見出し画像

株で億り人の億りパターン

 


はじめに

 投資で億単位の資産を築いた人を俗に「億り人」と言います。野村證券の証券用語解説集にも掲載される程度には認知度が高まってきた単語です(笑)

そんな億り人。どんな手法で、どんな投資対象に投資して億単位の資産を築いてきたかは当然十人十色ではあります。しかし、その資産形成の過程を観察するとある程度のパターンがあることに気が付きます。

そんなわけで、今回は億り人の億りパターンをざっくり種類分けしてみたという記事です。億り人の投資対象も株から始め、FXや仮想通貨など多岐にわたるわけですが、キリがないので今回は株式投資で億単位の資産を築いた億り人の億りパターンに限定して、雑に4パターンに分けてみます。

1.堅実な投資対象に投資し、長い時間をかけて資産を築いた

 個別株投資家なら財務が健全で事業も手堅い、そして株主還元もそれなりのものが見込める。さらには値下がりが限定的であると見込めるようなバリュー株に投資するバリュー株投資家がそれにあたるでしょうか。世界中の投資対象に幅広く分散投資する株式メインのインデックス投資家も該当するかと。堅実な投資対象に、時間をかけてコツコツと追加資金を投入しながら資産を着実に積み上げていく、資産形成の王道タイプです。

日本の株式市場もここ十数年で企業の収益力向上、ガバナンス改革、株主還元強化、そしてデフレ脱却などで長期値上がりが続きそうな下地が出来てきました。今後もこのタイプの億り人が増えてくるんじゃないかと私は思っています。

このタイプの人は億単位のまとまった資産を築くまでに時間はかかります。少なくとも10年単位で見た方が良いでしょう。しかし、長期間にわたって投資経験を積んでおり相場のいいところも悪いところも心得ています。

よって、相場環境の短期的変動で一喜一憂することはあまりありません。とにかく忍耐力があります。ちょっと値下がりした程度で株を売ったりしません。そして、投資資金を捻出し投資を続けていた経験もあり生活態度も堅実で、多少資金が減ろうが困ることもないのです。用心深く、忍耐強く守備力が高い・・・そんな守備力重視型の投資家と言えます。守備力が高いので、下手を打って資産を大きく減らすことも無く、着実に増やしていく人たちです。

2.大きく値上がりする銘柄に資産の大半を集中投資して資産を築いた

 これは基本的に個別株投資家です。わけのわからない仕手株を買った、というより世の中の時流に乗って爆発的に業績を伸ばし、株価が数倍~数十倍になるような、いわゆる成長株に集中投資して億単位の資産を築いたタイプです。

一般的に企業の株価が業績成長に伴って数倍~数十倍になるにはそれなりに時間がかかります。少なくとも数年単位で辛抱が必要です。それに、成長株と言っても一本調子に株価が上がるわけではなく値上がりの過程で数十%の株価調整局面が何度も訪れる事が考えられ、それを乗り越える必要位があります。

その中長期の投資期間の中で、何度も株価下落を乗り越えて数倍~数十倍高を手に入れた人たちなので、このタイプの投資家も結構忍耐力が強い印象。いわゆる、「握力が強い」タイプです。

厳選した銘柄たちが大きく値上がりすればレバレッジをかけずとも大きな資産を築く事が可能なのがこのスタイルで、あまりレバレッジを使わずとも大金を稼いでいる人も結構います。

ただ、厳選投資した銘柄で空振りするとかなりの痛手を負うためしっかりとした企業に対する目利き力、そして運も(笑)必要な投資スタイルと言えましょうか。

3.大きなレバレッジをかけた投資が成功して資産を築いた

 2.の投資先を厳選する・・・というより、レバレッジをかけて上がりそうな株を手当たり次第に買い、レバレッジを目一杯使って億るのがこのタイプです。この手の人は山っ気がありとにかく一刻も早く儲けたいので(偏見)、レバレッジをかけた上に値動きが激しいグロース株を選ぶことが多いような印象を受けます。

そして、買い込んだ株が首尾よく値上がりしたらあっという間に億るのがこのタイプの人です。相場全体の地合いが非常にいい時期や、〇〇株ブームといったテーマ株相場に上手く乗れた人はそれこそ株を始めて1~2年、場合によっては1年経たずに億ったりします。ああ羨ましい。

一方でこのタイプの人は投資経験が浅いことが多いです。相場が引き潮に転じた時に対応が遅れ、レバレッジをかけたまま相場の下落に巻き込まれ、せっかく手に入れた利益の大半を失ってしまう事も多いようです。悪銭身につかずという事なんでしょうか。英語でも似たような言葉で「Easy come, easy go.(簡単に手に入るものは簡単に失う。)」というものがあるそうです。どうでもいい余談ですが。

4.卓越したトレードセンスで資産を築いた

 トレーダータイプ。有名人だとBNF氏やcis氏でしょうか。このタイプは基本的にデイ、スイングの短期トレードで資産を高回転させながら売りでも買いでも儲けてどんどん資産を膨らませていきます。

基本的にレバレッジをかけてトレードしているので、3.と重複する部分もあります。ただし、このタイプは相場に対して動物的なカンを備え、非常に資金管理もうまい人が多いのであっさり資産の大半を失うようなことはあまりないようですが。

正直、私はトレードに関してはドヘタなのでこれ以上いう事はありませんwとにかくすごいなあという印象。私のような凡人には理解も真似もできません。

さいごに

 私が見る限りは、株で億り人はおおむねこの4パターンに分けられるかと思います。ただ、この人は1のパターン、あの人は2のパターンと明確なパターン分けをするのは難しいというのが正直なところです。

どういう事かというと、結構な人が複数のパターンを併用しながら資産億越えを果たしている・・・という事です。

例えば、厳選した成長株にレバレッジをかけて投資する超攻撃型(2+3パターン)や、地味で堅実そうな株をレバレッジをかけて大量買いして中長期保有(1+3)する変則型など・・・

ほかにも、投資スタイルを変えながらうまく資産を増やしていく器用な人もいます。トレードで初期の種銭を膨らませ、成長株やバリュー株への中長期投資にシフトしてさらに増やすとか(4→1+2)。

最後に、じゃあ私自身はどうだったのかというと、1+2という感じです。1の堅実な株でポートフォリオの土台を固めつつ、2の成長株にそれなりに集中投資し、資産全体の底上げを図るという戦法でした。これは運よく上手くいきました。

そういうわけで、この人はどういうパターンで億ったのか?という目線で儲けた投資家を観察していくのも面白いんじゃないか、という話でした。

この人はどんな株を買って儲けたのかという視点より一歩引いて、どういうパターンで儲けたのか観察してみるのもいいもんじゃないでしょうか。まあそんなところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?