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まだM-12020の決勝すら迎えていないのに、M-12021の決勝ファーストステージを予想する

※筆者は、大して若手芸人に詳しくありません
※誤情報があるかもしれませんが、大目に見て下さい
※予想というより、ほぼ妄想です
※そういう世界線の物語としてお読みください
※かすってたら褒めてください。まあ、正解は一年後ですけど

【※追記】正確にはファーストステージではなく、ファーストラウンドでした。陳謝。

では、出番順に。

令和ロマン(初)621点

吉本興業 / 結成6年目

突飛な構成や変わった設定などに頼らず、ボケの強さとツッコミの上手さを武器とする、シンプルなコント漫才。若手ながら堂々たる横綱相撲で数多のライバルたちをなぎ倒し、決勝に進出。が、ボケの高比良くるまがニューヨークを敬い過ぎたためか、後を追うようにしてトップバッターを引いてしまう。一番手として取れるだけの笑いを取ったが、やはり点数は伸びず。審査員からは「若いのにベテランのよう」「ボケもツッコミも技術が素晴らしい」というコメントがあった一方で、「尻すぼみな感じがした」「もうひとつふたつ爆発が欲しかった」と、構成に関しては辛口評価。これに対しくるまは、例の名言「最悪や!!」を二年越しに被せようと思ったが、ギリギリのところで思い留まる。危なかった。放送事故になるところだった。

金属バット(初)612点

吉本興業 / 結成15年目

正統派コント漫才師に続くのは、満を辞しての登場、アングラしゃべくり漫才師。ラストイヤーにして遂に決勝まで這い上がってきた。コテコテの関西弁で、尻上がりにウケる理想的な形を見せつけた。ただ、順番が悪かった。準決勝ではトップクラスにウケた二人だが、決勝の舞台では思うようにハネなかった。審査員は「面白いくだりはいくつかあったので、それをもう少し上手く転がせたら」「後半は良かったが、前半の笑いが少なすぎた」「トム・ブラウンかと思った」などとコメント。

上沼「あんな見た目してはるけど、漫才やってる時はなんかかっこよかった。フアンが多い気持ちも分かります。まあ、私はなりませんけど」
友保「えみちゃん〜〜、言うてくれるやん〜」
小林「えみちゃん〜」
今田「やめぇ!」

カミナリ(4年ぶり3回目)645点

グレープカンパニー / 結成10年目

どつき漫才と称されることの多いカミナリの漫才だが、実は伏線がミルフィーユのように何重にも重なった、上品でクレバーな漫才である。熟練度と構成において2016、2017よりもさらにレベルアップした漫才で、この日最初の大爆発を起こした。頭をひっぱたいて、「いつツッコむか」を明確にし、さらに間を空けてから繰り出すフレーズが全部刺さるのだから、かっこいい。笑いどころを6発ほどしか用意しないこのスタイルを、本人達は「リボルバー漫才」と呼んでいるそうだ。まさしく、である。かっこいい。審査員もこのボケ幅の豊富な漫才の形について触れている。「今まで、どれだけボケを多く入れられるかを考え続けてきた自分にとって、彼らのような漫才は青天の霹靂」という塙宣之の言葉は印象的。

コロコロチキチキペッパーズ(初)633点

吉本興業 / 結成9年目

KOC2015王者が本気でM-1を獲りにきた。サンドウィッチマン、ジャルジャル、かまいたちでさえも成し遂げられなかった "二冠" の称号を彼らは掴むことができるのか。大きな期待を背負って挑んだ決勝の舞台。ナダルと西野、お互いの "悪い部分" を滲ませ、尻上がり調にテンポアップするしゃべくり漫才で挑むも、あとひと伸びが出ず惜敗。ただ、コント王者の挨拶がわりの一発にすれば、十分すぎる一撃だった。来年以降に期待である。テレビ出演回数の多さゆえか、審査員達との掛け合いは群を抜いて上手かった。

上戸「金属バットさん、残念ながらここで敗退です」
友保「今からコロチキぶち殺したら残れますよね?」
ナダル「なんちゅうこと言うねん(低音)」
今田「物騒な奴やでほんま」

滝音(初)659点

吉本興業 / 結成5年目

霜降り明星、ぺこぱ、東京ホテイソンetc...滝音もまた彼らと同様に、『"笑いの主導権"をツッコミが握り、かつ"納得の笑い"を起こす』漫才スタイルである。しかし、前述の漫才師達と違うのが、「掛け合いの中で笑いが取れる」という点だ。コントに入らず、奇天烈で現実味のないボケをせず、にもかかわらず、しゃべりの中にいくつもの面白いくだりを入れ込んだ極上のベイビーワード漫才は、この日一番のウケを巻き起こした。まるで「ツッコミで笑いを取る漫才」の集大成を見たようだった。キングオブコント2020でファイナルに進んでいたのが良い方向に働いたのか、思いの外リラックスした様子の二人は、ブラックマヨネーズ(2005)に並ぶ点数を叩き出した。

