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おキヤラクタア解説 〜おシナリオ1〜

ストーリーの解説が思いついた過程ではなく考え方が中心になってしまったのは、所詮は薔薇と椿のストーリーなんてキャラ次第だからです。どんなやつが出てきて、どんな難癖つけるか次第ですから。つまり話の流れがなぜああなったのかはキャラクターの紹介の方で解説する方がいいんです。
シナリオが4つもあるので1人ずつ解説していくと長くなりそうです。半端に端折ってまとめるぐらいならシナリオごとに分けてたっぷりキャラクター紹介した方がいいのと、作者としてはキャラを語る上で今回外せない声優さんのボイスについても語りたいのよ。


キヤラを作るつてだうやるの

これはストーリー解説で書いた、俺が文章を書くための勉強をしていないってのにも関連する。要はキャラクターを作れないんですよ。キャラクターが勝手に動くとかよく言うじゃないですか。作劇する上で、ストーリー上で伝えたいことがあるとしてそれを伝えるために必要なポジションのキャラみたいな考えも必要です。
しかしそれだけだとお話の都合をしゃべるだけのキャラクターが出来上がります。血肉が入ってないんですね。なんでそう考えるか、そんな行動をとったのか。それを納得させるだけのキャラクターづけ。趣味とか生い立ちとか主義主張、一人の生きている人間として考えておかなければならないことまでしっかり考えるのが生きたキャラクターの作り方と言えるでしょう。
俺にはそんなものありません。本読んでないしね。映画も見ないし。そうなると必要なものは普段からの人間観察ですが、他人に興味ないし。ダメじゃんこの人。

つまり自分には生きたキャラクターを作る能力がないと自覚しているんです。しかし今回、薔薇と椿は違う。かなり各キャラに思い入れができた。それは作劇的に深く考えたものからではない。絵を描いているうちに、さらには声がついた直後からというキャラが多いのだ。だからキャラの紹介をする上で声の比重が大きい。キャラごとに声優さん、さらには録音時でのことなども書くと長くなりますよ。だからシナリオごとに分けていきます。

椿小路玲子(CV 松井暁波)

勝利イラストは動きをたっぷりつけた

主役ですね。それどころか作品を代表するキャラクターです。公式アカウントも任せてるし。
こちらで指定したのは落ち着いた淑女、声はやや低めで、気が弱そうに思えて誰よりも強い、などなど。イメージ通りの声を当ててもらえました。収録中に時々若くなりすぎることがあったりして、ひょっとすると普段演じないタイプの声だったのかな?
ゲームボイスの収録と言いながら、俺の方で勝手にPV用の特殊音声「咲き誇れ、おビンタの嵐」とか「おNintendoおSwitch」も台本に入れておきました。実は怒られた時用に「Nintendo Switch」と言っているバージョンもやってもらってたりして。

玲子はねぇ。キャラ作りができない自分にしては結構明確にキャラが出来上がってますね。人に伝えられるほど言語化はできないんだけども。これはひとえにキャラクターとして掘り下げたというよりは歴史ですね。付き合いが長い。
配信後の実況などにつくコメントで「主人公の中では存在感が薄い。生い立ちとか辛い時期とか書かれずにいきなり家を乗っ取るだけだし。共感要素はない。」なんてのがありましてね。うん、まさにその通り。だからこそストーリーに深みもテーマも何もない薔薇と椿を一番体現しているキャラだと思ってるんです。クイーンオブ理不尽。多分、知恵の輪を与えると力で引きちぎるタイプ。どんなタイプだ。

ずいぶん昔のゲームのリメイクなんだから、開発時にそういうバックボーンの薄さを問題視できていればシナリオを書き換えていたのかもしれない。でもなぁ。椿小路家にいじめられてる玲子なんて書きたくなぁい。そんなドロドロした場面、薔薇と椿にいらねーよなぁ。

巷では旦那の俊介と結婚した翌日に死なれたことになってるらしいです。俺そんなの決めた覚えがない。よくよく探ってみると、当時からその部分を詳しく書くつもりはなかったので死んだ時期とか決めてない。スマホ版のショップの紹介文なんかを書く時に適当に「翌日死んだ」みたいなのを書き足したかもしれない。
「もしや毒殺?」なんて言ってる人も見ましたが。玲子さんはいい女ですよ?そんなことしません。

絵柄でいえば、この頃の自分ではあまり描かないタイプの顔にしてます。特徴は困り眉毛ですね。幸薄そうな感じにならねぇかなあと。イメージしたのは当時の蒼井優さんなんですけどね。分かりませんかね伝わりませんかね?
髪の毛を結い上げているのはゲーム上の理由です。マウスでもスワイプでも玲子の背中をなぞるように動かすので、ロン毛だと体の動きが見づらくなると思ったので。

