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【読書感想文】『家守奇譚』梨木香歩

埋めてもらいたい場所…自分の場合はどこだろう、と考える。ふと、思いついて、
ーおまえはどうなのだ。埋められたい場所があったのではないか。
声をかけると、高堂は不思議な静か笑みを浮かべ、
ーその件は果たした。
と云って山を下りる小径を行き、すぐに闇に見えなくなった。

どう生きたいか、どう死にたいか、そんなことばかり考えていた自分が愚かしくなりました。
なんて夢のない人間だったのでしょうか。

こちらを読んで、なるほど死後の生活までオシャレに自分のやりたいように、いたい場所にいていいのだと気付かされました。

私が埋められたい場所は俄然「海が見える場所」です。

昨年の夏に読んでから、何度か偵察のために定期的に海へ行っています。周囲には狂人だと思われかねないので「シーグラス100個見つけるのが将来の夢なんだ」と言っています。かわいいですね。

また、この物語は主人公が実はヤモリなのではないかという疑惑が浮上します。あくまでも読者である我々にしかその疑惑は浮上させません。ガチ梨木ワールドですね。

猫も、自分を人間だと思っているという話があるそうですね。私も自分で気がついていないだけで、何かの動物なのかもしれないと思いました。

シベリアホワイトタイガーがいいですね。絶滅危惧種の気持ちを知っておきたいです。

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