#06_28歳の誕生日、あと10年で死のうと思った。
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「有給消化して、再来月末までに辞めさせてください。」
私はどうも、会社や社会というものから脱線しがちだ。
決められた古いしきたりやルールに疑問すら持たせてくれないことが納得できない。
学校生活もままならなかったのだから、いわば当然の結果だ。
もちろんこの結論に至るまでのあいだは、自分の不甲斐なさや根性のなさに嫌気がさし、家族や友達を巻き込んで
感情は毎日ジェットコースターのように急上昇と急降下を繰り返して大騒ぎするのだが
「もうこれ以上はなんのプラスも無い」「人生の時間の無駄」と気づいてしまうと、拒絶反応がアレルギーの如く身体を蝕む。
こうなると本当に朝は布団から起き上がれなくなり、夜になると明日が迎えに来ることが憂鬱で仕方なく、眠れなくなるのだ。
それでも私は、この二度と顔を見ることも名前を思い出すこともないであろう上司の前で隙を見せるわけにはいかない。
自分の律し方は分かっているはずだと自分に言い聞かせ、目の奥に神経を集中させる。
ここで集中力が切れてしまうと、意図と反する涙が溢れてしまうからだ。
今まで何度も経験し、この感覚にも慣れている。
回数と年齢を重ねる毎に対処法を把握しているし、私は極めて冷静だ。
「後任が見つかるまで、もう少し待ってほしい。」
これでめでたく、人生3度目の自己都合退職だ。
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会社や仕事というものに自分の居場所を見出す必要なんてないと聞いたことはあっても
人生の大半を捧げるであろう仕事の時間を
生きるため、生活のためと割り切ってこなすだけの人生はどうも耐えられない。
だが現実問題、生きていくために家賃と生活費は稼がねばならず
娯楽費も、自我を保つための美容費も年を重ねるごとにかさんでいく。
納得できない仕事はしたくない。
気に入らないものは売りたくない。
プライドが高い。
自分の正義をどうしても曲げられない。
会社に勤めたところでほどんど税金に吸い上げられていくこの国で
万一にやり甲斐があって対価をもらえる仕事が見つかったとしても、自分がそれを一生続けられるとは到底思えない。
生きづらい世の中、この時代のこの国でこの世代に、
ずっと出口の見つからないトンネルで生まれ育っていることに気づいているから。
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