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「エラーで学ぶScratch」が日経BP社より書籍化されます

 2022年1月1日から2月15日まで,noteで連載したものが,日経BP社から書籍になります。
 今回の出版に向けて,noteに連載していた問題を加筆修正し,最終的に問題は全部で51問になりました(note連載は41問)。
 チャレンジ問題(3題)は,ゲーム的な要素のあるプログラムになっているので,完成した後に遊ぶこともできます。
 最終問題は,数学の課題としても興味深い教材です。

 監修は,青山学院大学大学院社会情報学研究科・特任教授の阿部和広先生です。Scratch日本語版を担当されています。全体の問題の構成やプログラムについて,専門的な視点から様々なご助言をいただきました。
 また,東北大学大学院情報科学研究科・教授の堀田龍也先生からは,大変お忙しい中,拙著について解説を書いていただきました。
 日本のプログラミング教育を先導されてきたお二人に関わっていただくことができ,感謝の気持ちでいっぱいです。

 私は大学入学からプログラミングをはじめました。工学部でない私が誰かにきちんと専門的に教わるということはほとんどなく,ただひたすら書籍のサンプルプログラムを入力してはエラーと格闘する日々でした。
 教師になってからは,授業でわずか5分や10分の活用するために,何日もかけて自作の教材を作成したり,仕事をちょっと楽にするツールを作成したりしました。
 忙しい中でしたが,今まで続けてきたのは,単純に自分が書いたプログラムが思い通りに動いた時の喜びが大きかったからです。
 また,使ってくれた人たちの驚いた顔を見ることや感謝の言葉をもらうことがうれしかったからです。

 小学校でプログラミング教育が始まったときに,先生が示したサンプルプログラムを入力して動かしている授業の様子を見て,少し違和感がありました。

 プログラミングの面白さって,誰かの作ったプログラムが動いたことではなくて,自分が考えたプログラムが思った通りに動いたことなんだよなぁ。そのためにはうまく動かないプログラムを動くプログラムに修正する経験が不可欠なんだけどなぁ。でも,プログラミングを経験したことない先生方がうまく動かないプログラムをどうやって修正するかなんて,すぐにわかるわけがないよなぁ。

 数学の授業では,わざと誤答を提示して,どうしてこんな答えになったのか考えることで,より深く数学の概念を理解できるようにすることがあります。
 そこで,エラーのあるサンプルプログラムをたくさん集めて解説すれば,プログラミングを学ぶ人たちの問題集として面白いかもしれないと考え,まとめてみることにしました。

 授業の課題として作成していましたが,そこそこ面白い例題がかなり集まったので,noteで連載して広く公開することにしました。
 あわよくば,誰かの目にとまって出版できたらいいなという気持ちもあったのすが,それが本当になるとは思ってもみませんでした。

 編集者や監修者との連絡や打合せは,メールやオンライン会議,データの共有はクラウド。新潟の田舎にいても,アイデアと技術があれば,ワクワクした仕事ができる,すごい時代になったなと感じます。

 今回の書籍で扱っている多くエラーは,基本的にどのプログラミング言語でも遭遇しそうなものです。
 しかし,執筆を進めていく中で,Scratchの奥深さを知り,特有の使い方,エラーがあることもわかってきました。そんなScratchだからこそのエラー事例もまとめられるといいなあと考えているところです。

#Scratch #プログラミング #学校教育

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