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気が付いたら〜843〜

スグル「愛羅、優姫に何を吹き込んだ?」
愛羅「何もしてないよ?今話そうとしたらこうやってお父さんが来たし。」
スグル「苅里を特徴を上げて連れて行くなんてまるで誘拐犯だな。本当に汚くなったものだ」
ハク「スグル、その言い方は!」
スグル「お前は黙っていろ!あれだけ口にするのも嫌そうにしていたのに優姫を連れて行く時だけ使うんだ!汚いと言って何が悪い!」
リュオ「父さん、優姫も連れてこっちで過ごそうよ」
スグル「…何だと?」
ギロっとリュオを見て全員が固まる。
スグル「お前達の口から俺と苅里の子の名前を口にするな。あの子はお前達のせいで人の本性で汚染されて死ぬ所だったんだぞ?苅里はそれをさせない為に対処をしたんだ」
ハル「じゃあアレはもういないの?」
スグルはカッとなってハルを殴り飛ばす。
須玖「スグル何してるのさ!」
スグル「あいつは、苅里は人の本性の犠牲者を出さない為に優姫を結界と守結で守って出産までずっとそれを維持してたんだぞ!それがどれだけ難しいことか分かるだろう!半年間、一瞬も解かずにそれを行ったんだ!」
スグルは苦しそうに話す。
スグル「優姫を出産したと同時に人の本性を消滅させる為に眠りについたんだ!優姫を抱くことも顔を見ることも出来なかったんだぞ!今だってずっと体内にいる人の本性を少しずつ消滅させていってるんだ!苅里は優姫の成長を見られないことを分かっててそうしたんだ!お前達はその時間を苅里からも俺からも小さい時から苅里といられない優姫の時間を奪ったんだ!」
ハル「っつ…」
スグル「子供の成長を見られないのはとても辛いことなんだぞ!お前達が人の本性に手を出さなければ苅里と3人で過ごせてたんだ!」
そう言ってスグルは泣く。
スグル「…俺は今まで自分の子だからと愛羅達には何もしなかったがそれは甘かったようだ。」
藍里と愛羅とリュオとルオは次の言葉で固まる。
スグル「藍里、愛羅、リュオ、ルオ、お前達との親子関係を切る。絶縁届はこっちが全て行っておく。もうお前達4人は俺の子じゃない。俺の子は苅里と出来た優姫1人だけだ」
そう言えば4人は顔面蒼白にして嫌だと言う。
リュオ「待ってよ…そんなことしたら俺達父さんがいないじゃないか…」
リュオが震えながら聞く。
スグル「父親が欲しいならハクにイトに須玖に3人もいるだろう。何だったらハルの子でもなれば良い。お前達は俺から苅里を奪ったんだ。それくらい当然だ。苅里の言葉を借りるなら、〝代償をもらう″と言ったところか。エン達も2度と関わるな。苅里はお前達を殺さないと宣言しているが俺は違う。血の海、そいつらの手足を喰え」
苅里の領域の血の海を出して喰って行く。
リリ「痛い痛い痛い!」
リリは泣き叫んでバタバタと動く。
スグル「俺は苅里のように子供には優しくない。子供でも一切躊躇いなく出来る。ガキの姿してるくせに中身は違うからな。領域、開け」
スグルはそれを興味なさげに見て自分の領域に入る。
混沌「今止血する…」
混沌はとっさにイルキの影に入れられたので無傷だったので混沌の中間層も呼んで全員を止血して行く。
秋季「すぐに回復できるようにしてたのが幸いだよ…」
止血をすれば少しずつ回復して力の強い人から他の子供達の回復を手伝う。
ルイ「愛羅達、酷い顔だぞ…」
ルミ「実の父親からそう言われればそうなるよ…。4人は休んでよ」
そう言えば4人を他の兄弟達が支えて連れて行った。
ミワン「スグル、本気の目をしてた…」
ニキ「もう諦めるしかないのか…」
扇「人の本性については恐らく分身か何かで探って知ったんだろうな。このメンバーでバラす奴はいない」
有喜「今まで洗脳じゃないかと思ってたけど本当に自分の意思なのね…」
阨「有喜、俺達も休もう」
阨は有喜を連れて先に部屋に戻った。
ハル「あの時、すでに妊娠してたの…?俺達は1人の子供の命を危険に晒していたの…?」
知らなかったこととは言えハルはその事実に呆然としていた。

スグル「優姫、夕飯はもう出来そうか?」
優姫「父様、もうすぐ出来るよ。」
スグルはそれを聞いて頭を触って一瞬で記憶を見る。どうやら愛羅達のことは本当に聞いてないようだ。
優姫はそれ気づかずにスグルに甘えていた。
キリト「スグル、ちょっと良い?」
キリトに呼ばれてスグルは外に出る。
キリト「ミリ達の約束は破ってないようで良かったよ」
スグル「憎しみや黒い感情に飲み込まれるなと苅里とも約束しているからな。愛羅達はもうダメだ。明日書類をもらって絶縁届けを出して来る。今まで自分の子だからと甘やかしすぎた」
キリト「父さんが決めたなら良いよ。優姫には知られないようにね。きっとしつこいだろうから」
スグル「分かっている。」
そう話せば優姫にご飯が出来たと呼ばれて4人で食べた。
数ヶ月後。
優姫「父様、今日もいい?」
スグル「ああ、学校のことを話してやれ」
