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気が付いたら〜1022〜

ネロ「はは、目から沢山血が出てるね。でも俺君たちの血を舐める趣味はないから放置するよ。俺が飛ばすまで回復なんて出来ないからね。」
ネロは面白そうにして言う。
ネロ「耳も共有してるよね?そこを潰したら会話も出来なくなるからそのままにしようか。どうせ君達苅里と別れた時の話をするつもりだったんだろう?君達って馬鹿だよね。それを苅里がしてないって絶対に信じていれば俺に取られなかったのに…。まあ俺が仕組んだことだけど。」
ランカ「あんたがしたのか!そこまでして苅里を奪うのか!」
ネロ「もちろんだよ。〝私、本当に大切な人が出来たの。みんなが踏み台になってくれたからもういなくて良いよ。今までお疲れ様。もう勝手にして良いよ″…こんな内容だったかな?」
耳だけまだ繋がってるハル達は当時の言葉を聞いた。
ロキ「苅里の、声…」
ネロ「あの子は知らないけど俺は対象の声も姿も変えられるんだよ。苅里の男性になるものほど長時間は出来ないけどね」
5人には特別に見せてあげると言って一時的に目が見えるようにする。
ネロ「どう?そっくりでしょう…?ああ、その顔いいね。面白くて大好きだよ」
苅里の声、姿、表情で言われて5人は固まる。
ネロ「夢でみんなを集めたのは俺。ハク、イト、須玖に離婚届を出したのもあれを書いたのも全部俺。筆跡そのまんまだったでしょ?あれだけのために俺かなり練習しんだから。俺だけの苅里になってくれるのに君たちは一番邪魔だったんだ。だから、見事に騙されてくれてありがとう。」
苅里の姿で須玖の頭を撫でて須玖は頭から手を離せと叫ぶ。
須玖「苅里じゃない手で頭に触れるな!気持ちが悪い」
ネロ「どうして?本物と偽物の区別ができなかったんだから俺が頭を撫でても本物だと思えば良いじゃないか。まあ俺も同性を撫でる趣味はないからこれまでにしておくよ。」
手を離して姿も声も戻して再びロキ達の目は見えなくなる。
ネロ「君達がなんでここに来れたのか分かったよ。ランカ、君もしかして小さい頃に両親と来たことあるね?」
ランカ「っつ…」
ネロ「それだったら納得だよ。もう来れないように君のその部分は消させてもらうよ。そこの4人のもね。俺と苅里の生活に君達が来るのは邪魔でしかないんだ。それに、苅里の願いを一番かなえられてるの俺だと思うけど。」
イルキ「どう言う、ことだ…!」
ネロ「あの子の願いは穏やかに過ごしたい、だよね?だったらこのままがいいと思うよ。俺は君たちなんかよりもあの子を守れるし戦いにもほとんど巻き込まれない。君達がいるから穏やかに過ごせないだけなんじゃないの?ここにいればあの子は守る側から守られる側になる。俺がずっとずっと守ってあげるからさ、関わって来ないでよ。スグル、君一度は人として苅里を手放したのにまた一緒にいるつもり?しつこいよ」
スグル「俺は諦めが悪いんだ。一度諦めてもまた伸ばすだけだ」
ネロ「…そう。じゃあちょっと痛い目に会おうか。君が俺と苅里と同じ立場ってだけでイライラするんだよ!」
グチャ!ゴキン…ゴリュ…
スグル「ガッ!ゴホッ…」
ネロ「君の肉はあまり美味しくなさそうだね。苅里の肉を後で沢山もらおうか。…苅里の血肉ってさ、美味しいよね。俺週に4回は必ず食べるんだ。永遠に食べていられるから尚更手放したくないんだ。あんなの美味しいの滅多に…いや、苅里しかいないよ。滅多になんて言ったら苅里に失礼だね」
スグルを弄る音をさせながらネロはただ喋る。
ネロ「まあこれくらいでいいかな。うん、内臓全部見えるね。引き摺り出したらメイドの掃除が大変だからここまでにしておこうか。」
メイド「主私この人の肉食べたいなぁ…。ずっとこんなに美味しそうな匂いするの食べたないもん」
ネロ「分身達からすれば確かに上物だね。でもほら、そこにいるランカならもっと美味しいよ?」
ランカは自分の名前が呼ばれてビクッとなる。
バタバタ!
バン!
使用人「主!苅里が俺達を殺してる!そいつらのせいで記憶完全に覆ってるよ!」
ネロ「は!?」
苅里「…ネロ、どこにいるの。出て来なさい!」
今まで聞いたことのない苅里の怒りの声でネロが顔を引きつらせる。
ネロ「分身達は時間を稼いで!」
ロキ「(今のうちにランカ達飛ぶぞ!回復したらこっちに来るぞ!記憶を消されてない今しか戻れないぞ!)」
スグルもなんとか飛べるようでその隙に飛んでいく。
ネロ「くそ!あんな些細なことで記憶が剥がれるとかどれだけなんだよ!」
苅里は使用人をどんどん潰して自分の花達を惜しみなく出していく。
ドサッ!
羽美「お父さん!」
羽美が悲鳴みたいに出してライやラファ、回復が得意な仲間が5人の目とスグルの怪我を回復する。