見出し画像

気が付いたら〜977〜

2週間後、貴族を集めてパーティーをして苅里の首の噛み跡を見た貴族達はものすごく悔しそうにして令嬢に関しては泣き崩れた者もいた。
ネロ「そう言うわけだから苅里以外はお断り。もし懲りずに縁談持ってきたら使用人達のご飯にして髪の毛だけ送り返すからね。」
貴族はそれを聞けば顔を真っ青にしてネロは苅里にだけ笑いかけた。
苅里「ネロも今みたいに貴族に笑えば良いのに…」
ネロ「あんな腹黒い奴らに見せる顔なんてないよ。苅里にはいつでも全部見せるからね。正面から宣言出来て気持ちがスカッとしたよ。」
そう言って2時間でパーティーは解散となって貴族は帰って行った。
ネロ「苅里飲んで良いよね?俺のも飲んでよ」
苅里「結構な頻度で飲むけど大丈夫なの?」
ネロ「2週間に1回なら他の一族と比べたら少ない方だよ。愛し合ってる同士の血は週に3回も飲む奴もいるんだから。前にあったドラゴン界の主なんてそれに当たるよ」
だから少ない方だと言って苅里のドレスをずらしてネロが噛み付いて飲んでいく。
ネロ「はぁ、苅里…今度こそ肉を食べて欲しいな。ダメ?」
苅里「ん…じゃあ少しだけもらう。」
ネロの血を飲んでいたがもう少し口を大きく開けて首のあたりに噛み付いて食べる。ネロはそれだけでとても嬉しくて苅里の首に受かっている牙が震えた。3回ほどで苅里はやめたが食べたと言う事実が嬉しくてネロは血を飲み終わると苅里にキスをして肩を撫でていた。
ネロ「また食べてね…?いつでも苅里にあげる」
苅里「ありがとう、ネロ」
血の匂いを互いに吸い込みながらそのまま時は過ぎて行った。

ネロ「苅里、最近眠そうだね。体調悪いの?」
苅里「ん…違う。時々長期の睡眠を取ってるから。今回それが近いから眠いだけ。いつもはそれくる前に寝てるから。」
ネロ「あ、そっか。大主だからそう言うの必要だもんね。他の大主ってどれくらい寝るの?」
苅里「多いのは2000年とかで長いと7000年とか。」
ネロ「苅里は?」
苅里「私は一回が短いから200年とか300年が多いよ。今回は50年にしようと思ってる」
ネロはその短さに驚く。そんな短い期間で苅里は休めるのかと思ってしまう。
苅里「別に初めてじゃないよ。過去に何度も50年とか寝てた時はあるから。場所を決めないと…」
ネロ「苅里、共有の領域作る?分身も眷属も他の自然も入れない本当に2人だけの領域。俺、そこで休んで欲しいな」
苅里「ネロ、良いの?それにそんな完璧に近いのって難しいんじゃ…」
スグルとの共有の領域は持っているがそこまで完璧にはしてないのだ。
ネロ「苅里よりかは領域の精度に自信があるよ。この城の一室だけそこに繋がる扉をつけて入れるようにしようよ。もちろんそれは俺たち2人にしか分からないのにしてね。お願い!」
苅里「ネロがそう言うならそうするよ。中身は私がやっても良い?」
ネロ「うん。領域の精度は任せて」
そう言って早速その部屋を決めて領域を作り出した。
苅里は平家の純和風の屋敷にして森の奥に滝と湖を距離を開けて作った。周囲は草原にして川も流れるようにして風も少しだけ吹くようにした。
苅里「どうかな?」
ネロ「凄い落ち着く…。滝の奥は洞窟も作ったの?」
苅里「うん、ラウガの翼を出して寝る時もあるから。それ以外は水の奥底に潜って龍の姿で寝るときもあるし、半分龍、半分人の状態で寝る時もあるんだ。結構気分で変えてます(笑)」
ネロは最後に言った半分龍、半分の人の姿に興味が湧いてもし気が向いたらその姿で過ごしてみたいと言う。自分も出来るがあまりしないので苅里のその姿を見たいのだ。
苅里「気が向いたらね。それに誰もいないならネロに頼まないと。」
ネロ「何が?」
苅里「私達大主は寝る時間を決めてその時になれば眷属や他の人に起こしてもらってるの。だからそれをしてもらっても良い?大事なことがあれば起こしてもらって構わないから。後は大量に取らなければ少しくらい血も取って良いよ」
ネロ「うん。分かった。それじゃあ時折血ももらうね。寝る時になったら教えてね」
苅里「了解。前日には教えるね」
ネロ「じゃあこのままこっちの屋敷でお茶にしようよ。せっかく作ったのに使わないのはただの飾りになっちゃうからね」
苅里「そうだね。私煎れるから。緑茶でいい?」
ネロ「お願い。俺はお菓子を出すよ」
そう言って屋敷に入って縁側でゆっくりと過ごす。
ネロ「50年でいいの?話を聞く限りもっと長い方が…」
苅里「そんなに心配しなくていいよ。別にそれで大主としての睡眠を確保出来ればいいから。年数を沢山増やせばずっと長く起きられるとは限らないんだ。だからそれぞれ程々に寝たほうがいいの」
ネロ「へ〜そうなんだ。でも本当に少なかったら伸ばしてね?」
苅里「うん、そうする。でも今回は50年でいいからね。」
ネロには経験した事のない事なのでどんなものかも想像も出来なかった。
1週間後、苅里は長期の睡眠に明日入ると言うのでその場所に入る時だけお願いした。
ネロ「今回は洞窟の方?」
苅里「うん、私が滝の奥に入ったのが分かったらそれでいいから。じゃあ50年後お願いします(笑)」
ネロ「うん、ゆっくり休んでね」
苅里はそのまま滝の奥の方に入って行ったのでそれを見送ったらネロはその場から離れた。