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気が付いたら〜950〜

優「そうか、ハルは側近になったのか」
苅里「閻魔のサボり癖が直るといいね」
スグル「まあなんとかなるだろう。」
羽美「お母さん便りが来てるよ?門番がお母さん宛に来てたって言ってた」
苅里「私?…誰だろう。いつもの世界の主の招待状じゃないね。」
名前も何もないしどこかで嗅いだことのあるような香りがしてくるのだ。
苅里「毒物じゃないけどこれなんの匂いだろう…。どこかで嗅いだことのあるような…」
優「代わりに俺が開けようか?」
得体の知れないものなので優がそう言って近づいてくる。
羽美「私席外そうか?」
苅里「そうしたほうがいいかも。羽美ありがとうね。門番にもよろしく」
羽美にそういって警戒しながら封に術がかけれてないか確認して開ける。
ジリ…
苅里「!?2人とも伏せて!」
嫌な予感がして2人を押し倒せばその便りから想像もつかない威力で爆発する。
ドガァァァァン!
結界を貼る時間もなく優とスグルは苅里に押し倒されていた。
羽美にもそれは聞こえたらしく急いで戻って来てドアを開けると真っ暗で何も見えなかった。
羽美「お父さん!お母さん!」
羽美はどうすればいいのかわからないがとりあえず風の魔法で視界を確保する。
羽美の声で奏と恒も来て書斎のドアを閉める。使用人達が見てしまったらもう城中が混乱してしまう。
奏「父さん!母さん!」
風の魔法で視界を確保しようとするがなかなかそれが出来ない。
優「う…。なんだ今の」
スグル「おい、苅里大丈夫か…」
スグルが聞くが声が聞こえなくてもう呼びかけるがそれも聞こえない。
羽美「おか、さん…。何その怪我…」
羽美の声が聞こえて優とスグルが一瞬固まる。
奏「羽美それより父さん達を回復しないと!」
恒と一緒に苅里の下にいる優とスグルを出るように言って羽美は泣きながら苅里の怪我を治そうとしていた。
羽美「お父さん、どうしよう!回復してるのに治らない!」
羽美が泣きじゃくりながら言って優とスグルは目を回復するとその様子にまた固まった。
奏「父さん達まだ回復し切ってないよ!」
恒「膝下ないんだから動かないで!」
息子2人に抑えられて2人は苅里から目を離さずにそのままでいた。
スグル「俺達を庇って…」
スグルはそう溢して苅里のあったはずの両足と焼けただれた背中を見ていた。
20分かかってようやく優とスグルの足はやっと元通りになって苅里の回復をするが苅里の怪我だけ全く回復しなかった。
苅里「ゴホッ…。優、スグル…」
やっと意識が戻ったらしく苅里はむせながら2人の名前を呼ぶ。
優「俺たちなら無事だ。心配すr」
苅里「返事して…どこ?」
スグル「…さっきの爆発で目を耳をやられてるんだろう。兄貴、先にそっちを頼む。」
スグルがそう言って優は先に耳を回復して次に目を回復する。
優「…ダメだ。どっちも回復出来ない。テレパシーにするか」
優は回復をやめて無事な手を握ってテレパシーをする。
優「(苅里俺とスグルなら無事だ。)」
苅里「(良かった…。今私どんな状態?)」
優「(目と耳をやられてる。後は両足が吹っ飛んで背中も焼けただれてる。それと…)」
苅里「(大丈夫だから話して)」
苅里にそう言われて優は苦しそうに話す。
優「(どう言うわけか苅里の怪我だけ回復しても塞がらないんだ。今は血が止まるだけでそれ以降は塞がってない。俺達を庇ったばかりに済まない…)」
苅里「(そっか、どうりで足の感覚もないわけね。それに優とスグルを庇うなんて当たり前だよ。無事で良かった…)」
薄らと口元に笑みを浮かべれば優はテレパシーでも声でも済まなかった…と謝罪をしていた。
苅里「羽美達は、無事…?」
声を発して聞けば3人はテレパシーで無事だと、何もないと話す。
苅里「さっきの手紙、消えたかな…?」
スグルは周囲を見回すがさっきの手紙はもうなかった。
スグル「(ダメだ、残骸も何も残ってない。嗅いだことのある匂いって火薬か?)」
苅里「(違う。火薬の匂いじゃなかった。それだったら開ける前から結界で囲んでる。僅かに音がしたからとっさにああやって出来たけど…。なんと言うか植物、花の匂いがした)」
スグル「(花の匂い…?手紙からか?)」
苅里「(うん、だけど領域にあるあの4つじゃない。…思い出した。あの匂い梅の花だ。)」
スグル「兄貴、苅里は匂いを思い出したって。手紙からしてたのは梅の花の匂いだそうだ」
優「梅の花?そんなの魔界にないぞ…?」
羽美「私初めて見たのお母さんと混在界に行った時だけだし…」
奏も恒も羽美と同じく混在界に行ったときにしか見たことがないし匂いも嗅いだことがないので首を横に振る。
混在界ではいろんな花があるが魔界には梅の花は存在しないのだ。
なので魔界の住人に梅の花と言っても全く分からないのだ。それは優もだった。どんなものなのか、香りなんて優は知らないのだ。混在界に行ったことはあるが咲く時期に行ったことがない。
苅里「気持ち、悪い…。背中、変…」
いきなりそう言って優達は背中を見るが何も起きていない。
羽美「何もないけど…」
スグル「(苅里、背中には怪我以外何もないぞ?)」
苅里「(何か這ってるみたいで気持ち悪い!)」
そう言って握っている手を思い切り掴んでくる苅里。苅里にしか分からないらしく吐血しながら苦しそうにすればしばらくしてぱったりと意識をまた失ったのだ。
優「おい苅里!しっかりしろ!」
優もスグルも意味が分からなくてとりあえず苅里の部屋に飛ばして羽美達は書斎の修復をした。