友野詳先生に質問しまくる ~『ダークユールに贖いを』 編~

前回前々回とゲームクリエイター・作家の友野詳先生にTRPGについてお聞きしたことをまとめてお伝えしてきたのですが、最後に、友野さんの最新作であるパッケージ版マーダーミステリー『ダークユールに贖いを』についてもお話をお聞きしました。

マーダーミステリー1度しかプレイできない!
「マーダーミステリー」。非常にザクッといえば推理小説の登場人物になりきって、犯人を探すというアナログゲームです。そして1度プレイすると、犯人がわかってしまうので、同じタイトルは2度とプレイできません。クール。

友野さんの最新作『ダークユールに贖いを』は7~9人でプレイできますが、

「できれば9人で遊んでほしいです。それで最大限楽しめるように作ったので」

とのこと。一生に1回なので、ぜひとも9人で挑みたいところです。プレイ時間は約3時間。お値段は定価3500円(税込3850円)なので、、みんなで出し合えば1人あたり400円ちょっと。大の大人が3時間夢中で遊べてこの値段なら、非常にお手頃。

「9人も人を集められない」という人は、お店でプレイすることもできます。1本買うくらいの参加料が必要ですが、これなら1人でも参加可能です。

舞台は吸血鬼の大集会。さて、どうロールプレイするか?
ちなみに、わたしはまだプレイしていないので、ザクッとしたことしか書けない…というか、プレイ後であっても「ここがおもしろかった!」ってことを書くとネタバレになってしまう。マーダーミステリーはおもしろさを伝えるのがとっても難しい!

「そう。難しいんです!一般論以上のおもしろさが伝えづらい。だから、最初のシチュエーションでどれだけ魅力的なことが書けるかだと思ってるんですよ。『ダークユールに贖いを』の舞台は吸血鬼の大集会。聞いただけでちょっとワクワクするでしょ?っていう」

なんと被害者も容疑者も全員吸血鬼!おもしろそうだけど、これまたちょっとロールプレイが難しそうでもあります。

「そこはデザイナーとして気を使っているところです。吸血鬼になりきってもらうために、導入の部分は工夫はしましたよ。進行役がいない場合には、このキャラがこのセリフを言ってね、とか」

ふむふむ。これはあくまでわたしの場合なのですが、テーマパークでアトラクションに乗る前にスタッフに「はい!ここで○○って叫んでください」とか言われると、全力でやってしまうところがあります。演技はちょっとハードルが高いとか言いつつ、それはできるという…

「そういうイベントとかアトラクションって、向こうが全部お膳立てしてくれて、一から教えてくれますし、『こうしてって言われてるからしょうがないよね』って自分に言い訳もできるでしょ(笑)。」

なるほど!つまり「このセリフを言ってね」というものが用意されているというのは、役柄に入り込むのに、とっても都合がいい!だって、ルールブックにそう書いてあるから!それに乗らないのは、逆に恥ずかしいってなもんです(笑)。

まずは1時間程度のものをプレイしてみるのがおすすめ
あまりにもクールなので、何回も書きますが、マーダーミステリーは同じタイトルを何度もプレイすることができません。「一生に1回」です。悔いを残さないためにも、この1プレイは大事にいきたいところ。

そこで以前、オンラインで1時間程度の初心者向けマーダーミステリーに参加した、わたくし・おはしからのアドバイス。

まずは1時間程度のマーダーミステリーをやってみよ。

ミステリー大好き!謎解きは得意!という人なら、いきなり本格的なものに参加しても十分楽しめると思うのですが、「興味があるなぁ。1回参加してみたいなぁ」くらいの人だと、ちょっと厳しいかも…と感じます。

推理する気まんまんで参加したのに犯人役になる可能性もあるし(これ、わりとあるある)、話の展開についていくだけでも、結構脳みそを使います。自分の知っている情報を小出しにしてみんなを揺さぶってみる、なんてことをいきなりできる猛者はそうそういないはず。

『ダークユールに贖いを』のようにプレイ時間が3時間を超えるようなものは、1時間程度のライトなものを1度プレイしてみて「なるほど。マーダーミステリーってこういうものなのか」とわかった後の方が、より楽しめると思います。

少々まどろっこしいと感じるかもしれませんが、生まれて初めて落語を聞くのに、いきなり大作「らくだ」を聞いても、いまいちピンとこないし、なんなら「落語ってむずくない?」と思ってしまうかもしれないのと一緒。

1時間程度のライトなマーダーミステリーだって、落語初心者におすすめの「時そば」や「まんじゅうこわい」と同じく、それはそれで十分楽しいものです。それに、こういったミニマムなものならオンライン通話でもプレイしやすいから、この時期にうってつけ!

というわけで、早速またオンラインでミニマーダーミステリーをする約束を取り付けたのでした。

きっと、コロナウイルスが収束して、みんなで集まれるようになる頃には『ダークユールに贖いを』をむちゃくちゃ楽しめるようになっているはず。思わせぶりな言動、華麗な仕掛けで皆を翻弄しまくりたいと思います。ふふ。

最後になりましたが、長時間に渡って、素人のわたしにもわかりやすく、丁寧にお話してくださった友野詳先生、このような機会を作ってくださった紫さん、お話の場でなかなか質問が繰り出せないわたしの代わりに色々と聞いてくださったみどりさんありがとうございました。

紫さんとみどりさんが両方、色のお名前なのは偶然です(笑)。

※こちらの記事は、友野先生のご許可をいただき、ご本人による確認を経て、掲載しております。


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