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愛校心

今日郵便受けを覗いたら、珍しく自分宛てに冊子が届いていた。
見ると高校からの同窓会報だった。卒業してからだいぶ経つがよくもまあ律儀に送ってくるなぁ、と感心する。

自分の卒業した大学からの冊子は一瞥しただけでゴミ箱行きだが、高校からの同窓会報はそこそこ真剣に読む。高校のほうが余程愛着があるらしい。

例によって同窓会費2,000円(+ご厚意の寄付)の振込用紙が同封されていたが、今年も払わずに終わるだろう。

冊子をめくっていると僕と同じ考えの人が多いのか、会費納入を喚起するページが目に入った。それによれば前年の会費納入者は全体の13%程度らしい。存命の会員は2万人強いるようだから、2,600人くらいか。

そのページにはご丁寧に、卒業期別の納入人数と納入額を記載した表と棒グラフも添付してあった(画像はイメージ、まさかの手描き)。

僕は110期卒なので、そこを見てみると納入者は17人だった。僕の同期は300人強はいるから、なかなかの少なさだ。
他の卒業期を見ると大体50代以上の方の納入人数が多く、若い層は極端に少ない。自分も年をとったら払うようになるのだろうか。

それよりも35期卒の納入者が一人いることに目を疑った。
そんな人いるのか?
僕の75期前だから、現在101歳!? 嘘だろ?

また今年から新しく、前年の納入者が卒業期別に記載された名簿も同封されていたので、それも見てみたらまたしても驚いた。
一行目にこう書いてある。

35期  中曽根康弘


記憶に新しい、去る11月29日。中曽根康弘元首相の訃報が報道された。

中曽根元首相が自分の高校(当時は旧制中学)の先輩であることは知っていたが、それは知識としてであって実感が伴っていたわけではない。

だから訃報を知ったときも驚きはあったが、随分長生きされたんだなぁという程度の感慨だった。

ところが先の名簿を見て急に、自分たちの先輩であったのだという感が強く湧いてきた。
それと同時に、亡くなるまで(おそらく)毎年母校のことを思って会費を、そしておそらく寄付もされてきたのだ、ということを思うと背筋が伸びるような気がした。

先輩たちはこれから先どんどん居なくなる。
会費をほとんど納めていない若年の僕たちは、それに取って代わる存在になり得るだろうか。

自信はないがまずはできることから。

振込用紙を持って出かけよう。

このような拙文を最後までお読みいただきありがとうございます。 皆さんの反応を糧に生きています。