カベポスター(初)616点

吉本興業 / 結成7年目

残念ながら、滝音の大爆発の犠牲者となってしまったのがこのコンビ。独特な角度からのインテリジェンス溢れる掛け合いで魅せるしゃべくり漫才。だんだんとテンポアップし、後半には盛り上がりを見せるも、前半でのウケ量が足りず点数は伸びなかった。審査員からは「技術面での加点はできないが、新鮮で面白い漫才だった」「あまりウケなかったが、とても面白く、しっかりと練られている感じがした」「兆しは見えた。来年に期待」などのコメント。点数以上に評価されている様子だった。

今田「ボケが永見くんで、ツッコミが...」
浜田「僕浜田っていうんですけど、この世界でこの名前でやっていく自信が無いんですよ...」
今田「ほんまやなぁ、あの方が居てはるからなぁ、どうですか松本さん」
松本「え、浜田なんて居てました?」

からし蓮根(2年ぶり2回目)639点

吉本興業 / 結成8年目

2019年、ytv漫才新人賞優勝を引っ提げて乗り込んだM-1では、思うように点数が伸びず、悔しい思いをした。その雪辱を晴らすために。格段にレベルアップした漫才で、二度目のM-1に挑むも、またもあと一歩が足りなかった。型は王道のコント漫才で、熊本弁のツッコミが印象的だが、今年はボケに一貫性が生まれ、質が高くなっているように感じた。審査員の評価は、「前回よりも面白くなっている」「最後のくだりは腹を抱えて笑った」など。オール巨人は「伊織くんがさらに上手くなってる。漫才自体の質もぐんと上がった。ただ、まだまだですね」と愛のあるコメント。

ラランド【敗者復活】(初)634点

フリー / 結成7年目

寒空の下、敗者復活戦を制し決勝へと駒を進めたのは、人気(サーヤ)と実力を兼ね備えた最強のフリー漫才師、ラランド。テレビへの露出が増えたからこそできる、ニシダのクズっぷりを利用した漫才を披露した。型はシンプルなコント漫才だが、いくつかの場面でニシダがボケに回る、新たな戦法を取り入れた。審査員からは、「サーヤさんの表現力が素晴らしかった」「サーヤさんの演技力が高くて、上手く効いていた」「サーヤさんの立ち回り方が良かった」「サーヤさんのボケの質が高かった」といったコメント。2021年版『上沼恵美子のお眼鏡枠』は、このコンビとなった。

オズワルド(3年連続3回目)657点

吉本興業 / 結成7年目

前の2組が割と王道なコント漫才だったのも影響してか、オズワルドのしっとりしゃべくり漫才が刺さりに刺さる。今までと同様、静かに漫才がスタートし段々と話が奇想天外な方向へと逸れていくのだが、矛盾が矛盾を呼び、結局ツッコミの伊藤が劣勢に立ってしまうという構図のネタ。ただ、更にその流れも転調し、最終的には伏線を回収しながら綺麗に落とす。練られ倒した素晴らしい構成の漫才。念願のファイナルステージ進出を果たす。審査員達も手放しに褒めちぎる。「理想的な盛り上がりだった」「2人の人間的な良さが出ていた」「今日の漫才で一番笑った」など。伊藤俊介は3年連続細稲垣選手やってた。

ニッポンの社長(初)625点

吉本興業 / 結成8年目

発想力豊かな、型に囚われない漫才で準決勝を勝ち上がり、初の決勝進出。一見普通にツッコんでいるように見えるが、それがどこかズレていて、ある種Wボケのような形になっている漫才を披露した。その中でも真っ当で切れ味鋭いツッコミを入れ込み、観ている人を裏切り続けるようなネタだった。準決勝ではトップクラスのウケを取っていて、M-1戦士達からの評判も良かったのだが、客の頭を使わせすぎるネタだった点、大爆発したオズワルドの次の出番だった点、などから、思うように点数は伸びなかった。審査員も好みによって点数が分散した印象だ。「画期的で新鮮な漫才。見ていて楽しかった」「誰にでも思いつけるネタではないとは思うが、正直見応えはない」などのコメント。

ファーストステージ順位

1. 659 滝音
2. 657 オズワルド
3. 645 カミナリ
4. 639 からし蓮根
5. 634 ラランド
6. 633 コロコロチキチキペッパーズ
7. 625 ニッポンの社長
8. 621 令和ロマン
9. 616 カベポスター
10. 612 金属バット


割と前から書き始めてたんですが、思った以上に時間がかかってしまい、もう前日です。明日が楽しみで仕方ありません。誰が優勝するんでしょうかね。

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