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「あたしは柴犬のアキ」34

次の日になった。ジョンを探しに行きたいけど、おばあちゃんの事が心配。誘いに来たモモちゃんにもおばあちゃんの事を話した。モモちゃんも心配になって二人でおばあちゃんの家に向かって吠えた。おじいちゃんが出て来て、二人ともおばあちゃんの部屋に連れて行ってもらった。
「今日はモモちゃんも来てくれたんだね。ありがとありがと。だいぶ元気になってきたよ。アキちゃんとモモちゃんのおかげだよ」
モモちゃんとあたしは二人でおばあちゃんの顔を舐めた。おばあちゃんは凄く喜んだ。おじいちゃんのズボンを噛んだり引っ張ったりもした。おじいちゃんは「やめなさい」と言いながらとっても喜んでいた。
「あなた達がうちの子だったらどれだけ嬉しいか」
おばあちゃんはそう言いながらあたし達を撫ぜてくれた。いつまでもいたかったけど長くなったのでおじいちゃんが、あたしの家に戻してくれた。
「モモちゃん。ジョン捜索の続きをしようか」
「そうね」
二人はまた近所の道をくまなく歩いた。暫く歩いていると猫のジローに会った。
「ミーちゃんから聞いたよ。俺も今、ジョンってやつを探している。見つけてやるから期待して待ってて」
あたし達はとても心強くなった。ジローは不愛想だけど、とってもいい奴ってことをあたし達は知っている。
「ありがと」
お礼を言うとジローは照れ臭そうにどこかに行ってしまった。あたし達もまた歩いた。また猫ちゃんに会った。たくさんの猫ちゃん達がジョンを探してくれている。あたし達は猫ちゃんの会うたびに「ありがとう」とお礼をいった。それから最近クロに会ってなかったので、クロの所に行くことにした。モモちゃんは「私はお邪魔」と言ってついてこなかった。
 クロに最近の出来事を話した。
「俺も何か手伝いたいな」そう言ってくれたので、お散歩でクロの家の前を通る犬や猫にジョンの事を知らないかと話しかけてもらうことにした。
「時々は会いに来てよ」寂しそうにクロが言った。あたしもとても胸がきゅんとした。あたしはクロが大好きなのね。今日は長くなったし捜索はこれくらいにして家に帰ろう。

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