資本効率向上のための不動産売却、その先は?

 資本効率が悪いと東証から名指しされているPBR1倍割れ企業は、賃貸不動産の売却を模索しているようだ(10月11日日経)。都内ならせいぜい3%の程度の利回りに比して、投資家が基準とする資本コストは8%くらいか。したがって賃貸不動産投資の効率は低いと評価される。
 しかし、もともとは「お金はある。本業やその周辺事業には将来性を見いだせない。そこで不動産投資でもやるか。」として自社保有不動産を含めて、不動産賃貸業に乗り出したものだろう。それが今や、雇用者数ではともかく収益面では本業を追い越している、実質不動産賃貸業者になった企業も多いだろう。
 売却するのはいいが売却した金をどうするのか、その先が見えてこない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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