まだまだ続編なんて考えてない頃ですから、アニメーションもオーソドックスな主人公仕様ですね。クリティカルダメージ時でもぶたれた変顔は見せてない。主人公なので美しいままであって欲しかったんでしょうね。

ちなみにこれは玲子だけのことではないですが、戦闘アニメが殺伐としたものばかりなのでスマホ版やSwitch版で追加された入場退場アニメは優雅に、バレエを踊っているようなイメージで考えてます。少なくともシナリオ1は。作品の代表キャラにも関わらず戦闘中は背中しか見えないので、「キャラクターとして立てるためにも振り返って顔を見せなければならない。」という考えも強いです。

椿小路沙織(CV 浅井晴美)

沙織の髪型、いいよね

人気ありますね。まぁそれはシナリオ2あってこそでしょうけど。キャラクターのイメージとしてはいわゆる昭和少女アニメに出てくるイジワル高飛車キャラのテンプレです。シナリオ1を作った頃なんて深く考えてません。

絵描きとしてもまだまだいい加減な時期に書いているので、腕に纏っているケープ?がどういう形状なのかよく分かりません。イメージだけでやってます。ただこのケープがね。スマホ版からアニメさせることになってめちゃくちゃ大変だった。ちゃんとアニメさせようとするとこの大きな面積の布がゆっくりとなびく様を描かなきゃならない。容量食う食う。分かりきったことなんだからリメイクを機にデザイン変えればいいのに。でも自分の中では沙織の服はコレなんですよね。髪の毛もロングウェーブでなびくしさぁ。大変だった。
あとはなんで目を青くしちゃったかなぁ。イメージなんだろうなぁ。血縁どうなってんだよ。

アニメで言えば、Flash版の頃からクリティカルで叩かれると首がかなり長くなります。これは笑える絵にしようというのもあるし、少年漫画的なダメージ表現でもあるかな。とにかく体を書くのが大変なので、体は通常ダメージやガード時のものを流用するんですよ。それだけじゃ大ダメージ感が足りないので首の方で大ダメージを表現しなければならない。でも体の位置は変えられないから結果首を伸ばすしかないというね。

まあ人気の沙織とはいえ、シナリオ1ではこんなもんですね。所詮噛ませ犬。おサンドバッグ。シナリオ1の段階でそれほど印象に残るキャラではないと思います。

声優さんの方は、とにかく小生意気な感じが出て欲しいなぁと。シナリオ2でのはっちゃけ具合も見越して声優を決めてもらわなければなりません。後から思うに、浅井さんは実力者でしたねぇ。沙織人気の半分はこの人の演技のおかげではないかと。もちろん、何もかもイメージ通りでしたよ。負けた後のデモシーン一発目はちゃんと布を持ってきてくれていて、それを噛みながら喋ってくれましたよ。きぃいいいいい。

椿小路静香(CV 石田嘉代)

静香ねえさんは意識して細めにしてる

声の指定はハマーン様でした。「俗物が!」みたいな声がね、似合うと思ったんです。そういうイメージもあったから「笑止!」なんて台詞が出てきたのかな。
全シナリオを通して最初から最後までスタンスがブレない強いキャラですね。もちろんそんな深い考えはないです。シナリオを増やしていく過程で盛られていきましたからね。毎回立場を変えて出てくるので結構戦闘ボイスのバリエーションが多いです。

デザインはまぁ、沙織がああだったんでお姉さんは落ち着いた感じに。服装もヒラヒラさせずにシンプルに。髪留めの椿は描くのめんどくさかったなぁ。お気づきの人はいるかもしれませんが、シナリオ2ぐらいまではキャラのコンセプトが作品世界のコンセプトを守ろうとしているので、攻撃時でもあまり頭の位置が動かない、全員静かな変化なんですよね。その分、クリティカルダメージが派手にならないと。
沙織で首は伸ばし&「3」の口はやったしなぁ。首捻るか。唾も出しとけ。

あとは目の下の小皺ですね。想定としては30歳前後なんですが、あまりこのぐらいの年齢のキャラに目の下の小皺って描かないと思うんですけどね。Flash版の頃からダメージ受け顔がそそるなんて言われてて、そうか、そそるのか。小ジワ取るか?と考えはしたけども「いや、この苦労はしてそうな強キャラ感を出すには必要だ!」ってことで外しませんでした。

そういえばその「意外とそそる」コメントを見てから、「そうかぁ、静香人気あるかぁ。そそる人妻かぁ。」と思ってから思い入れが強くなった記憶がりますね。それが巡り巡って、シナリオ4を作るなら静香を主役にせねば!につながるんでしょうね。

