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ナポリタカオの小ネタ劇場

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ナポリタカオの小ネタオリジナル作品をまとめたマガジンです。登場人物のN氏とは著者・ナポリタカオ本人のことです。
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#あるある

スーパーマーケットのテロリスト

食料品とのソーシャルディスタンス数年前、世田谷区内のあるスーパー。 N氏は50歳前後に見えるオジサンが、自分の鼻をいじりながらどこかソワソワと歩いているのを目撃した。 遠慮せずにはっきり書けば、鼻クソをほじりながら歩いていたのだ。 彼はふと、自分の買い物カゴの中の食パンに目をやる。そして、何を思ったのか、急にUターンして食パン売り場へもどった。 イヤな予感はすぐに的中。オジサンは鼻クソをほじった右手で一度カゴに入れた食パンをもどし、別のメーカーの食パンを入れ直したのだ

寒風吹きすさぶ、街頭ビンゴ大会

突然、舞い降りた幸運数年前の切ないお話。 プリンターのインクが切れてしまったので、量販店Kに出かけたN氏。店頭で「なんとか感謝祭」の旗がなびいているのを見つけた。 高い買い物をしにきたわけじゃないし、オレは関係ないか。インクを買おうと店内へ歩きはじめたところで、突然、赤いハッピを着た女性店員に呼び止められる。 「お客様、よろしかったらどうぞ!」 ビンゴの用紙を差し出している。 「7時からビンゴ大会がありますので!」 「えっ、まだなにも買ってないけど?」 「いいんです。

アウトレイジが日曜のスーパーで10:00

日曜の朝1番でスーパーに並んだ人達 コロナ騒ぎが起きるずっと前、N氏は世田谷区に住んでいた。 真冬の日曜の朝、冷蔵庫におかずが入っていないのに気づいたN氏は、近所のスーパーの10時開店に並んでしまった。 並ぶのは大嫌いなのに、なんだか納豆が無性に食べたくなったのだ。 日曜の朝1番でスーパーに並んだのは6組。小学生くらいの子連れの主婦以外は、50代以降の人が多いようだ。 朝からそんなにソワソワしなくてもいいんじゃないかと思うほど、店内ばかり気にしていて、みんな余裕のない

浮かれてハマる落とし穴

続けて2日、お金を拾うN氏はある真夏の土日に、続けて国民のピンチを救ったことがある。 土曜日は明治神宮の軽食コーナーだった。ニヤけた顔で恋人のためにソフトクリームを買っていた青年がいた。 浮ついた気持ちから重なった3千円ほどの紙幣をポケットから落としたのだ。N氏はネコババしたい衝動を抑えて、声をかけた。 「お金、落としましたよ」 「あ、ありがとうございます!すみません!」 青年は丁寧に頭を下げて、N氏に感謝していた。いいことをすると気持ちがいいものだ。 さらに翌日の

熱い銭湯・蒲田温泉を守る説教爺

熱い銭湯で知られる蒲田温泉、その理由と背景N氏は昔、週末には東京都大田区の蒲田温泉に毎週通っていた。ここは東京でも濃い黒湯として知られ、サウナも別料金をとられずに入れる。 最近、テレビ番組「マツコ&有吉の怒り新党」で 「新・3大熱い銭湯」として、燕湯(台東区)、帝国湯(荒川区)と並んで紹介されたとか。 高温湯のほかに低温湯もあるのだが、もともとは同じ黒湯の浴槽であとから仕切り工事がされたものだ。 その理由や背景は番組で放送されただろうか。N氏は長く通っているうちに、常連