プレゼン練習のススメ
ども、ならなすおです。
今回、中小企業さん向けの記事です。
私、中小企業支援の仕事を色々してきたんですが、今日のテーマである「プレゼン練習」の観点から3つのカテゴリーに分けると、以下のようになります。
①全国の中小、ベンチャー界隈
私の中小企業支援のキャリアのスタートは、経済産業省中小企業庁への出向でした。
ちなみに、その前は、土木事務所で工事経理という仕事をしていました。
いきなり中央省庁で、大きなベンチャー表彰制度や、大規模展示会など、比較的勢いのあるベンチャーさん、起業家さん向けの支援施策を担当させていただきました。
ここで見たプレゼン、プレゼン練習、プレゼン支援のレベル感が、私のプレゼンを見るベースになっています。
皆さんすごく練習し、プレゼンに臨んでいました。
②九州の中小企業界隈
その後、県庁に戻り、中小企業の国補助金活用支援などの仕事をしました。
ここでは、県や九州でのプレゼン会に企業さんが参加することがあったので、それをサポートさせていただく仕事をしました。
あまり練習せず、アドリブで話す方も結構いました。
③九州の起業家・ベンチャー界隈
県では、起業やベンチャー支援といった仕事もさせていただきました。
「起業支援」のカテゴリーでは、決算書が無かったり、実績が少なかったりするので、補助金などを審査する際に、他の補助制度と比べて、プレゼンテーションの点数比率が高くなります。
プレゼンの巧拙が、補助金獲得に直結するパターンです。
ここでの応援の経験は、すごく勉強になりました。
練習すればするほど、補助金採択率だけでなく、事業の成功確率も上がっていったように思います。
私はこれからも、「プレゼン成功」を契機とした起業家、中小企業のステップアップを応援したいと考えています。
その応援に当たって、思っていることを、今回書いていきます。
それでは、本編、スタートです。
(1)まずは資料を
補助金でも、借入申請でも、プレゼンや面接の前に、書類審査があります。
「補助金申請書」「借入申請書」というやつですね。
これは、既に丁寧に書かれていることを前提にさせていただきます。
そもそもそれがNGの場合は、書類審査を通過しないので。
この申請書類の事を、本稿では「ビジネスプラン」と呼ぶことにします。
プレゼン資料は、ビジネスプラン(文書で読む用)の内容のうち、審査担当者に特に伝えたい点を強調して作ります。
パワーポイント、キーノートなどのプレゼンソフトや、CANVAなどを使います。
①説明の構成
ビジネスプランによって千差万別ですし、構成のひな形もいっぱいあって、何を使ってもいいと思うんですが、下記の内容には触れた方がいいです。
A.何をするのか?
B.なぜするのか?
C.なぜあなたが?
D.なぜ今?
この辺の内容に、ビジネスの本質が表れます。
「なぜするのか?」って端的に言えない人、多分プランが思いつきの域を出ていないです。
「なぜあなたが?」って聞かれて答えられない人、自社の強み分析が足りてないです。
「なぜ今」かを語れない人、社会環境分析が不十分です。
また、プレゼン内容の強弱の付け方ですが、審査の配点から逆算します。
社会性を重視するコンテストなのか?
地域貢献を重視するコンテストなのか?
大きく成長するビジネスが評価されやすいのか?
技術が他の追随を許さないプランが上位に行くのか?
複数のコンテストにエントリーする場合は、コンテストの性質に応じてプレゼンを作り変えます。
②字の大きさ
プレゼン資料の字が小さすぎるのは、審査員に対する冒涜だと思ってください。
見えない小ささの資料を出されても、全く、まーーーったく無意味です。
審査表の「プレゼンのわかりやすさ」っていう所から、鬼のように減点されます。
(私は審査員をやる時は、鬼のように減点してました)
「グラフだからしょうがないよね」じゃなくて、見えない字を無くす工夫をしてください。
③デザイン
凄くカッコいいデザインより、字が見えることの方が重要です。
使うフォント(字の種類)ですが、明朝体系(細いやつ)はやめた方がいいです。
あと、字がひょろひょろひょろ~っと漂って読めるようになるまでに5秒ぐらいかかるようなやつ。
あれ、無駄な演出なのでやめましょう。
ハイライトをバチっと表示させる工夫には意味がありますが、文字ひょろひょろは無意味です。
もう一つ、ダサいかダサくないか。
プレゼンは、デザインコンペではないので、伝えたいことが伝われば、デザインはダサくてもOKだと思います。
(2)スピーキング
資料と同じくらい大事なのが、話し方です。
①時間配分
プレゼン冒頭に自分の人生の話を始め、止まらなくなって、10分のプレゼンタイムのうち8分を使ってしまった、なんてケースが、実在します。
申請書作成からの全ての努力を無に帰す愚行なので、絶対にやめましょう。
あなたの人生はドラマチックですが、申し訳ないですが、プレゼンとは別物です。
資料にセリフを付け、時間内にきっちり収まるように、何度も練習してください。
大事になってくるのは、「しゃべるとこ」と「観客に考えてもらうとこ」のサジ加減です。
一方的にしゃべるプレゼンは、飽きます。
良く「冒頭に疑問形を入れよ」とかいう人がいますが、あれは観客を参加させる手段の1つです。
②アイコンタクト
観客の目を見ることを意識して、プレゼン練習をしてください。
「観客や審査員に向けて話している感」が増します。
ホントに一人一人を見る必要はないです。
会場の3点ぐらいに、良くうなずく人「うなずきピーポー」を見つけておいて、彼らに時々目線を向けるんですね。
それだけで、相当違います。
審査員がうなずきピーポーだったときは、そこを見る頻度を上げます。
③練習して!
タイトルが「プレゼン練習のススメ」ですから、ここが一番言いたいところです。
練習しましょう。
何度もプレゼンし、録画して、再生して、改善してください。
知り合いに見てもらって、意見を求めてください。
審査員は、プレゼン者が練習したかを見ています。
それは、決められた時間きっちりにプレゼンを終えられるかどうかでわかります。
それは、「えー」とか「あのー」とかいう無駄な間の有無でわかります。
それは、よどみない語り口でわかります。
それは、話者の姿勢や目線の配り方でわかります。
(3)プレゼンは「一発逆転の場」
補助金審査やビジネスコンテストは、50万、100万といった大金がかかったビッグイベントです。
そのプレゼンが成功することで、大金が手に入るかもしれない。
時間をかけて全力を尽くす価値、充分にありますよね?
「恥ずかしいから練習しない」とか言ってる場合じゃなくないです?
全国の舞台で勝ち上がっていく猛者には、その必死さがありました。
お金のない起業家、新事業に着手する資金を求める社長にも、同様の必死さを求めたいです。
今の世の中、ポーンと大金が手に入るようなサクセスストーリーは本当に少ないです。
我が国の成長力がなくなっていることに起因しています。
私は、プレゼンだけの支援というのは、しません。
最初に、社長さんの心根を見せていただいて、ビジネスプランにまとめ上げるところから手伝いたいです。
そして、その後、プレゼンに勝つためのスキルを余すところなくお伝えします。
「初めから喋りがうまい奴が勝つ」とか、とんでもないです。
プレゼンは、練習した人が勝ちます。
そこで一発逆転の原資を得て、羽ばたいていって欲しいです。
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