三田悦子(CV 浅井晴美)

ポーズソフトでポーズ決めたので等身が高くなってる

ネタキャラです。何か笑わせようとしたらコイツ出しとけばいいのでとても助かります。声は男がやっても問題ないんじゃないか?ぐらいに思ってましたが、いい感じの強い年配女性を演じてもらえました。まさか沙織と同じ人だったとはね。いやいや、ほんとに声優詳しくないし配役一覧表も一目で誰が誰を演じるか分かりづらかったのよ。

Flash版の頃から服ははだけ気味でしたが、そこまで強調しているつもりはなかったです。間違いなくアニメをつける際に悪ノリした。Flash版の頃はパワーファイターとしてデザインすればそれでいいやぐらいで。顔は昔3D美少女ブームがあった頃にそれを茶化して3D不細工を作ったことがあるんですよね。その顔を流用してます。

実はこの頃、掌底って知りませんでした。相撲のつっぱりぐらいの認識。ただただゆっくりと重い攻撃のイメージで描いただけなんですけどね。もちろんこれが掌底だということはスマホ版の時には知っていたので、入場・勝利アニメも相撲よりにしました。優雅なバレエターンはどうした。
企画当初はノリノリで考えたけども、この頃には大きく動くアニメを描くのが辛くなってきてたんでしょうね。ターンさせると頭から胸、腰全部を1コマごとに描かないといけないからね。

クリティカルダメージ時に下から突き上げられるような動きなのはFlash版の名残。マウスを下から当てるとクリティカルになってたんですよ。往復ビンタのアニメは思いっきり原哲夫調です。パロディとしてはストーリーによく出てくる聖闘士星矢が目立ちますが、世代的には北斗の拳やキン肉マンなんかの方が強いんですよ。ストーリーではない部分で色々使ってます。

問題は乳揺れパンモロですね。これはもう完全に世間のゲームの風潮を茶化してますね。「ゲーム業界じゃ俺と同じぐらいの歳の男が日夜、いかに乳を揺らすか見せるか考えながら熱心に打ち合わせしてんだろ?じゃあ俺も揺らしてやんよ、ゲボハハハハハハ。」てなもんですよ。敵を作りますね。他のキャラは徹底して揺らしてませんからね。実際、下着つけてるとそんなにバインバイン揺れないんですよ、知ってますか?バインバインさせないためのブラジャーなんですからね。

喋ってることは結構大人ですよね。こんな顔ですが善人、実は戦う理由なんてこれっぽっちもないんだけど、こんなゲームだし。

椿小路華江(CV 高橋奈津江)

老婆なのであまり描く機会がないのでポーズ違い貴重

声優指示には「ハリーポッターの副校長のような」と書いてますね。本当は小公女セーラの先生のイメージなんですが、伝わらんかなぁと思って。
「上品な上流階級の老婆」だけならいいんですが、あのクリティカル攻撃の掛け声も出してもらわないといけませんからね。大変です。

デザインモチーフはなんだったかなぁ。白髪にして、年相応の色味の服にして。まぁ沙織が水色、静香が紺なので違う色味にしないとね。キャラクターのキーカラーというやつです。よくよく見ると、この人と静香は親子だなってわかる顔してますね。当時は考えてなかったと思いますが。沙織は父親の遺伝が強いのでしょうよ。

クリティカルの可愛い顔は昭和少女漫画ですね。ギャップでウケ狙いです。そうだそうだ、Flash版の時から華江を描く頃にはキャラを描くことに疲れてたんだ。まだまだアニメが全然ない時ですらね。アニメーターさんてすごいね。
だからこう、なんとか体やポーズを新たに描かずに済ませる方法はないか?そうか、トキの動きだ。残像出して移動すればポーズ増やさないで済む!攻撃モーションが目が光るだけなのも同じ理由ですね。とにかく飽きてたな!

それじゃあいかんとスマホ版の時に頑張ります。「お前は若い美人しか頑張って描けないのか?」て思われちゃう。クリティカル攻撃を大回転扇子(実は鉄製という設定がある)攻撃にしました。もう4人目なので攻撃のタイミングをずらしてくるタイプの敵が出てきてもいいんじゃないかと思って。これのためにFlash版では持っていなかった扇子を持たせたんです。元々Flash版のシナリオ1の中では珍しい、攻撃時に大きく顔の位置が動く攻撃させてましたし。Flash版の攻撃や反撃方法だとこれが結構難しくなるんですよ。
Flash版の時との違いえいえばネックレスをやめてチョーカーにしました。揺れものは無くしてアニメ枚数を減らそうとしたんですね。

