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動物病院って儲かってるんでしょ?

先日の私の入院手術の費用が7万円弱でした。
日本の医療制度のありがたみを感じた次第です。
さて動物病院は?

動物病院は自由診療

獣医師の診療料金は、独占禁止法により、獣医師団体(獣医師会等)が基準料金を決めたり、獣医師同士が協定して料金を設定したりすることが禁じられています。つまり、現行法のもとでは獣医師は各自が料金を設定し、競争できる体制を維持しなければならないことになっております。したがって動物病院によって料金に格差があるのはやむを得ないのです。
(社団法人日本獣医師会「小動物診療料金の実態調査」より)

使用しているものの8割が人体用

使用している検査機器は基本的には人間と同じであり、購入金額も変わらないことがほとんど。
また、治療に必要な薬だってそうだ。ほとんどが人体薬。
薬局が仕入れている価格と同等だ。
薬の値段も動物病院で決めている。

動物病院の診療費は全額自己負担

人間医療だと原則3割負担ですが、動物病院だと全額自己負担になる。
我々人間の医療費に比べれば、高額に思えるのは当たり前。
ペット保険に加入していれば診療費のいくらかは保障されるが、現状ペット保険の加入率は12.2%とのこと。
(出典:株式会社富士経済「2021年ペット関連市場マーケティング総覧」、一般社団法人ペットフード協会「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」)
最近ではペットショップが購入と一緒にペット保険の加入を勧めてくれているおかげもあるが、まだまだといったところ。

高額と思うのは病院の説明不足

金額と価値に納得すればネガティブに高額と思うことは少ない。
診察時や入院時に費用をきちんと説明して納得していただだければ、のちにトラブルになることはほとんどない。

問診や身体検査から得た情報をもとに
『この病気じゃないか?』と鑑別をあげて、確定を取るためや他の病気を除外するために検査が必要なんです。
手術を行うにも、安全に麻酔がかけられるのか全身状態を把握するために
さまざまな検査を行う。
手術計画を立てるためにCT検査やMRIを行う。
術前検査をしないで、術中にトラブルが起きた際、対応が遅れると命に関わる。
事前に分かった情報のおかげでより安全に手術をすることができ、助けられる命がたくさんある。

問診、身体検査をしないで検査をするなんてあり得ません。
無駄な検査なんてないんです、本当は。
きちんと『検査をする意味』を伝えて、納得させること。

動物病院は真面目にやれば儲からない

・医療機器に投資する。
・病院の設備を整える。
・スタッフの給与を上げる
・スタッフの福利厚生を充実させる。
これらを真面目にするほど儲からない。
それに加えて治療費を抑えることは自分の首を絞めることに等しい。

動物病院は一般的にサービス業なんです。
『スタッフがやさしくて治療費が良心的』な動物病院と
「値段は高いけど顧客満足(質)が高い」動物病院の2つの種類があっていい。
質の高い獣医療を受ける場合、治療費も発生することもある。
金額を理由に適正な治療が受けれないこともあることもある。
このことを理解した上で飼い主さんが動物病院を選べればいい。

まとめ

儲かるかどうかはさておき、動物病院で勤めている人は
『動物を助けてお金を頂戴している』という気持ちが多いと思う。
後付けでお金がついてくる。
院長先生だけ儲けている動物病院もある現状。

知識をスキルに変えて、動物看護師も儲ける仕組みづくりは今後必要。
愛玩動物看護師が活躍している社会の実現を目指しましょう!

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