#25_28歳の誕生日、あと10年で死のうと思った。
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彼と出会い、私はいろんな“はじめて”をもらった。
付き合ってすぐ行った旅行先で言い合いの喧嘩をしたことも
不安になって家を飛び出して泣いた夜も
感情をぶつけたあとの仲直りのセックスも
年末年始、初めて長期間同じ時間を過ごして大喧嘩になった日も
喜んでほしくて初めて私がご馳走した彼の誕生日も
今まで、どこか空想の出来事のように聞いていた恋愛話の当事者になることは
恥ずかしくて情けなくて、みっともなくて。
その都度、ぐちゃぐちゃになる感情の渦中で「あぁ私、この人のことが好きなんだなぁ。」と思う新しい自分に出会うことにもなった。
家族とも友人とも立ち位置の違う恋人という存在がこの世に居て、
大事に想い合える人に出会えたことが
一人の人と向き合っていくことが
私にとって全部が初めての経験で、何もかもが新鮮だった。
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プロポーズをしてくれたあの日、
“結婚”というものにも初めて向き合って
そう遠くない未来、ずっと一人の人と生きていく幸せを一緒に願った。
それに向き合えば向き合うほど、自分の中にある自信の無さが不安となってどんどん私を飲み込んでいった。
大事に思うものを大事にする方法も、一緒に暮らすための生活スタイルを譲歩していくことも
あまりに性格の違う私たちの価値観を合わせていく作業が想像以上に大変で
私が普通にしていることが、彼にとっては完璧主義すぎてプレッシャーでしかなく
彼にとっての普通はまた、私に苦痛を感じさせた。
約一年間、私のわがままと彼のわがままがぶつかり合って何度も喧嘩をして話し合った。
喧嘩をするたびに、すべてが結婚という制度に直結していく感覚が怖くなった。
“彼と居る自分を好きになれない。”
“このままずっと彼を愛せるだろうか。”
一度そう思ってしまった私は、もうお互いの根底にあるそのままで居たいという欲は変えられず
傷つけ合う未来しか見えなくなってしまっていた。
恋愛感情だけで突き進んでいく覚悟はもう持っていない。
今まで持ったことのなかったその感情たちは、その未来に賭けて飛び込んでいく勇気も奪い去り、何もなくなってしまった。
それでもこの年になってこんな風に人を愛すことが出来た私は、間違いなく幸せだった。
彼がこのnoteを読むことがあるかは分からないけれど、
伝えたいことがあるとしたら
少しのごめんねと、たくさんのありがとう。
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