往復ビンタで吹っ飛ぶポーズも頑張ってるでしょう?スカートの中みっちり描き込みましたもん。何よりいいシリでしょう。
頑張ったけども、その反動で入場・勝利は控えめなアニメになってますけどね。若い美人じゃないと……。

シナリオ面で言えば、ゲームの都合で一番おかしなこと喋ってますね。なんだよ「伝説の薔薇の嫁」って。特に深い意味はないです。椿は椿小路家ってことで表せますが、玲子が薔薇ってのはストーリー冒頭でしか触れられてないから弱いかな?つって盛り込んだ単語です。
実況のコメントなどを見ていると、「椿小路家を変えてくれる強い嫁を待っていたのかも。華江自体が庶民から嫁いできたのでは?」なんて深読みしてくれている人がいますけども。うん、まぁそうなんじゃないかな。

椿小路椿(CV 石田嘉代)

画風が違いすぎるんよ

声優の指定はありませんでした。予算もないっつってるから、こんな女声出す必要すらないキャラは自分で声当てればいいやぐらいに思ってましたから。なのにしっかり女性声優さんが声を当てた?用意してくれましたね。結局思いっきり加工してますけど、ありがたかったですね。

先の記事で書いた通り、椿小路の血縁とか関係なく、とにかく見た目のインパクトだけを考えて作られたキャラです。自然と思いついたかなぁ。ジョジョの奇妙な冒険のポルポっていうキャラのイメージはあったかな?なので出現アニメはポルポがベッドからトランスフォームしてるシーンをオマージュしました。

アニメに関してはFlash版の頃の華江の続きです。とにかくポーズを何枚も描くのに疲れてた。特にこれまでのキャラと体つきが全然違う。ノリだけでこういう体型でこのポーズで書いてしまったけれども、これでビンタを玲子に当てるには体を思いっきり前に倒さないと届かないだろう。いやだ、描きたくない。何か良い方法はないか?うーん、ズームパンチだ。そうか、もうパンチでいいよ。ビンタだと振るアニメ大変だもの。回避が首を引っ込めるのも同じ理由です。とにかく体を何枚も描きたくなかった。

どうです?制作の手間や時間をただ減らすのではなく、どうせなら面白いものに変えてしまおう、笑いも取れて作業も減らせる工夫力。デザイナーの鏡だとは思いませぬかえ?

越智宇 トリヱ(CV 朝比奈幸)

はっ!この人だけ特殊立ち絵がない!

お豪華絢爛版からの参加キャラですね。スマホ版には一応簡単な操作説明1枚絵はあったんだけども、「操作がわからねぇ、チュートリアルねーのかよ」て意見はありまして。その反応を見てから「あぁ、実際に操作を体験させてくれるキャラ作っておけばチュートリアルになったなぁ」とおぼろげに考えてました。Switchの移植の話が来て、「よし、実装するなら今しかない!」と言うことでデザインされました。

デザインはとにかく「ここまで出ていないタイプを」。眼鏡キャラいなかったじゃねーか。これはしたり。オデコも出しちゃお。髪をしっかりまとめてる人もいなかったね。そして流石にFlash時代ほど考えなしでは生きていないので、衣装は大正モダンとか海外のセレブとか色々調べてデザインしましたよ。

パロディ部分で言えば頭の豆腐ですかね。イニシャルDと言われてますが読んだことありません。豆腐屋ってのは聞いたことがあるくらい。ウォーキングの練習で頭の上に本を載せて歩くってのも聞いたことがあったので、それらのミックスですね。
上の画像に使っている回避のポーズはジョジョの2部から。練習時のボイスが結構ジョジョから来てるのがありますな。確かボイス収録する際に、呻き声や掛け声もちゃんと文字として起こしておいてくださいって言われてさ。なんとなく収録現場で「ビンタに叩かれた声を3種類ください!」みたいに指示すればいいのかと思ってて。だいぶ悩んだんですよね、全キャラ分。だからトリヱのボイス台本を書く頃にはあらゆる呻き声のネタは出し尽くしていたので、やりたい放題に喋らせてます。

チュートリアル担当だけのつもりだったので性格や設定など考えていないんですが、何かと登場しましたね。シナリオ3と4で新操作の練習はどうやってやらせる?という問題が発生した時に、「トリヱにやらせれば?」てことで脳内に語りかけてくることに。そのおかげでゲーム中一番謎な人物になってしまいました。

おボイス収録の実態

他と比べればキャラが薄めのシナリオ1から短くできると思ったら1万文字ぐらいある。でもせっかくなのでボイス収録のこともここで書いてしまいます。有料でね。

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