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ナポリタカオの小ネタ劇場

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ナポリタカオの小ネタオリジナル作品をまとめたマガジンです。登場人物のN氏とは著者・ナポリタカオ本人のことです。
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#雨の日をたのしく

突然、目の前を大名行列が横切るとき

社長の自虐ネタとはもう10年以上も前の冬の出来事である。だれに聞いてもあれ以来、こんな話を耳にすることはない。 コピーライターのN氏は広告関係の打ち合わせで、数人とプロダクションの社長である一升瓶太(仮名)に会った。当時、40歳前後に見えただろうか。 打ち合わせも終わり、一升が「まあ、一杯やりましょう」と言い出したので、メンバーはそのまま飲み屋に流れた。 最初はほがらかに仕事の話などをしていたのだが、 酒を飲むと一升はますます上手になり饒舌になり、自分のことを話し始めた

ニセ雅子さま、現わる!

ニコタマ、フタゴと呼ばれたきた街今回のお話の舞台は東京世田谷区二子玉川。通称ニコタマ。 N氏は以前、ここに住んでいたことがある。ここの住人は「どこに住んでるの?」と聞かれると、世田谷区とは言わず「ニコタマ」、あるいは「フタゴ」と答える場合が多い。 世田谷区が広すぎるために「世田谷区のどこ?」という追加質問を受けることも多く、めんどくさいので返答を一度で済ませたい。 しかし、どこかで二子玉川のブランド名をちょっと言いたいという心理もある。 これは横浜に住んでいる人が、同