晴れ、ダスティン・ホフマン

先週の吹雪が嘘のように思う。今朝は2月とは思えない晴天が広がっていた。

外を歩くと目が眩むばかりだった。いつもより長く散歩しようと、昨日とは別の道路を歩く。その時だった。猛スピードで視界に消えた獣を見たのだ。

犬かもしれない。一目散で住宅街に消えていった。まさか狐が駆け巡ったのか。UMAなら、映像に収めるべきだった(妄想ではない)。

出かける前、朝日が射す部屋でカフカの「変身」を読んでいた。雪の日はカフカ、と別記事で書いた割に、結局は晴れの日も読んでいる。文庫本に記した日付を見る。購入日は2000年の3月11日だった。

「卒業」を見るのは2度目である。「サウンド・オブ・サイレンス」は何度も聞いたことがある。不安をセリフではなく目で演じる男、教会で大人たちを出し抜き、笑う男。これはウッドストック・フェスティバルに差しかかかる少し前、若者たちの静かな「沈黙」なのだ、と思った。

(その他、映画について綴った電子書籍。発売中)