたいで聞こえなかったんだ。それに今入ろうとしたら全く入れない。拒絶されてる」
そう話してメグ達は時間の狭間から経由しようと言う話になった。
苅里「ユリならもういませんよ。別で転生しています」
?「そんな事は知っている。だがお前に俺の血も姿も全て移ったんだろう?だったらユリに要はない。用があるのはお前だ、苅里。ユリの全てを持った全く同じ姿のお前にだ。ユリよりは使いこなしているようだからな。お前の兄3人もお前だったら戻って来ていいと言っている。帰ってくるつもりはないか?」
苅里「私は行きません。あの子を捨てたそっちの家に戻るのは断じてありません」
?「弱いやつを切り捨てて何が悪い?あいつは生まれてすぐに兄達のように翼を出せなかった。欠陥品に用はない。俺達は強いやつしか周りに置かない。まあ、あいつもお前もそこの記憶なんてないから兄達の顔なんて知らないだろうが」
苅里「そんなものは知らなくて大丈夫です。私は私の大切な者たちと生きているんです。関わらないで下さい」
?「フン、そんなの俺が許すと思うか?混在界のラウガは全部お前の遺伝子を僅かに持った雑魚だと言うのに。…近いうちに俺の部下を向わせる。断るならそのラウガを殺してみろ。力でねじ伏せろ、お前の世界にいるラウガなんぞこっちの世界では奴隷と同じ弱さだ」
そう話してみれば数人の足音が聞こえる。
?「邪魔が入ったようだな。俺は帰るとしよう。…いいか、お前がどれだけ拒否をしても最後には俺とお前の兄3人が直々に行くだろう。こっちには帰って来てもらう」
苅里「お断りします」
そういえばその男性はくつくつと笑って去って行った。
レグ「苅里!…あの男は?」
苅里「帰ったよ。」
メグ「本当に夢に入れなくて時間の狭間から来たよ…。知ってる人?」
苅里「私の最近の夢見が悪い原因だよ。当分はもう来ないから気にしなくていいよ」
欲「…また、何かに巻き込まれるの?」
欲がそういえばスグルは苅里を見る。
苅里「そうだね、私が原因でまた周囲を巻き込む。レグ達は逃げなよ。あの人には自然じゃ敵わない」
スグル「自然が敵わない相手なんているのか?」
苅里「前に言ったでしょ?私達が認識してないだけで私よりも強いのはごまんといるって。それがさっきまで話してた相手だよ」
狂気「お前今、何を考えた?」
苅里を見て狂気が怒りそうな顔で言う。
苅里「大した事じゃないよ。」
狂気「…もし自分が災厄だと思っているなら違うぞ。誰もそんな事は思っていない」
スグル「苅里、お前は夢から起きろ。俺たちは時間の狭間を通って来たからそっちから帰る」
スグルは何か言いたそうにしていたがそれはやめて夢から覚めろと言う。
苅里「分かった。じゃあ一旦別れようか」
苅里はそう言って先に夢から出る。
スグル「会話まで遮断されてたな。全く分からなかった」
レグ「スグル、お前は優姫と苅里といろ。今後どうなるか分からない」
メグ「苅里があそこまで言うんだもん。きっと今まで以上にキツくなるよ」
スグル「俺たちは、穏やかに過ごすことさえ出来ないのか…?」
欲「スグル…」
優姫が生まれて苅里も起きてまだ3人で過ごして3年も経ってないのにそう思うのは当たり前だった。
苅里「(混在界にいるのもバレてるのか…)」
起きてそう思ってまた力をつけるしかないと思い行動に移す苅里だった。
それからスグル達は出来るだけ3人で過ごしていたが何も襲撃はなく10年以上が過ぎていた。
苅里「(向こうとの時間差が生まれている…?)」
混在界にいる時の時間とアル達のいた世界との時間差が良い例だろう。
スグル「苅里、眉間にシワが寄ってるぞ」
優姫「母様怖い顔〜」
苅里「う〜ごめん…」
3人でお茶して過ごしてる間ハル達の方ではその男の部下が動いていた。