僕と拠り所〜宇宙の矛先 僕たちの未来④

閻魔「ブルァァァァァァァァァァァァ」
閻魔が出流とハインツが乗っている機神にもう攻撃を仕掛ける。
自分の何倍もの大きさの拳すらも片手で跳ね除けた。
出流「ミチオ!これじゃ全く通用しない。何か別の方法を考えないと!」

ハインツ「出流!何やってるんだ!横から来てるぞ!」

ハインツが叫ぶと出流の乗っているアルテミスの顔が炎を纏った拳で砕かれた。

閻魔「遅い!遅い遅い遅い!獄炎に焼き尽くされろ小童どもがぁぁ」

機神と搭乗しているものは意識がつながっているため、出流の頭に激痛が走り悲鳴を上げる。

千秋「出流!大変…回復しないと…千鶴お願い!」
千秋がそう叫ぶとアンソロジーが千秋の肩をそっと撫でる。
アンソロジー「無理だな…」

千秋「どうして!あんなに傷ついてるのに!」

アンソロジー「意識…神経系のダメージだ…実際には身体に負傷を負っているわけじゃないから治癒はできない。」

千鶴「アホめ…何故おりない…だったら何故あいつらはあのどでかいやつから降りないのだ?」

ツクヨミ「にゅー…力の差ってやつにー。ダーリンの機体は普通の攻撃じゃびくともしないはずなんだけどーそれを一撃であのダメージを与えるんだからアルテミスから降りて閻魔の一撃をくらえば身体無くなっちゃうよ?フフフン!」

千秋「あなたは?」

ツクヨミ「あちし?ツクヨミ!ミチオのハニーにー!」

アンソロジー「なんかウザくない…こいつ…」

千鶴「ミチオのハニー……」

ツクヨミがニヤリと笑う。

ツクヨミ「ハニーから聞いてないの?あー悲しい…あちしはハニーの拠り所なの!」

その場の全員がその言葉を理解できなかった。

千秋「拠り所………」

アンソロジー「なんだって…今なんて…」


閻魔が体勢を崩しかけたアルテミスの足を軽くコンと叩くと時間差で爆発しアルテミスは崩れ落ちた。

ミチオ「ダメだ…ダメだダメだダメだ!出流!出流!」

出流は完全に意識を失っている。

ハインツ「やばい…これじゃ俺たちも…やられる…ヘカトンケイル!ここから逃げよう!ヘカ…」

ハインツの左胸に激痛が走りヘカトンケイルがいる方を見つめる。

「………………」

閻魔「王位…と言ったな…貴様らが考えるこの戦いはそんなに簡単なものではない。生と死が繰り返され何人も無惨な若き者たちを我は見てきた。」

ヘカトンケイルの頭を鷲掴みにしながら閻魔はハインツに問いかけた。

閻魔「何故…神は貴様らの心に縋ると思う?」

ヘカトンケイル「このまま僕を殺せ…」

ハインツ「ダメだ!そんなこと絶対ダメだ!」

閻魔「ブルァァァァァァ…そんな茶番は何度も見た。」

ハインツ「頼む…ヘカトンケイルを殺すなら俺を殺してくれ…頼む…」

閻魔「貴様もまた、神に縋るか…残念だな。」

グシャリと…何か嫌な音をハインツは聞いた。

その時機神の姿が消えハインツは海へと落ちる。
落ちるハインツをミチオがかすかに動くアルテミスの腕で捕まえた。

ミチオ「ハインツ君…大丈夫かい?ヘカトンケイルは…一体…」

ハインツ「………わからない………わからない…」

閻魔「再起不能…とみなした。」

亜門「次はあいつらだね?」

閻魔「ブルァァァァァァ…」

閻魔は大きく息を吐いた。


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