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気が付いたら〜825〜

あるものを見ると苅里は表情をなくす。
苅里「私の気配で気が散ってそんなことをしてるなら馬鹿すぎる。」
全員息が上がって来ていたので無理やり錬金術で壁を作ってラウガ達が来れないようにする。30分は来れないだろう。
リュア「お前!何をしている!」
苅里「見りゃ分かるでしょ。30分くらいこっちに来ないようにしてるの。そんな息が上がり始めた状態で戦えば崩れるからね。」
全員分かってたようで何も言わない。
苅里「彼岸花はあの壁の見張りをして。」
彼岸花を出してそれを言うと苅里はスタスタと歩いてフウの目の前に行く。
フウ「…何?」
イラついたようにフウは言って苅里はフウを思い切り殴る。
キリ「フウ!」
ルイ「何してるんだよ!」
全員いきなりのことで止められるはずもなくそれを見る。
苅里「それはこっちのセリフだ!お前さっきもう少しで双子の片割れを殺すところだったんだぞ!」
フウ「そんなことするわけ無いだろ!」
苅里「お前は気がついていなかっただけだ!後少し武器を思い切り後ろにひいてたら片割れの首に刺さるところだったんだぞ!」
キリはビクッとなってフウはその反応で本当の事だと知る。
フウ「そんな…」
フウはそれを知って顔を青くする。
苅里「私の気配で手元を狂わせたなら今すぐ戦いから下がれ!お前みたいな奴は無意識に兄弟を殺していくだけだ!今回は片割れがギリギリ避けられたらからいい。でももっと速度も武器も後ろにひいていたら自分の手で殺してたんだぞ!」
フウ「っつ…」
苅里「自分で殺したいなら私は何も言わない、勝手にしろ。でも私がいる所でお前みたいな奴が戦いの場に出てくるな!」
苅里はそう言って突き飛ばせば壁の方に飛んで行った。
キリ「フウ…。私は大丈夫だから」
フウ「それでも、ごめん…。もう少しで…」
フウはボロボロと泣いてキリを抱きしめる。
レグ「子供だろうと苅里は容赦しないな。完全に切れた時の口調だった」
ヒュウ「俺達は自分の事ばかり考えてたからそれに気が付けなかった。情けないよ、俺達は子供達よりも強いのに見てなかった。」
苅里は魔法で声を聞こえるようにして言う。
苅里「お前らはもう出てこなくていい。私だけでやる。」
サタン「おい、苅里…」
サタンが言おうとすれば苅里は一方的にブチっと切って残りを殺して行った。
苅里「あんな状態のみんなをこれの相手をさせるわけには行かない。彼岸花、獣化して殺せ。」
苅里はその後魔法を際限なくぶつけ続けて1時間で全滅させた。
彼岸花はかなり満足したようで苅里に巻きついていた。
苅里「死体は消えるから放っておこうか。お腹が膨れたようで良かったよ」
苅里は壁を崩して帰って行った。
閻魔「もう終わったんだね。」
メイネラ「どれだけの数をやったのかもう分からないよ。全部引き裂いたような跡だね」
ミラ「キリとフウは先に帰って?ルイ達も。あまり見ないほうがいいよ」
リョウ「…分かった。」
子供達は素直に従って家へ飛んで行く。
マヤ「子供達は見なくて正解だったよ。これは絶対に吐いてる…」
融合したラウガの中には頭や腹の中身がチラチラと見えていたのだ。獣化した彼岸花が行ったことをリュウ達は知るはずもなく苅里がこんな殺し方をするのか?と不思議に思っていた。
苅里「彼岸花を獣化できるようにして良かった。凄く頼もしいよ」
キト「ぱっと見花だとは思えないよね。真っ赤な大きな狼だね。花とは思えないほど毛並みもふさふさであったかい」
その姿が気に入った彼岸花は狼の姿で苅里に撫でられて尻尾をゆるゆると動かしていた。
苅里「姿は何にでもなれるけど狼が気に入ったんだね(笑)花の匂いもして落ち着く」
リカ「彼岸花、こっちで遊ぼうよ!ミリも一緒に遊ぼうよ!」
ミリ「うん!」
2人と狼姿の彼岸花は少し離れた場所で遊んでキトとシトは血桜の上で過ごして苅里は屋敷でお茶を飲む事にした。
苅里「フウはちゃんと出来る子だから。キリを守るんだよ。もちろん他の兄弟も」
そう言ってお菓子も食べてまったりして就寝した。
数日後フウは扇に個人指導をしてもらって、また別の日にはニキにも指導をお願いして力をつけて行った。
ニキ「フウ、苅里に言われたことを気にしてるなら…」
フウ「キリにもう怪我をさせたく無いんだ。あの化け物に言われたからじゃ無い!」
ニキ「…そうか。今日はもう1本やったら終了だ。たまには早く休んで早く寝ろ」
フウは返事をしてニキは少しいつもより力を入れてフウに指導をした。
ニキ「(苅里の言葉で周りを見るようになったが…。母親の姿を言葉でなくそうとしているな)」
ルイ達子供は全員苅里を化物と呼んで差別するように呼んでいる。母親の姿を消そうと言葉で拒絶しているのはみんな分かっていた。

数年後、子供達も大分成長してハク達の足を引っ張らないくらいになっていた。
秋季「子供の成長って凄いね。指導の難易度を上げても必死に食らいついて教えがいがあるよ」
秋季は感想を言う。
妻木「俺達大主は基本教える方だから自分達の事は空いた時間で考えるしか無いけどな。久々に寝るのが勿体無いと思うぞ。」
ミワン「前までは2000年とか普通に寝てたけど今は寝る気起きないしね」
そうそうと5人は頷く。
ニキ「それと苅里の次の大主どうする?まだ候補が出てないんだが…」
由羅「それがなかなかいないしな…。本人はいつ辞めてもいいと言ってるくらいだ。やめろと言えば喜んでやめるだろう」
秋季「イルキは掛け持ちする気ない?」
イルキ「冗談でしょ?こっちと裏界の大主とか面倒過ぎるよ。そんな事何を条件にされても拒否。混沌は混沌界をやってるしね。」
5人「だよねぇ(なぁ)…」
5人はため息を吐く。
秋季「苅里が大主に執着がないのは助かってるけど力がデカ過ぎてみんな名乗りをあげないしね。しばらくこのままでいてもらうしかないか…」
そんな事でまだしばらく苅里に大主を行ってもらう事になった。
そんな頃苅里は…
苅里「…誰か私の話した?」
4人「してないよ」
苅里「なんか一瞬どこからか視線を感じた気がしたけど気のせいか…」
苅里はなんとなくそれを感じ取っていた。
苅里「私200年くらい寝てるから後は任せていい?」
ミリ「良いよ。屋敷で寝るの?」
苅里「今回はそうする。じゃあ任せた」
そう言って苅里は屋敷の奥の部屋に入って眠りについた。