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自分の抱えた傷や物語を歌うと言う「生きる」の現在進行形で(友川カズキ)

昨晩、高一娘に、彼女が沼嵌りしている、
文豪ストレイドッグスの中で、
好きなキャラは何?と聞いてみた所、
「中原中也」という答えが返ってきた。

※文豪ストレイドックは、古(いにしえ)の文豪達が異能力者として現代の闇社会を舞台に己の事情や正義を抱え死闘する物語…という私の認識でございます。女子中高生にたぶん人気。

中原中也といえば、友川かずきとふと、
深海の提灯鮟鱇があかりを灯すように
古の記憶の扉が開きました。

私の認識では、
友川かずきは、70年台から活動している
カリスマシンガー(現役72歳)で
中原中也の詩を歌にしており、
「サーカス」など、
友川かずきのメロディでしか浮かばない位、
強烈に頭に残っている。

ゆあーん、ゆよーん、ゆあゆよん

二十歳前後、
友川かずきに心酔してる友達が、
よく、握り拳を振り
「生きてるって言ってみろ」を歌いながら、
度数の強い酒を飲んでたことをふと思い出す。

友川かずきは、男の美学という世界観があって
結局女は、憧れは抱けども
心底分かり得ない世界だなと
いまもなんとなく思っている。

今更ながらあの魂からの叫びは、
東北訛りで怒鳴り狂うような
強烈なインパクトは
ロックだ。
だけど、
ジャンルなんてどうでもいい。
魂に触れればなんだっていい。
それが音楽であり、芸術だ。

そして、改めて聞き直してみて
人が一つや二つ持っていそうな悪心を
一切許さない嘘臭い清廉潔白さ
分析によりなんとか知識として
その手に収めようとする
浅はかな愚か者達が犇く
万能ばかりが
求められる現在では
きっと生まれようがない鋭い歌詞に
知らぬ間に笑みが浮かびます

痛々しい表現の数々に対する
拒絶反応と同時に
頭の中だけ
どこまでも誰も追ってこない荒野に
たった一人佇むような
孤独で自由な
若かりし頃の開放感を感じる

清濁併せ持つ世界に身を置く
現在の自分という存在を
改めて思い知る。

だいじょうぶだよ、
何かからはみだした所で、
誰も見向きもされない所で、
だからなんだっていうんだよ
わかってもらわなくったっていい。
なぜなら人は結局のところ、
誰にもなれない。
自分にしかなれない。
「これが好き」があればいい。
響く人には響くし、
私は私の世界で楽しめる。
それをみつけられたら、
それだけで、生きて行ける。

なんてことを
死にぞこないの唄を聞きながら
少し酔いながら思う。

それにしても越後社氏はうまい。

夕方のスーパーにてしょんぼりした
叩き売りのアジ刺身が置き去りにされていたので
ねぎ、シソ、生姜、味噌を
これでもかと投入したなめろう作成
買ってきた塩辛
そしてワンカップ!
最高だ



いまこそ、
友川かずき(現在は友川カズキ)を聞き直してみよう。

https://youtu.be/mIQM6PtNXb8

…かっけー
結局、博打のこういう命懸けの綱渡り
みたいな本気に、痺れるんだよなー。
どこに出しても恥ずかしい人って
途方に暮れながら生きるって
私が最初に発したかった。
私の中に潜在するこの際どい部位がまさに疼く。
この表現、理想だ。

余談ですけど、
友川さんは、絵も描かれていて、
絵も素晴らしいと思います。

ブルゴーニュの牛とか、すごい好きだなー。

極めて惨めな自分の
抱えた傷や物語を
歌と言う「生きる」の
現在進行形で。









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