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「あたしは柴犬のアキ」32

 あぁよく寝たわ。昨日はモモちゃんに昔の話しを聞いてもらってすっきりした。あたし達もっと仲良くなれた気がする。

 よーし!モモちゃんのためにジョンを探し出そう。そうあたしは決めた。あたしはいつでもクロに会えるのに、モモちゃんはジョンに会えないのは可哀そう。とてもやる気が湧いてきた。とりあえず何をしようかな。あぁそうそう。先にモモちゃんに話さないといけない。
あたしはモモちゃんのお庭に行き、モモちゃんにジョンを探し出すと決めたと言った。「無理よ。何にも手掛かりは無いのよ。絶対無理よ」
「やってみないとわからないじゃない。モモちゃん。何か手掛かりになる事憶えてないの?」
「何にも覚えてないわ。でも匂いだけは憶えてるよ」
「そう匂いよ、モモちゃん匂いで探そうよ。絶対見つかるよ」
 モモちゃんはあまり乗り気じゃないみたい。でもあたしは探し出すと決めた。
「モモちゃん。あたし一人でも探すよ」
「わかった。ありがと。じゃあ一緒に探してくれる?」
「やったーすぐに出発しよう」

 あたしとモモちゃんはすぐに表の道路に出た。
「アキちゃん、とりあえずあちらこちらをクンクンして回ろうか?」
「オッケー、でもあたしはジョンの匂いがわからないから、白くて大きな犬を探すわ」
「じゃあ別々に探そうか。疲れたら家に帰りましょうね。アキちゃん、人に見つからないように気をつけてね」

 あたしは色んなお家の庭や犬小屋を見て回った。かなり遠くまで来たけどそんな白い大きな犬はいなかった。今日は諦めるか。あたしはトボトボと家に帰った。モモちゃんが後から帰ってきた。
「モモちゃんどうだった?」
「全然。アキちゃんは?」
「あたしも全然。今日は夜に何か良い方法が無いかゆっくり考えるね」
「あたしもそうするわ。アキちゃん今日はありがとう」

 あたしは夜遅くまで何か良い方法が無いか考えた。そして良いアイデアが浮かんだ。
早く明日になってモモちゃんにあたしのアイデアを話したいな。

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