見出し画像

#17_ジャニオタという遺伝子を持って生まれた女

2018年1月17日。
ユニバーサルミュージックの新社屋にて会見が行われた。

そこでジャニーズ事務所と世界的アーティストを多数抱えるユニバーサルミュージックが初のタッグを組んだ新レーベル・Johnnys’ Universe(ジャニーズ・ユニバース)が設立され、
その第一弾アーティストとしてCDデビューすることが発表された。

King&Prince。

Jr.内で圧倒的人気を誇っていたMr.KingとMr.Princeのメンバーが6人となり5月23日に「シンデレラガール」でCDデビュー。

4月にすうの脱退会見が行われたすぐのことで心が疲弊していた私は

久しぶりにジャニーズからとんでもないキラキラ王道アイドルがデビューしたなぁ…というくらいの印象だった。

嵐の活動休止や関ジャニ∞の体制変更が重なり、
テレビでもKing & Princeの露出が増え目にする機会が多くなってきた。

このグループのアイドルとしての優等生っぷりは、見ていて日を追うごとに尊敬に値する。

デビューして僅か1年足らずで、Jr.時代から苦楽を共にしてきたいわちが持病のパニック障害の治療のため活動休止、その後脱退している。

ジャニーさんが亡くなる前、最後にデビューさせたグループとして
デビューしたいと6人で直談判した話は有名だが、

“ずっと6人で”

この結束が他グループとはまた違う力を持っていると思う。

NEWSのような寄せ集めでデビューするとのちに崩れてしまうものがあると
私たちの世代は嫌と言うほど知っている。

かと言って、苦楽を共にしてきた関ジャニ∞や嵐はかつてのメンバーや形を保ってはいないのだけれど。

それでも、King & Princeはデビューすることすらもメンバー全員で話し合って決めたというその覚悟が今もいちいち垣間見える。

むしろ、見せているのだと思っている。

ファンとの距離感や女関係、スキャンダルについても、徹底的に話し合ってきたんだろうと思えるほどに。

そしていわちが活動休止をしている間、一度も彼の存在を無かったことにしなかった。

初出場の紅白でも、彼のスポットライトを用意してもらい、
King & Princeは6人なんだと自ら声に出し、ファンの気持ちに寄り添い、一緒になってくれていた。

それは彼が脱退した今も続き、インスタライブで彼のソロ楽曲を匂わせたり
いわちが現在行っているツアーのペンライトが他メンバーカラーに変更できたりと

お互い連絡が取れる状態で、6人の絆が今も“繋がっている”ことを知らせてくれることが
今までのジャニーズでは誰もでき得ぬことだったから。

そして彼らはそれを意図してやってるのではなく、
ただ仲のいい友達と連絡を取っているくらいの感覚だろうから余計に微笑ましいのだ。

時は経ち、2022年の4月。

友人がすっかり虜になったのをきっかけに、King & Princeの初のドームツアーへお誘いいただいて東京ドームに行く機会があった。

こんな風に、何の疑いや探りや恐怖心もなく、ジャニーズのコンサートを楽しみに向かえる会場はいつぶりだろう。

純粋にかっこいい人たちを観に行く、ただそれだけでこんなにも幸せな気持ちになれることを思い出させてくれた。

始まったコンサートは、非の打ち所がない完璧な演出で

まだこのときはあまりにKing & Princeの知識が浅すぎて
チケットを譲ってくれた人に「この演出は誰が…?」と思わず松潤かタッキーが介入しているだろうと疑ったほどだった。

歌唱力、ダンス、パフォーマンス力、トーク力、もちろん全員が圧倒的なビジュアルを誇り
Jr.の使い方も含めそもそものライブ構成と演出の仕方、全てが完璧だった。

全員が無理しているのではなく、やりたくてきちんと“アイドルという仕事”をしてくれていることに感動するのだ。

無茶振りをされても全員誰も文句を言わず、
胸キュン台詞やアイドルとしての振る舞いにも躊躇いがない。

コンサート中のファンサも、全員が同じだけバラつきなく行う。
ファンのことを断じて“お客さん”とは言わず、全員がきちんと“ティアラのみんな”と呼ぶ。

ここ数年で起きたジャニーズの大きな変化を大きく包み込み、
それぞれが負ったであろう傷と傷ついたその心を癒してくれるのがKing & Princeだと思う。

自分たちが自分たちで決めたこと、全員でファンのみんなと幸せに、という責任感が全員の第一線にあり
コンサートで行う楽曲ひとつ、シングル曲に選ぶ楽曲も全部自分たちの決定のもと行っている。

セルフプロデュース力の高い20代だから、と言いたくもなるが

そこにはそれだけじゃない圧倒的な分析力と、本人たちが感じるジャニーイズムが間違いなく継承されている。

だからこそ、それを表現できるその凄さが楽曲に滲み出る。

昔のKinKi Kidsっぽいジャニーズらしい曲や、もうこのまま世界と戦えるだろうと言いたくなるダンスナンバーや、王道のアイドルっぽい楽曲なのにスタイリッシュなダンスを合わせた曲が並んでも

King & Princeだからこそ、どこか新しく、観たことのないパフォーマンスになって返ってくる。

個人としては、これが続くことによって本人たちが無理をしてしんどくならないことを願うばかりだ。

でも、どこかアイドルとしてビジネスライクな仕事感を感じることもあるKing & Princeは
それが私にとっては安心感となって見ていられる要因でもある。

ドラマや映画、バラエティなど、いろんな露出に対し
いい意味で全員で対応できるからだ。

全員がどこでどの肩書きを語っても不自然じゃないと思える能力が個々にあり、
都度語っていることが嘘ではないのだろうと思わせてくれるところまで、完璧に仕事をこなす5人なのだ。

それでもこの5人であれば「職業はアイドル」と言うだろうという安心感もあるが故ではあるが。

今回のアリーナツアーに合わせて発表されたアルバム「Made in」も、
本人たちはジャニーズのアイドルとしてこれ以上多くは語らないだろうが

“「日本」、「和」、というテーマでやりたかった。”

と、メンバーそれぞれが口にしたその日本のJ-POPをも背負っていく覚悟や決意を感じたときは震えた。

ジャニーさんがデビューさせた最後のグループとして
ジャニーズというジャパニーズポップを背負って1位を獲りに行くと、本気で努力できるんだろうなと。

ここに来てBTSもアイドル界に大きな疑問を呈してグループとしての活動を休止した。

間違いなく、ここからこのまま行けばKing & Princeは世界と戦うことになる。
そのための新レーベル、Johnnys’ Universeだから。

いつかLAで、グラミー賞で、King & Princeが表彰されるとき
いわちもその会場で涙を浮かべながら一緒に喜ぶ姿を、想像せずにはいられない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?