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気が付いたら〜1019〜

3ヶ月後。
苅里「うん、今回の世界の主のパーティーは欠席しよう」
ネロ「気分?」
苅里「ううん、調合師の昇格試験と日程被ってるから。時間は問題ないけど面倒いからパーティーは休む」
ネロ「ええ!じゃあ俺だけ出席じゃん!絶対暇!俺も欠席する!」
苅里「この前ドラゴン界の主に出席するように言われてなかった?怒られるよ?」
ネロ「あいつ保護者みたいに言ってくるんだよ!出たくない!だって苅里1人なるじゃん」
苅里「それくらい分身達と待ってるから大丈夫だよ。ほら、参加してよ」
そう言って促せば落ち込んで頷いて返事を書いて送った。
1ヶ月後。苅里は調合師の昇格試験を受け終わって夕方ネロを見送る。
ネロ「何もないと思うけど十分気をつけてね?」
苅里「もうそれ何度目…?」
使用人「主心配しすぎ!早く行かないと遅れちゃうよ」
メイド「そうだよ!お友達に説教されちゃうよ?」
ネロ「だって苅里残すとか心配!夕食も食事もちゃんと摂ってね?」
苅里「時間になったらちゃんと食べるって…。行ってらっしゃい」
ネロ「う〜…行ってきます」
ネロはかなり心配しながらパティーへ向かった。
苅里「まだ時間もあるし部屋で過ごすてるよ。時間になったら呼んでくれる?」
メイド「私たちがつかなくて大丈夫?もし邪魔じゃないなら梅の花をいくつか机の上に置いてくれないかな?それなら私たちがいなくてもいいから…」
苅里「お茶とか飲んで読書してるだけだからいいよ。梅の花おいで」
サワサワと音をさせてちょこんと苅里の手のひらに出てきて一緒に部屋に行った。
使用人「じゃあ行こっか。訪問者いないといいなぁ…」
メイド「いても待ってもらうか内容によっては…。私たちのお腹の中に入れる食事になるだけだよ」
ニヤリと笑うば他の使用人達もそうだね!と言って仕事に戻った。
苅里はページをめくる音だけさせてゆっくりと過ごして梅の花はただそこにいるだけで何もして来ない。
苅里「あ、終わっちゃった…書庫に行くんだけど梅の花も来る?本を変えに行くだけだけど…。」
自分達と行くと行って苅里の腕に巻きついて一緒に書庫へ向かう。
1人靴の音をさせて書庫に行く。
苅里「これを戻して、これとこれを持って行こうか」
書庫にある本は定期的に内容を変えたり場所が足りなくなってネロが拡張してるのでだんだんと横や縦に大きくなっていた。
本を2冊持って部屋に戻る最中に声をかけられる。
住人「あんた、ここに住んでいるのか?主様いるかい?」
苅里「…今席を外してるけど客室に案内しましょうか?そこに関しては私じゃなくて使用人が代理で応対してるので…」
住人「…そうか。じゃあ待っていることにする。」
そこで案内しようとすると使用人が2人現れる。
使用人「あれ、お客さん?苅里後は俺たちが変わるよ。住人でしょ?」
苅里「丁度良かった。今から客室に案内するところだったから。お願いしていい?」
使用人「うんいいよ。もしかして書庫に行ってた?本読み切ったんだね。いいよ、後は任せて」
苅里「うん、お願いね」
苅里は使用人に任せて部屋に戻って使用人は客室で内容を聞こうとするがそれをするまでもなく向こうが喋ってくれた。
住人「主様を出してくれ!妻と娘を返してくれ!」
使用人「やっぱりその話なんだ。聞く手間が省けたよ。そうしたら、うん。君の行く場所は決まったよ。主からは許可もらってるからね。苅里の前でその顔を晒さなくて感謝するよ。でないとあの子は悲しそうな顔をするからね」
住人「さっきの女性か!?…だったら会わせてくれ!あの人に頼みたいんだ!返してくれ!妻と娘を」
使用人「苅里に会わせるわけないじゃん。君は俺達か主に食べられるんだよ。ほら、地下牢に行こうね。もし君にまだ家族がいてこっちに来ない限り無理やりこっちに来させないようにしてあげる。」
反抗する住人をガッチリ掴んで無理やり地下室に連れて行く。苅里は1ヶ所しか知らないが実はこの城には地下牢に繋がる隠し扉がいくつも存在していた。今いる部屋にもそれはあって壁をいじればそこを開けて下っていった。
コツン…コツン…
メイド「あれ、訪問あったんだね。どうせ家族返せとかでしょ?自分から食べられに来るなんておかしいよね〜」
使用人「君の奥さんと娘さん先に確認したけどもういないみたいだよ。多分もう食べちゃった♪」
死んだ〜!といえば男性は絶望したような顔をして反抗する気力も失せて他の男性達もいる部屋に連れて行かれた。
苅里「さっきの住人用件何だったんだろう…。もしかして家族に関してかな?それならもう、地下牢だよね…?」
そんな予想をするがそれはもう予想ではなく現実になってるかもしれないと思いながらも何も手を出さずに苅里は本に視線を戻した。
苅里「次に生まれるときはそんな世界に生まれないように願うしかないね…。」
メイド「苅里〜!夕食の時間だから行こうよ!それとさっきの住人心配してるんでしょ?」
メイドは分かっているように話して苅里はどうなったのか聞く。
メイド「今地下牢だよ。内容は苅里の想像した通りだから。別に気にしなくていいからね。よし!夕食に行こう!」
苅里「…そうだね、行こうか」
本を閉じてリビングに行って夕食を取ればそのまま食事する部屋に行って女性2人を食べてお風呂に入る。
ネロ「ただいま〜。苅里寝た?」
メイド「今お風呂だよ。夕食も食事も終わったけど主食事する?」
ネロ「ああ、そうしようか。それと訪問してきた住人の話は使用人から聞いてるよ。みんなで食べるなり自由にしていいからね」
メイド「は〜い!じゃあ部屋に人を持って行くね。5人でいいよね?」
ネロ「うんお願い」
数分後には人が5人来て30分で食べて部屋に行く。
苅里「ネロおかえり。お風呂入る?」
ネロ「ただいま、苅里。もうちょっと長くお風呂に入ってくれれば一緒に入れたのに…。でも長風呂出来ないからしょうがないね。先に寝てていいよ」
苅里「その前にちょっと本も見たいから。あ、訪問した住人の話聞いた?」
ネロ「聞いたよ。途中まで対応してくれてありがとうね。遅くまで起きていないでね」
苅里「私もう良い年なんだからそんな言い方しないでよ。ネロよりかは確かにまだまだ短いけど…」
ネロ「これくらいは言わせてよ。じゃあ行ってくるからね」
ネロはそのままお風呂に行って苅里は読書をした。
ネロ「苅里。熱中するの良いけどもう日付変わるよ」
苅里「…あ、本当だ。もう寝なきゃね。ネロっていつ新しい本とか買ってるの?」
ネロ「ん?あれは使用人に任せてるんだよ。やり方は教えてるから毎日の日課として確認するように頼んでるんだ。どの世界でも毎日必ず1冊は出るからね。取り置きとかしてもらってその世界に取りに行ったり、知り合いならここに影を通してお金と交換して渡してもらったりとかね。面白いよね、誰かの作った物語とか新しいことを発見した書籍とか色々と」
苅里「うん、だから飽きなくてこうやって読んじゃってる(笑)」
本にしおりを挟んで閉じて就寝する。