そう言って2人は苅里のいる結界の中に入って手を握って話す。
高校を入学する数日前にそれが出来るようになってそれから優姫は出来る時にスグルと苅里に会いに来て学校のことを話しているのだ。
スグル「話してくれてありがとうな。優姫」
優姫が手を離そうとすればその手がピクッと動き。
優姫「父様、今母様の手が動いた…」
スグルはそれを聞いて声をかける。
苅里「ん…」
苦しそうに声を出して目を開ける苅里。
スグル「苅里…」
苅里「スグル…。お待たせ」
スグルは涙を流して優しく抱きしめた。
スグル「苅里、もう終わったのか?」
苅里「人の本性は全部消滅させたから…どれくらい経ったの?」
スグル「16年だ…優姫、顔を見せてやれ」
そう言えば緊張しながら優姫が前に出て苅里を見る。
優姫「母様…」
苅里「優姫、今まで一緒にいられなくてごめんね。こんなお母さんでごめんね」
優姫はその言葉に泣いてそんなの良いと言う。
優姫「母様がこれから私と父様と過ごせるならそんなの良いよっ!起きて良かった!」
優姫を抱きしめて背中を撫でる。
苅里「そろそろここを出ようか。スグル、抱っこ宜しく。お姫様抱っこしてくれるんでしょ?」
スグル「そうだな、そう約束してたもんな」
スグルが苅里を抱っこして優姫は隣で歩いて共有の領域を出た。
苅里「それで優姫、さっきの赤点の話はどう言うことかな?」
優姫がぎくっとなる。
苅里「ちゃんと聞こえてたよ?スグル勉強は?」
スグル「その、勉強よりも戦闘能力を上げることに…」
苅里はスグルをじーっと見てため息をつく。
苅里「優姫、この時期ならもうすぐテストだよね?赤点を取らないように教えるから頑張ろうね?今日のテストは小テストだったみたいだけど」
優姫「う、はい…」
スグル「起きてその話とはな…キト達はもう分かってるのか?」
苅里「もう知らせてあるけど明日会おうって話したの。今日は3人で過ごせだって。キリトとハルトも向こうに行っちゃったね」
苅里は下ろしてもらって2人を抱きしめる。
苅里「優姫が大きく成長してて良かった。スグルは相変わらず泣き虫ね」
優姫「えへへ…」
スグル「俺は苅里のことになるとそうなるだけだ」
苅里「そこは威張らなくてよろしい!2人ともご飯は?」
2人はまだだと話す。
スグル「俺が作るから優姫と苅里は風呂に行って来い。出て来る時には出来てる」
苅里「じゃあそうしようか。優姫、一緒に入ろうか」
優姫「うん!」
優姫が嬉しそうにして部屋に戻れば苅里はスグルに優姫を育ててくれてありがとうと言う。
スグル「それくらい良い。今日は一緒に寝るからな。3人で」
苅里「優姫が真ん中だよね…?」
スグル「そんなわけあるか。苅里が真ん中だ。眠り姫が起きたんだからな」
クスッと笑えば苅里はスグルの背中を叩いて顔を真っ赤にしていた。
カポン…
優姫「母様が普通の食事以外にも人を食べてるのは聞いてる」
風呂に入って開口一番に優姫は言う。
苅里「聞いてどう思った?」
優姫「それをしなきゃいけない理由は聞いてるから気持ち悪いとかなかったよ。もう実際にキト達にその現場も見せてもらった。最初は流石に吐いちゃったけど私たちが意識してないだけで他の生き物達もこうやって食べて生きてるんだって感じた。だから母様をそんな目で見ないよ」
苅里「そう、優姫ありがとう。」
優姫「でも友達は避けてね?」
苅里「それはもちろん…て言いたいけど噂に手を出したらどうなるか聞いてる?」
優姫「父様からそれも聞いてる。そうなったら嫌だから友達にはそれを約束してもらってる。それでもダメならもう私は関わらないって言ってるから。だから今のところは何もないよ」
苅里「優姫がしっかりした子で良かったよ。私のラウガの部分は遺伝しないのは分かってたから優姫がそうならなくて安心してる。」
そう話して後は今度出かけようと話してお風呂を上がる。
スグル「夕飯は出来ている。もう出すぞ」
苅里「美味しそう!スグルが料理上手で良かったね、優姫」
優姫「周りの友達の父親は出来ないって聞いたのに驚いたもん。親子での家庭料理実習の時父様驚かれてたし…」
スグル「元々作るのが好きだっただけだ。」
そう言って3人で食卓を囲んで夕飯を食べた。
後片付けをしてスグルが風呂に入っている間に少し勉強を教える。
優姫「じゃああまり複雑に考えないほうがこれは良いの?」
苅里「うん、そうすると問題に振り回されるから。簡単に考えて良いよ。」
そう言って本題を解いて行く優姫。
優姫「もう半分終わっちゃった…。母様教えるの上手なんだね」
苅里「そう?他に教える機会も今まであったからそれだけだよ。もうすぐでスグルも上がるからお茶の用意もしようか」
苅里が言った通りスグルが上がって3人でお茶を飲んで就寝するべく寝室に行く。
苅里「本当に私真ん中なの?」
スグル・優姫「当たり前」
苅里「優姫、学校は?」
優姫「明日は金曜日。後1日だけなんだからこんなんで体を痛めないよ!」
スグル「苅里早く寝ろ。寝るのが遅くなるだけだ」
そう言われてしまい苅里は渋々真ん中で寝ることになったのだ。